わずかな音と土煙を残して
二匹のひつじが歩いていく

はるかに遠い目的地
けれど、確実に近づいている

一歩一歩 踏み出して
迷わずに向かっていこう

なのに、一匹のひつじは立ち止まった

そのひつじは傍らの仲間に囁く

「ちょっと疲れたんだ」

だからボクに立ち止まれとでも言うの?

「そんなに頑張らなくてもいいじゃないか」

それでもボクは行くよ

立ち止まるわけにはいかないから
まっすぐに向かう場所があるから

ボクにはボクの行くべき道がある
だから、歩幅を合わせて遅らせることなんてできないよ

道が違えてしまう時があるなら
ボクはボクの道を進むよ
それはボクだけのものだから

立ち止まるひつじと、前を進んでいくひつじ

ひつじは一匹になっても進んでいく

ずっとずっと、まっすぐに
迷うことなく、前を見据えて

果てのない空と、いつまでも続く道

ひつじのもとに届く風は心地よい便り

それらを抱いて
希望を抱いて

ひつじは目的地へと進んでいく――



+++

時には水のみ場や匂いのする草に誘われたり、崖の上に立って冒険したくなる。

けれど、何度も道を確かめた。

その上で、一歩一歩進んでいくんだ。

わたしは立ち止まらない。
歩幅を緩める気もない。

進まなければ、きっと後悔することになるから。

この道は、夢はわたしだけのものだもの。