こんな風になるなんて、これっぽっちも思ってなかった。


私が“この世界”―――――テルカ・リュミレースに来た理由がずっとずっとわからなかった。
否、知ろうとすらしていなかった。
ただ単純に、トリップしたという事実を受け入れ、環境の違いに戸惑いながらも前向きに、それなりに順応しながらこの世界をエンジョイして、この世界で“生きる”ことを第一に考えて過ごしてきた。

―――――たとえ、魔物であっても、命を奪い、自らの手を染めて尚、私は。

――――せめて旅が終わるまでは、と思っていたのに。

「嘘、でしょう…?」

迫るタイムリミットに、気付いてしまった私に、落ちる涙を止める術はなかった。


7.涙の真実

(向こう側が透ける指先に絶望を覚えた)
(お願いだ、まだ、私は、)



******
《title by【モノクロメルヘン】大学生×高校生的告白から成功五題》
…藤田麻衣子さんきいてたらこんなんなってました。
あれ…おかしいな…ギャグのはずなのにどこいった…?/(^q^)\