そのことで、自分の中でも変化が起きているのかな。
あの料理、食べるのがずっと辛くて、大好きだったのに食べたいと思わなくなっていたのに。
今日食べなきゃいけなくて、憂鬱だったのが。
久しぶりにご飯を食べてほっとした。
食べ終わって顔を上げたら、君の気配はまた消えていたんだけれどもね。
そのことが、寂しい。
場所も状況も違うのに、あの頃が浮かぶなんて、何だか変だよね。
君がいなくなって数年はそんな感じだったなぁ。
君との思い出の場所に、君の影が見えて、辛くて辛くて堪らないくせに、君を求めていた私。
新年から湿っぽいなぁ。
寝る時になって、じわじわ苦しくなってきた。
涙は零したくないのにな。
せっかく温かい記憶を思い出したんだから。
そうやって、整理をしていく。
いつか君のことを笑顔で話せるように。
今日は君との思い出が詰まった料理を食べた。
お正月になると君の家で毎年食べていた料理を久しぶりに食べた。
本当にたまたまなんだけどね。
前々から今日って決まってたんだけど、何だかなぁ…。
君はそこにいないのに。
何だか君もそこにいて、一緒に食べている気がした。
そしたらたくさんご飯が食べられたんだ。
久しぶりにご飯が美味しく感じたんだ。
味がした。
泣きそうなのに、心に空いた君の穴が満たされているような気がして、涙は零れなかった。
温かい料理に温かい空気。
いつもと変わらないことが、何故だか温かく感じたんだ。
いつもの君の定位置をご飯を食べながらふっと見てみる。
そもそも机も小さくて、君の座る位置の場所はないんだけれど、まるでそこに机が続いているようで。
透けてみえた。
目を細めてみれば、あの頃の音が聞こえてくる気がした。
わいわい がやがや 、恒例のお正月風景。
三が日は過ぎたけれどもね。
君を感じる。
それだけで、私の世界が変わる。
そう改めて実感した。
君がいるだけで、私の世界に色が溢れる。
少しでも感じていたくて、料理にだけ目を落として食べた。
視界の端で君を感じながら。
しばらく前までは悪夢ばかり見ていて、
その後は楽しい夢ばかりみていた。
新年の少し前くらいからかな。
新年から三が日までは変ちくりんな夢を見ていたけれど、別に悪夢ではなかった。
それが過ぎたらまた楽しい夢で、
彼の夢を見てから、楽しい夢じゃなくても良い、とか散々悪夢に悩まされていたくせに思って、でも悪夢は嫌だな、普通が良いと思っていた矢先にこんな夢を見るとか…。
最近は疲れていて夢の密度が濃いのよね。
……恋愛ものはいりません。
途中から幸せになって、
知らない世界で、
運命の人に出会って、
でも途中からどんどんおかしくなって、
巻き戻したらどんどんおかしくなって、
もうどうしようもなくなってきて、
運命の人が壊れていって、
好きなのはあなたなのに、
でも逃げてもすぐに捕まえられちゃうから逃げることも出来なくて、
私は結局巻き戻すんだって思ってた、
だけどあなたは「もういい、もういい」って、
もう1人の彼が話していのを被せて感情を押し殺した声で吐息のように話し出して、
注視しようとした矢先に、
「止めてぇええっ!!!」と叫んだ、
誰も止めることが出来なかった、
もう1人の彼でさえ、
動く暇を与えなかった、
そのまま世界は凍りついた。
呆然とした、
まさか時を止めてしまうと思わなくて、
私だけど私の中にその選択肢はなかったから、
信じられなくて、
いつの間にか持っていたリモコンで巻き戻そうとうっすら思考の奥で考えて握り直した時に、
夢からはじかれた。
唖然。
バチってした。
最期に聞いた悲痛な叫び声が耳にこびりついている、
顔は伏せていて見えなかった、
そもそも意識は2人の彼に向いていた、
もう1人の私が逃げないように監視するマッチョな人が隠れているんだろうけど見えていて邪魔に思っていた『彼さえいなければ私は彼らから逃げられたのに』って、
でも最期の私が選んだのは、
コンテニューすることではなく凍結することだった、
私にはそこまでの勇気は無かった、
もう戻したところでの思いはあったけれど、
それでも彼を救いたかった、
その可能性が1%でもあるんじゃなあたかと諦めの悪い私に対して決断を下した。
夢だからね、
可笑しいところは今振り返れば多々あるよ、
繋がらないところとかね、
別々の夢が気付いたら融合していたりね、
よくあるように、
その中で動く私になっていたかと思えば他者視点になっていたりね、
でも最期は私の意識がそれた瞬間だった、
あの夢の中の私の感情の爆発、
繰り返されることに絶望してた、
それくらいなら時を止めた方が良かったのかもね、
そしたら誰も悲しまない。
そもそもが1匹狼的な彼と過ごす内に絆されて運命の人だと受け入れてラブラブに過ごしていたのに、
彼もようやく他者とも関わりが出来てきたのに、
そこで関わりが1番深くなってきたもう1人の彼が私達の仲を邪魔するのよね、
それくらいから徐々に彼がおかしくなってきて、
もうどうしようもなくなってきて、
私は時間を戻してしまうの、
何事も無かった幸せな頃の時間に隣で幸せだと笑う彼、
次こそはと思うのに、
もう1人の彼の執着にまた彼が壊れていく、
好きが届かない、
何度ももう1人の彼と私が運命の相手で彼は違うという検証をさせられてうんざりしてくる、
例えそうだとしても私が好きなのは彼なのに、
大好きな彼がどんどん壊れていく、
時を戻す度に巻き戻せる時間が短くなっていって、
巻き戻してもよくなるどころか余計に悪くなっていって、
もうどうしようもなくなった。
思い出せない部分も多い。
始まりの方とかね。
でも最期からだいたいその少し前はそんな感じだった気がする。
でももっとどんどんドロドロになっていくんだけど詳細が詳しく思い出せない。
目が覚めてすぐに書かなかったから、
夢がスルスルと逃げていく。
だけど最期の声だけは耳に残っている。
そして最期の時だけ、
私が話し出したところから、
気付いたら画面越しに見ていた。
最期のほんの数十秒だけ、
私が私で無かった。
目が覚めて時計を見たら4時44分。
もうネタでしかない。