今日、たまたま君の写真を見た。
本当に不意打ち。
写真、アノ人に捨てられて、君の写真は1枚も手元に無い。
見るのが辛くて見えない場所に隠していた私も悪いんだけどね。
でもまさか引っ越しの際に私が映る写真ほぼ全部捨てられるとは思わないよね。
いつか大丈夫になった時にって取っていたのに。
他にも、私なりの思いがある写真もさ。
どこまで私が憎いんだろうね。
もう君と一緒に撮ることは2度と出来ないのに。
写真はね、君のピンの写真。
初めて見た。
君は笑ってた。
楽しそうに笑ってた。
何か良いことがあったのかな。
不意打ちってキツいよね。
息が止まるかと思った。
思い浮かべる君に少しずつ慣れてきたと思っていたけれど、
写真は鮮明だね。
朧気になってきた君が鮮やかにいて。
心臓が悪い意味で打ち抜かれた。
そのまま涙がぼろぼろ零れてきそうになって、
慌てて目を反らした。
でも、目に焼き付いている。
まだ、君が辛い。
大丈夫、大丈夫、そう思うのに。
何て脆いんだろう。
君のその写真の前には、命日でも誕生日でもないのに和菓子が置いてあって、
まるでお供え物みたいで嫌だった。
逢えないって突きつけられて、
自分じゃなく、他人にされたのがたまらなく嫌だ。
分かってる、分かってる、分かってる。
だけど、君が冷たくなったこと、認めたくない私が底にいるの。
いくら心を殺しても、しぶとい私が消えない。
……あぁ、でも、あの写真欲しいな。
絶対に無理だけどさ。
君に焦がれて、君に絶望する。
大好きで、大嫌い。
置いていかないで。
もっと傍にいてよ。
せめて私が大人になるまで一緒に歩いていたかった。
あの頃出来なかったこと、今は出来るよ。
君が喜ぶと思って、影で勉強したんだ。
結局、1度、まだ未熟な状態で披露しただけだったよね。
他にもたくさんあるけれど、
結局見せられずじまいだったね。
色褪せた世界で、情熱が生まれない。
どこか諦めた私。
そんな私を君は叱るかな。
それとも困った顔をする?
あぁ、でも泣かないで。
それだけは見たくないや。
君に泣いて欲しくなくて、頑張ってたけれど、
疲れちゃった。
いつまで頑張れば良いの。
君といた頃のあの空気が恋しいよ。
そんな空気をもつ人が例えいたとしても、
君以外とはお断りだけどね。
たくさん泣いたら、
今日も歪に笑う。
いつか君が好きだと言ってくれた笑顔になれるように。
少しでも近付けるように。
君がいなくなって壊れた表情筋は、
少しは動くようになったよ。
気を抜くと駄目だけどさ。
はぁ。
下を向いた後は、ぐっと上を向く。
しばらくしたら、前を見る。
そこに君はいないけれど、
君に見せたい景色を見つけにいくよ。
夢で逢えたのなら、
たくさん今度はお話させてね。
君と離れていた間に見つけた素敵なものを、
笑顔で話すから。
きっと君もそんな私を見て、
嬉しそうに笑ってくれるよね。
本当は、大好きだよ。