「Nice to meet you,Mr.Dante?」
それとも、Good bye の方が良かったかしら。
にこりと笑んで言いながら右手に構えたリボルバーのトリガーをひく。
タァン、という音が一つフロアに響いて、続けてさらに二つ、三つ。
炸裂した薬莢の火薬の臭いと、飛び散った血液の匂いが充満した。
「―――残念だわ、やはり“これ”で終わってはくれないのね。」
すごく、残念。
言いながら硬質なそれをぽい、とその辺に放り投げて倒れたまま動かないダンテを見下ろす。
「…起き上がるのに手を貸して差し上げた方が良かったかしら?」
「―――ノーサンキュー、だ。物騒なお嬢さん?」
「あらそう?でも折角だもの――――手伝わせて頂戴。」
まだダメージから回復し切れてないのかぼんやりした焦点のままのダンテを勢い良く蹴り飛ばす。
「―――――ぐっ!」
既に人の身でない私にとって魔力を上手に使えば成人男性を吹っ飛ばすことぐらい可能だ。
壁に叩き付けられたダンテが、呻く。
「―――変な気分。」
ゆったりとダンテに近付いて、立てないように頭をブーツで踏み付ける。
「顔だけそっくりってのも考えものね。」
「―――同じ顔でも、俺は初対面だぜ?…野郎を踏み付けるなんて随分ハードな趣味してんな」
「それを許容するアナタもなかなかイイ趣味してると思うわ」
意外に気が合いそうね?
ニコリと笑んで、踏み付ける足に少し力を加える。
「ぐ…ッ!」
「だってバージルじゃこうはならないわ。―――アナタもよく知ってるでしょう?Mr.ダンテ?」
「―――ダンテでいいぜ、女王サマ?」
「イイ具合に俗っぽいようね、ダンテ。嫌いじゃないわ、そういうの。―――でも、ダメ。」
踏み付けていた足をひいて、次の瞬間―――凶悪なまでに魔力を込めた蹴りを放った。
ダンテが、宙を舞う。
「―――バージルに軽蔑されたくないから遠慮するわ。」
私、彼にベタ惚れなの。
「今からでも良いから退いてくれないかしら。―――私達は、どうしても魔界へ行かねばならないの。」
本当は出合い頭に終わってしまうのが一番良い形だったのだけど、かなわないことなどわかっていたことだった。
「――――ハッ!そいつは残念だ!」
起き上がったダンテが、背負った長剣を構える。
「兄貴とのランデブーを邪魔しちまった、って所か?―――あんたにゃ悪いが、俺はあいつが気にらねぇ。」
折角の美人はあいつのカノジョ、らしいしな。
そうやっておどけてみせるダンテに隙は、ない。
「そう―――アナタ自身は嫌いじゃないわ、でも」
あの人の邪魔をするのなら――――容赦はしない。
戦いの火蓋は切って落とされた。
それはただ一つの愛のために
(誰に何と言われても私は)
***
この間の兄夢の続きみたいなもん。
多分テメンニグル内のどこか。(アバウト
DMC夢は白星の趣味で基本兄前提。
ダンテェィはドMだといい。(ただの願望
だってあいつ刺されても全然気にしないし…!
兄ちゃんがドSだから丁度良いんだよ。
そして起こすの手伝おうかとか言っておきながら蹴飛ばして踏み付けるヒロインも普通にS。
…白星にMなヒロインは難しいよ。