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千波に送りつけたボス夢

「おい、カス。」

膝を折り跪いた私の頭上から、低い、容赦ない声が降り注ぐ。

「―――はい、なんでしょう」

XANXUS様、と言葉を紡ぐ前に、右肩にブーツの踵を振り落とされて、床に沈む。

「―――ぁぐ…ッ!」

「―――テメェみてぇな貧弱な女がなんでヴァリアーなんかに志願した?」

答えろ。

言いながら先程の一撃で外れただろう右肩を踏み躙るXANXUS様に、遠慮や手加減などと言う甘ったるい言葉は存在しない。
ただ、甘んじて受けるだけ。

「ぅ、ぐ…っ、あ、」

「金か?裏社会での地位か?殺しがしたいだけか?」

ピジョンブラッドの瞳が射殺すように細められるのが、見えずとも分かる。

「―――答えろ。」

そんなこと、決まっています―――愛しい、我が君。

「――――富も、地位も、何一つ欲しくはありません。薄汚れた人間の血を被る事なんて吐き気がします。」

願いは、一つだけ。

「私が望むのは、貴方の為に生きて――――貴方の手に掛かって死ぬ事だけです。」

邪魔であれば、殺して下さい。
ですが、できればどうか、貴方の手で。

「それだけ、です。XANXUS様。」

静かに見上げれば、今度こそ美しいピジョンブラッドの瞳が見えて。
可笑しいと言わんばかりにすがめられた。

「――――ぶはっ!」

乗せられていた足が退けられて、私は無様に起き上がった。
XANXUS様の笑いは、やまない。

「くだらねぇ、実にくだらねぇ理由だ」

「はい。」

「無償の愛なんぞ気色悪いが、テメェのはただのエゴでしかねぇ」

「はい。」

ただ、静かに、ただ頭を垂れる私に、XANXUS様が近付き、顎を持ち上げられる。

「―――だが、くだらねぇそのエゴも、たまには悪くねぇ。」

「――――…!」

「俺の為に生きて、死ぬ事を許可する。」


今、これより、テメェは、俺のモンだ。


獣が食らい付くように乱暴なキスが、降った。





もしも願い一つだけ叶うなら、君の側で眠らせて

(――――ああ、なんて幸せな、)






*****
初ボス夢がこんなんとか白星は間違いなくどこか病んでると思う。(笑)
でもこれボス愛でボスに罵られたい千波を思いながら書いたからこうなったんだよ。(言い訳

BGM:宇多田ヒカル「Beautiful World」

ディーノ=ポルノグラフィティのイメージあるよね。


普通に家に帰るだけのハズが―――なんで、こんなことに?


ハネウマライダー


雑貨屋で様々なデザインのヘッドホンが並ぶ棚をぼんやりと見つめる。
―――なんでまた、こんな状態に…
私、大塚倭(17歳)の隣りには今、なぜか、見知らぬ外国人の美青年がいます。
―――いや正直物凄く好みな感じのお兄さんだからうれしいっつーかおいしいんだけどさ。(思考が腐っている)

「へぇ、なんか随分可愛いデザインのがあるんだな〜」

「(しっかし…この人ホントに外国人なんだろうか…あ、ハーフとか?)」

楽しそうに品物を見ている青年の顔の造形は明らかに日本人ではないのだが、日本語ペラペラ(しかも発音完璧)でなんだか良く分からないが、なんとも言えない気分になってくる。

「(その上外見格好いいのに、中身可愛いぜこん畜生的なオーラが出てるんだけど)」

不意に青年が人懐っこい笑顔でこちらを振り返る。(めっさ王子様系ですね!)

「んで、どれがいい?」

「え?あ、いや、あの、やっぱりなんか悪いですから…!」

「いいって、いいって!俺のせいで壊れちまったんだし、弁償くらいするって」

―――そう、彼が今私の隣りにいる理由は“それ”だった。


この雑貨屋までたどり着く数十分前―――私は学校帰りだったのだが、彼が階段の上から転んだのに巻き込まれ一緒になって転び、お気に入りのヘッドホンが壊れてしまったのだ。

―――それはもう、無残に。


―――それでまぁ、こっちが悪いことをしたような気分になるくらい何度も謝り倒すお兄さんの勢いに負け、ズルズルとここまで来てしまったわけなのだが。

「でもやっぱり初対面なのにワザワザ弁償してもらうなんてなんか悪いですよ。」

正直なことを言えばラッキー!弁償してくれんの!?とかはじめのうちは思っていたのだが。(悪どい)

今この場で申し訳なさそうな顔なをする彼に、たんだんとなけなしの、一般人としての良心が痛んできた。

「って言うかお兄さんがこけちゃったのは言っちゃえば事故だし、仕方ないことだし…そもそもあたし、そそっかしくて物をよく壊すんでこういうのしょっちゅうだし物なんて遅かれ早かれいつか壊れますから!」

だから弁償なんて良いです!とまくし立てれば、青年はきょとん、とした顔をしたが、次の瞬間には考える素振りをして、名案でも浮かんだらしくニカッと笑った。

「…じゃあこうしようぜ!」

「はい?」

「『壊した弁償』じゃなくて『知り合った記念』に、俺からプレゼント!な?」

「……はい!?」

「ちょっと待ってろよ」

「え!?あ、ちょ…っ!?」

一瞬思考がフリーズしたせいでパタパタとレジ方面に走って行くお兄さんをうっかり引き止め損ねてしまった。

「…って、レジ方向?」

え、まさかマジで買いに行っちゃったんですかお兄さん!
しかも知り合った記念にプレゼントて!

「外国人ってそういうもんなのか…!?文化の違い…!?」

もしくは、まさかとは思うけどカッコカワイイ良い人なふりして実は百戦錬磨とかそういうのですか!?

「あたしに一体どうしろと…!?」

頭を抱えたい気分でいっぱいになった頃、見計らったようにお兄さんはニコニコ顔で戻って来た。

「お待たせ!」

「は、早いっすね…!」

「はい、コレ。」

お兄さんはすっとさりげなく手を私の手をとって掌に、可愛くラッピングされた袋がポン、と乗せた。

――――さりげなく手をとって?

「(この人、これ、素なの!?天然王子!?)え、あの」

「いいから、受け取っとけって!」

俺、あってもきっと使わないしさ!
そういうお兄さんに思わず気が抜けてしまった。
見掛けによらず案外ズルイ物言いをする人だ。
いや、人の扱い方を知っている、と言うのが正しいか。

―――断れないじゃん。

「…じゃあ、ありがたくもらっておくことにします。」

苦笑い気味に笑えば、お兄さんは、おう、と満足気に笑った。(ああ畜生これだから美形は!)



それから結局、駅まで一緒に歩くことになって話している間に、ちょっと仲良くなった。
ちなみにお兄さんはディーノと言うらしい。
純粋なイタリア人で、ハーフではないそうだ。(じゃあなんだその完璧な日本語!詐欺か!)
しかし、この人、なんだかよく分からないが物凄くドジっこ属性らしく、何もない所で成人男性(しかも金髪美形の王子系)が何度も転ぶ様をマジマジと見るはめになるとは思わなかった。
この人、あたしより年上よね…!?

「そ、それじゃ、ディーノさん。ありがとうございました。」

「ああ、こっちこそ、なんかごめんな?」

苦笑気味に笑うその姿が妙に様になっていて、ああ、でもやっぱりこの人は大人なんだろうなぁ、なんてことを感じる。

「いえいえ!なんか楽しかったし、最終的には得しただけな気がしますし!」

どうも、ありがとうございました!と勢いよく頭を下げて、笑えば、彼も笑う。

「そっか!ならよかった!」

「―――…はい!」

花も綻ぶって言うのはこういう笑顔を言うんだろうな、なんてことが頭をよぎって、思わず見とれてしまった。

「(マジで童話からそのまま王子様ひっぱってきたみたいだ!なんだこれ、やばくない?あたし別にそんな王子様に憧れたりとかしてないはずなのにどうしたことだ!美形パワー!?)」

「じゃあ俺そろそろ行くな!」

「え、あ、はい!」

気をつけてくださいね、と言おうと慌てて顔を上げた――――途端。


頬に、柔らかい感触。

ちゅ、

「え…」

「じゃ!またな倭!」

何をされたのか理解する前にディーノはCiao!と引き止める間もなく陽気に去って行った。

「え、今、……………ええええええぇ!?」

色鮮やかなヘッドフォンと一つの爆弾を残して。





(つ、綱吉ー!どうしようこれ!あたしちょっとやばいわ見知らぬ金髪の王子様に恋したかもしんない!)
(えぇ!?ちょ、なにそれ!倭姉ちゃんが!?恋って…恋!?)




***
多分綱吉のいとこの姉ちゃんでお互い悩みや愚痴を言い合う感じのポジションみたいな。
ディーノはなんか普通に夢らしくなるよ。(笑)

これの続きのネタ練ってたりする


大したことじゃない。
キミの傍にいたいだけ。



ズバーン!と派手に並中の応接室のドアを開ければ愛しき美少年。(女のあたしよりも断然見目麗しいんだぜ!)

「ひっばりくーん!アキラさんが今日も今日とて愛ゆえに雲雀くんに会いに――」

「帰れ。」

飛んで来たトンファーが、耳元で風を切って、背後でガラスが派手に割れる音がしました。(ごめんね草壁くん!後始末は頼んだ!)



そんな、毎日。
僕らの関係。



顔を出した後はいつもこうだ。

「やれやれ、全く!雲雀くんってば顔出した途端にドメスティックバイオレンスだなんて、イマドキ過ぎて面白くないよー!」

ブンッ!

「こっちがやれやれだよ、っていうか何がどうドメスティックなのか聞かせて欲しいんだけど。君と伴侶になった覚えはないよ。」

ビュオッ!

「ナイスツッコミ☆でも大丈夫!雲雀くんが18になるまでちゃんと待ってるから!」

ガッ!

「星に帰れよ。っていうか今日こそ咬み殺す。」

ドゴォッ!

「あ、草壁くーん!悪いけどあたしの分もお茶入れといてー!」

決まって雲雀くんがトンファーを持ち出してきてしまうので何故かいつも出合い頭に戦闘になる。(まぁあたしとしては可愛い猛獣と戯れてる気分だ)

他愛もないことを喋っている間も攻撃が止むことはない。(あ、雲雀くんまた壁壊した!)

マジで毎度後始末とかごめんね草壁くん。
でもあたしだけのせいじゃないと思うの。


「てかさー雲雀くーん。」

「なに」

「あたしもう現役退いて久しいからこういうのやめなーい?てかあたし丸腰なんだけど!」

雲雀くんは少し考えるような素振りを見せたが、すぐに拗ねたように口を尖らせた。

「………やだ。」

はい、きたー!
ちょ、もう、やだ、何この可愛い生き物!

「雲雀くんて本当可愛いよね。」

「何マジマジと言ってんの。キモいよ。」

「ちょっとそれ女の子に言うセリフじゃないから!」

さすがのあたしもブロークンハートだよ!と叫んで、窓枠に手を掛ける。

野球部が元気にランニングしている声が聞こえた。

「雲雀くんの心ない一言に傷心のアキラさんは仕方ないから今日の所は帰るよ」

「…逃げるの?」

「いや?また次回に持ち越し、かな」

不満気な雲雀に、にこ、と笑んで見せた。

「好きだよ、雲雀くん。じゃあまたね!」

それだけ言って、あたしは窓から飛び下りた。






何ごともなかったかのように無事地面に着地したアキラの姿を思わず目で追う。(…ここ、三階なんだけど。)

変な女だ。
毎日のように応接室に顔を出し、へらへらと鈍そうな顔をしているくせに、トンファーによる攻撃は喋りながら適当に避けてあしらって一撃も食らわない。(しかも毎度去り際に好きだとか言っていく。)

本当に、変な女だ。

でも、

「―――また、ね。」

こんな日常も、関係も、
悪くはないと、思う。








***
イケイケゴーゴー雲雀相手夢主アキラさん(笑)
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