あの時の恐怖よりも、君に嫌われることが怖い。
自分で御しきれない激しい感情は怖い。
これ以上、君に近寄りたくない。
遠い地へ逃げ出したいのに、離れたくない。
嫌われたくない、困らせたくない、それなのに取り縋って愛して欲しい、構って欲しいと訴えてしまいそうで君の視線に気づかないふりをする。
矛盾した、相反した感情が奔流となって僕の心を掻き乱す。
だから、僕は常に笑顔を保つ。
感情に振り回されることが怖くて、自分でなにをするかわからないから。
不安など微塵も感じていないように、常に笑顔でまわりに溶け込む。
君はいつも優しい微笑みで僕をみる。
君は僕の事をどう思っているんだろう。
こんな僕を知ったら、落胆するのだろうか。