昨夜の絵茶で年の差で遊郭パロなサスナルを描いてくださった神に触発されてうっかり駄文投下です。
年下×年上と和服は正義(`・ω・´)←
気になる方は続きからどうぞ!
秋祭りの帰り道に、迷い込んだのは決してこの先に進んではいけないよと言い聞かされていた細い細い路地の奥。家族とはぐれて、気が付けば朱い灯篭の並ぶ妖しげな街中に一人佇んで途方に暮れていた。
「あれまぁ…随分可愛らしい旦那さんだってばねぇ」
コロコロと転がるような、不思議な高さと響きと色気とを含んだ声が降ってきた。振り返った先には、如何に夜が更けたとは言え公道のど真ん中だというのに襦袢一枚に身を包んだだけの一人の色子。所謂夜鷹、と言うものだろうかと耳だけで覚えた下世話な情報をひっぱり出してみた。が。
「…」
息が出来なかった。息をする事さえ忘れていた。
身体を売る商売に身をやつす者など卑しくも汚らわしい低俗な存在だと、何ともなしにただそう思っていたのに。今目の前に立つこの存在はと言えば、朱い灯が作り出す深い深い陰影の中、匂い立つような色香を醸し出しながらも凛として。
そう、それは、とにかく、美しく。
或いは、この世の者では無いのかも知れないと。
「聞いてるかい、坊や。お家へお帰りよ、此処へ来るにはまだ早いってば」
帰り道が分からないのならついておいでよと、透き通るような白い手が手招く先にあるのは桃源郷か、それとも黄泉の国へと誘うのだろうか。そのどちらであっても構わなくて、けれどこのまま逃がしてはいけないと誰かが深いトコロで囁いた。
ふわりと馨る香の甘さが、頭の芯をぐらぐらと揺する。手を、伸ばさなければ。
「っ、ぁ…っ…!?」
無意識ではあったのだけれど、一番手っ取り早い方法を身体が知っていた。どさりと倒れ込んだ地面の上。夜草が着物の袖と裾とを濡らして冷たい。
間近で見詰めて、まるで碧玉のように深く澄んだ眼の色をしている事に初めて気が付いた。舐めたら甘いのだろうか。幼い頃に口にした、南蛮渡りの飴玉の様に。
「…ませた坊やだってばねぇ」
吐息がかかるほどの距離で白磁の肌が苦笑に歪む。倒れ込んだ際に掴まれたらしい甚平の袷がずれて解けて、直接肩に乗せられた手は柔らかく、少しだけ冷えていた。肌蹴た裾から剥き出しの膝も細く白く、撫で上げればどれだけ心地好いのだろう。
もっと近くへ、もっともっと。思わず手を伸ばしたのは、濡れ羽色の長い髪。
「…!坊や、それは…!」
するり、と。掴んで引き寄せた筈の黒髪が、黒髪だけが手の中に残り、現れたのは闇に眩しく輝く金糸。
神々しく、妖しく、ますますと魅了されていく。やはりコレは、物の怪の類であったのか。鎮守の森の奥に住むという稲荷の狐か。
けれど、例えば今ここで魂を喰われたとしても構いはしない。あぁ、それとも此方から喰ってしまおうか。
心の底から湧きあがる初めての感情に流されるまま、目の前で薄桃色に艶めくその口元へと噛み付いた。
「んむっ…!」
肩の手が突き放す訳も無く、いっそもっととねだるようにして爪を立てるものだから、どうにも離れがたくその術さえ見失って少しだけ困ってしまう。細い身体に腕を廻したところで、歳の差からくる体格差では抱き締めるというよりもしがみつくといった形になるのだろうけど、今はまだそれでもよかった。
「…困ったってば」
僅かに離れた隙間から、吐息交じりに聞こえる熱に浮かされたような声音。肩の手はいつしか背中へ、そして首へ。
「これじゃ、坊やを帰してやれないってばよ…」
このまま帰れなくなったとしても、囚われたままであったのだとしても、この存在を手にいれられるのであればそれ以上は望まない。醒めない夢の中で、二人生きるのもいいだろう。
「別に…いい…」
「…それなら坊や、わっちを抱けるのかい?」
暗に示された、最後の選択肢。今ならまだ間に合うよと。お帰りよと。
けれどもそれを選ぶつもりなどもうとっくに消え失せたから、返答の代わりにもう一度その唇を。
END
―反省―
何故青姦なのか、子サスケ…!(知らん)
素敵絵に対してのこの駄文…真面目に申し訳ねェ…!orz