2016-12-25 00:12
メリークリスマス!
本日は会社で夜景役に徹する長谷川です。
それはそれとして『
エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―』更新しました。ようやく第1章の折り返し地点に到達です。
あらすじ欄で「ファンタジー戦記」と銘打ちながら、序盤はあんまり合戦の描写がなくてすみません。この物語は第4章までが起承転結でいうところの「起」なので、本格的に戦記っぽくなるのは第5章〜だったりします……。
第4章までは主に世界とキャラクターの説明です。とにかく登場人物が多いので、メインキャラは4章までに見せ場を作ってどうにか読者に覚えてもらおうという魂胆です。でも途中で飽きて脱落する人多そう……(笑)
自分の構成力のなさを嘆きつつ、第21話〜第25話までの用語解説です。
(なおカミラ編は用語解説し尽くしたので第26話〜第35話までは用語解説お休みします。たぶん)
【第21話】
◆アンジェロ・ベレ・ルシェロ
トラモント黄皇国建国以前、竜騎士フラヴィオ率いる炎王軍に属していた盲目の音楽家。エレツエル神領国との壮絶な戦いが続く中、彼の創り上げた数々の楽曲はときに仲間の心を慰め、励まし、過酷な戦いを支え続けたという。今では世界中にその名が轟く有名作曲家。『黄昏の王に捧げる円舞曲』は黄皇国が建国されたのち、アンジェロがフラヴィオの功績を讃えて贈った曲の一つ。
◆専売制
国が財源として特定のものの販売権を独占する制度。エマニュエルにはこの専売制を採用している国家が数多く存在する。
なお専売の対象となる品目は国によって様々。トラモント黄皇国では現在、鉄(鉄鉱石)、蝋、金、蜂蜜、塩、葉巻、
神刻石などが国の専売品となっている。
【第22話】
◆ルミジャフタ訛り
エマニュエルではほとんどの国でハノーク語が話されているものの、やはりその土地ごとの古い言葉と混ざって国・土地によっては訛りがある。トラモント人の話すハノーク語は「r」の発音がちょっと巻き舌になるのが特徴。また「ce」の発音が「チェ」だったり、「chi」の発音が「キ」だったりと、「c」の発音が独特。
一方ルミジャフタの民は「i」を「アイ」と発音しない。「time」は「ティーム」、「like」は「リィーク」。またいかなる単語も「ti」「ka(ca)」にアクセント。「キ」という音は太陽を意味する神聖な音であることから、神や太陽にまつわる語以外「ki」は「クィ(kui)」と発音する。
なお作中でカミラが口にしている「テオ・キン」とは「太陽神」のこと、「キニチ族」とは「太陽の一族」の意。
【第23話】
◆スー・タンカ
アムン河に生息する巨大な水蛇。ルミジャフタ郷では古くから災いの象徴とされている。
体長3〜5mくらいの蛇で、ハノーク語では「
蛟」と呼ばれるのが普通。普段は濁った河の中を泳いでいるが、雨が降ると陸に上がって狩りをする。獲物は魚から人間まで幅広く。深い森の中、音もなく忍び寄り獲物を丸飲みする恐るべきハンター。
なお水中では白地に青の斑点というなかなか神々しい姿をしているが、陸に上がると草木の色に擬態するため油断してると気づかない。牙の毒は神経系に作用するため噛まれるとすぐ痙攣を起こし、下手をすると死亡する。
◆スナヘビ
ラムルバハル砂漠で竜人の次に恐れられている生き物。体長7〜10mにもなる砂色の蛇で、竜人同様砂漠を渡る人間を捕食する。
彼らは竜人の数少ない天敵でもあり、竜人の間では「トネプレス(竜語で「砂漠の大蛇」の意)」と呼ばれているらしい。砂漠では竜人とスナヘビによる壮絶な獲物争いが勃発することもしばしばで、喰われる側の人間はたまったもんじゃないというのが正直なところ。
しかしラムルバハル砂漠には「岩道」と呼ばれる比較的砂の浅い箇所があり、砂中に潜って移動するスナヘビはこの岩道では身を隠すことができないためほとんど狩りを行わない。それゆえ砂漠を渡る隊商などはこの岩道の上を移動することが多い(しかしどっちにしろ竜人には襲われるので正直気休め程度でしかない)。
なおスー・タンカと違って毒は持っていない。
【第25話】
◆
神刻師
神刻を神刻石から取り出したり戻したりできる人のこと。
石刻と呼ばれる希少な神刻の使い手で、彼らが開く
神刻屋を訪ねれば誰でもその身に神刻を刻むことができる。専売制を採用している国では大抵この神刻師だけが神刻石売買の特許を与えられており、特許なしで神刻師として働いた者は石刻を剥奪&鞭打ちまたは極刑。
これは神刻がもたらす恩寵を国が警戒しているためで、あまり神刻使いが増えるといざというとき国が制御に困ることから、大抵の国家は神刻石の市井への流通を制限・管理している。ただし売買以外の方法(自分で発見した場合や他者から譲渡された場合など)で手に入れた神刻石はその限りではない。
ちなみに神刻屋が「ホール(古代ハノーク語で「洞穴」の意)」と呼ばれるのは、始世期にハノーク大帝国が同様の理由で石刻の使い手を囲い込もうとした際、彼らの支配を逃れた神刻師の多くが山中の洞穴などに身を隠したから。このため当時「ホール」とは神刻師のことを指す隠語だった。
◆清湍石
水の綺麗な川底でしか採れない貴重な宝石。清流を司る神ベラカから名を取って
「ベラカ石」とも呼ばれる。澄んだ水色の美しい石で、持っていると穢れや厄を祓い清めてくれるとか。エマニュエルに数ある宝石の中でも特に価値が高い貴石。宝石言葉は「清楚」「優麗」。