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寿美・由紀・治雄/〔静観塾〕五

【腰の動きに変化をつける/〔静観塾〕五の2】

(五)の2

2、腰の動きに変化をつける

? 四角を描く

 三人の塾生が腰を落としたまま骨盤を左右に滑らせるように動いているのを見ていた私は、動きを加えることにした。
 「今度、腰が左足の上に乗ったところから左足の踏み込みを真下にして腰を真上に上げてから右にずらし、右足に体重が移った後、腰を降ろし、腰を降ろしたまま左にずれ、その動きを続けてみましょう。」
 「四角形に動くんですね。」
 治雄が言った。
 「そうですね。
 片足の上で真っ直ぐ上がる、真っ直ぐ下りる、骨盤を降ろした状態で横に滑る、少し腰が上がった状態で腰が横に滑るの四つが滑らかに出来るかの練習です。」
 由紀が四角の動きを続けながら、
「これが足の裏で床を押して骨盤を動かす練習のフルコースですね。」
と言った。
 「私、振り付けのある形から入って、その中で動きを覚えて来たもんですから、こんな基本的な練習をしたことありませんでした。」
 寿美が嬉しそうに笑顔で語った。
 「では、その反対の動きに替えて下さい。」
 三人は、足の感触や腰の動きの感覚を丁寧に確かめながら練習を続けていた。

? 円を描く

 「次に、下で動かす時は下向きの弧を描き、上で動くときは上向きの弧を描いて、全体として」円を描くように動いてみて下さい。」
と、私は指示をした。
 「エグザイルみたい!」
 そう言ったのは由紀だった。
 「実は、この動きになると、腰を回そうという意識が働いてきて、足の裏で骨盤を動かす動きが疎か(おろそか)になってきますから、そこを注意して、基本の動きを身につけていくように注意を払って下さいね。」
と、私は指摘した。
 「確かに、腰を回そうとする感じが出て来ますね。」
と、治雄が言い、
「此処で基本が崩れてしまうんですね。
 気をつけなくっちゃー。」
と、寿美が追加し、丁寧に練習を続けた。
 反対回しの円も練習し、私たちは最後の練習に移った。

? 無限大(∞)を描く

 「次の練習で最後になりますが、今度は、左側で腰を上げたら、右下に向かって斜めに降ろし、右側でやや外回しの弧を描きながら上げ、右足の上に来たら、左下に向かって降ろし、左側も外回しに弧を描いてあげ、横8の字の形、無限大のマークを描くように動いてみましょう。」
 私の指示に、治雄が
「これは面白い!
 でも、難しい。」
と言った。
 「斜めに降ろす時ですが…、左右の骨盤の高さは同じなんですか?」
 寿美がそう訊いたので、
「踊っていたあなた方には違和感があるかも知れませんね。
 多分、あなた方は、頭や肩から降りていたでしょうから、どうしても斜めになって降りる癖が付いていると思いますので、その点に気をつけて練習して下さい。」
と、私は答えた。
 「頭頂部を真上に向けたまま、肩のラインも水平のまま動くってことですよね。」
 そう言ったのは由紀だった。
 「上半身がゆるんでくると動きは変わるんですが、それは後の話で、今は足の裏の力で骨盤を動かすという練習なので、四角であれ円であれ、この無限大で荒れ、基本をしっかり身につけていきましょう。」
 私は、そう伝え、逆の動きの練習も行ない、私たちは骨盤の左右の動きの練習を終えたのである。

寿美・由紀・治雄/〔静観塾〕五

【骨盤が独りでに滑っていく?/〔静観塾〕五】

(五)

1、左右にずらす

 「では、両足を肩幅より大きく広げて立ちましょう。」
 二人の女性は軽く跳んでパッと両足を開き、治雄は太極拳でもしているように気功の起式(チースィー)のようにゆっくり足を広げた。
 二人の女性はダンサーだからなのだろう、足先を外に向けて立っていた。
 「足先を前に向け、足の内側が下駄の歯のように二の字になるようにして下さい。」
 と、私は注意をし、二人が直したのを見て、
「では、左の膝を前に出すようにして、左足に体重を落とし、それを左右交互に行ないましょう。」
と伝えた。
 私も一緒に動きながら、
「膝は足先に向かって真っ直ぐ出るようにし、上半身が左右に倒れないように真っ直ぐ起こしたまま体重が真っ直ぐ足の裏、半分以上は踵に落としていくようにしてみて下さい。」
と指示した。
 三人は動きながら足の裏の感覚を確かめているようだった。
 「では、次に、体重が足の裏に落ちたところから、足の裏で床を真っ直ぐ下に踏み込むようにし、足の裏の力で骨盤が浮かび上がるようにしてみましょう。」
と、私は次の練習に移った。
 「あっ、感覚が全く違う!」
と、治雄が言った。
 「腰を動かすのに、こんなに力が要るとは思いませんでした。」
と、寿美が言い、由紀が、
「私、自分の体重がこんなに重いとは感じていませんでした。」
と、笑った。
 「多分、今の感じは、足で床を押す時、骨盤が浮き上がるまで押していると思うんですが、それを、バスケットボールのフリースローでもするような感じで、パッと一瞬だけ力を入れるようにしてみて下さい。」
と、私は次の指示をした。
 「あっ、これ、何だろう?
 海水浴に持っていくビニールで出来たビーチボールが掌の上にふわーっと載ってきて、それをポーンッとはじくような感じですね。」
 治雄だった。
 「あっ、ホントだ! ポーン、ポーンとビーチボールで遊んでいる感じ。」
 そう言ったのは寿美であった。
 「何だかわたし、」軽くなったみたい。
と、由紀が続いた。
 「では、最後になりますが、今度は、骨盤が沈んだら、骨盤が上がらないようにしてみましょう。」
 「沈んだままで左右に滑っていく感じでいいんですか?」
と、寿美が訊いた。
 私が頷くと、
「床は下じゃなく、外に押す感じになりますね。」
と、治雄が言った。
 「そうなんですね。
 骨盤を左に動かす時は、右足の裏側で床を右に押せば、骨盤は独りでに左にずれていく。
 これが陰陽的な力の使い方なんですね。」
 私が言うと、三人は何故だか嬉しそうに、骨盤が独りでに左右に滑るように動いていく感触を楽しんでいた。


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#自由舞

養生気功研究所(和気信一郎)

09019816957

kikounonakama@yahoo.co.jp


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寿美・由紀・治雄/〔静観塾〕四

【/〔静観塾〕四】

(四)

 「気功的な練習で言えば、本来なら、まず最初に体をゆるめる取り組みである〔ふぁんそんテクニック〕から始めるんですが、あなた方には、動きの基礎となる足腰の使い方を身につけていく練習から始めることにしますね。
 その基本は足の裏で床を踏み込むように押し、その力の反作用で骨盤が動いていくという動かし方にあります。
 作用反作用的な考え方、これを気功の世界では〔陰陽〕と言いますが、足の裏で床を押す方向とは逆の方へ骨盤が動いていくんですね。」
 私が言うと、
「上半身はどうしておけば良いんですか?」
と、寿美が訊ねた。
 「何もしなくて構いませんよ。
 取りあえずは骨盤の上に載せておくだけにしておいて下さい。」
 「こんな例が良いかどうかわかりませんが、祭の神輿のような感じですね。」
 そう要って、治雄は続けた。
 「担ぎ手の男衆が足で、担ぎ棒が骨盤で、お社が上半身って感じで…。」
 なるほど、面白いたとえだ…と、私は思った。
 「そのお社に当たる上半身の使い方は、足腰の使い方を練習した後で、ゆるめながら練習することにしますね。」
 そう私は言って、足腰の実習に入ることにした。


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気の舞/〔静観塾〕三

【ゆるんで動く練習から/〔静観塾〕三】


 「実習の目的は、あなた方のパフォーマンスを高めていくことにありますので、解らないところがあれば、その場で質問して下さいね。
 解らないところを残して先に進むのは、あなた方の場合には意味がありませんからね。」
 練功場に移った後、私が思いを伝えると
 「私たちの場合っていうと、他の人たちは違うんですか?」
と、治雄が訊いた。
 「はい、気功を学び深めていく場合は、行ったり来たり、違う道から歩いたりと、縦横的な感じで練習し、徐々に徐々に感覚を磨いていくんですが、あなた方には踊りとか太極拳とかと言った別の基礎があり、気の感覚よりも動きの感覚を身につけたいンだろうと思っていますので、解らないところは、その場で徹底的に練習した方がよいと思うんですよね。」
 「私たちもきの感覚、わかりたいよね。」
 寿美が由紀を見て言い、由紀は頷いた。
 「僕もですよ!」
と、治雄も後を追うように言った。
 「わかりました。
 でも、やはり、その前に徹底的に、ゆるんで動く動きを身につけていきましょう。」
 三人は、はい、と声を揃えて言った。

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気の舞/〔静観塾〕二

【動きを主にした練功を/〔静観塾〕二】


(二)

 二人の娘がやってくると思っていたのだが、愚庵に顔を見せたのは三人であった。
 メールで問い合わせのあった三十歳台の女性と、その友人の女性、そして同年代の男性の三人である。
 私は三人を愚庵の座敷に招き、緑茶を振る舞った。
 そして、三人の挨拶が始まったのである。
 「初めまして。
 私がメールを差し上げました寿美です。
 動画で先生の舞を観させて頂き、先生の動きのやわらかさに感動し、是非、先生から学びたいとやって来ました。
 よろしくお願いします。」
 そして、寿美は、二人の友人の名前を、由紀と治雄だと紹介した。
 「由紀です。
よろしくお願いします。
 寿美さんと一緒に、趣味で創作ダンスをしていて、時々、色んな福祉の施設にボランティアに行って踊っています。」
と、由紀は挨拶した。
 「僕は、治雄と言います。
 寿美さんからお聞きして、動画を観させて頂いて、僕、太極拳をしているんですが、先生の力の抜けた動きを身につけられればと思って着いてきました。
 僕も加えて頂いて構いませんか?」
と、治雄が言ったので、私は了解したと答えた。
 「あなた方は気功をするのが初めてだということなんですが、目的が、ゆるんで動くというところにありますので、気功のややこしい理論は軽く流し、動きをメインにした実習をしますね。」
 三人は嬉しそうに顔を見合わせた。
 「動きの基本は三つあり、脊椎全体を細い竹のようにバネを持ったしなやかさで動かすこと、腕を革で出来たムチのようにやわらかく伸びやかに動かすこと、そして上半身全体は、足腰によって動かすことの三つです。
 この一つ一つを丁寧に練習して身につけていき、それらを繋いで体全体のうごきに仕上げていきましょう。
 では、早速、練習しますので、練功場に移りましょう。」
 私はそう言って、彼等を板の間の練功場に連れて行ったのである。

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