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死にたがりのバラッド*上



彼女は突然いなくなった。
その一週間後彼女は死体として僕の所に帰ってきた。



『死にたがりのバラッド』




警察からの事情聴取。
遺体安置所に横たわっている死体。
死体を引き取りに来た彼女の両親と共に僕は呆然と彼女を見下ろしていた。
ぴくりとも動かない躯。
閉じられた瞳。
健康的だった肌は青黒く変色し、所々腐敗が進行している。
聡明だった彼女の面影は今や見る影もない。
パンパンに浮腫きった顔はまるでアンパンマンのようで。
兎に角、綺麗だとはお世辞にも言えたものではない。
彼女の両親は、彼女の変わり果てた姿を見て、胸中の思いを如何なものとして捉えてるのだろうかと、僕は他人事のように考えていた。
やはり、悲しいのだろうか。
それとも、厄介払いが出来て清々しているのだろうか。
そんな思考が冷静に僕の頭の中に浮かび上がる。

彼女の横顔。
鼻筋の通っていた鼻は、へしゃげて潰れている。
白魚のように整っていた指は、あらぬ方向に曲がり、パンパンに膨れている。
両手首には何度も刃物を突き立てた後の傷が残っており、その傷の上から更にえぐり取るように新しい傷が何重にも積み重ねられていた。

これは、彼女の嗜好の一部の残害であった。
彼女は自身を傷つけ、そして何度も自殺を謀るような趣向の持ち主だった。
自らの躯を切り刻み、睡眠薬などの激物を過剰摂取したりと、悪癖な事を繰り返していた。
彼女が自殺行為を謀る度、病院で入院する彼女の世話を僕はそれはもう、甲斐甲斐しく世話をやいていたものだ。
何度も入退院を繰り返す彼女を医師達や看護士達は呆れた顔で見ていた。
僕だってほとほと愛想が尽きていた。
初めて自殺を謀った時は、死なないでくれと、涙を流しながら請うたのだが、流石に二回、三回…と繰り返されると慣れてしまうものだ。
それに、彼女は自殺を企てるものの、本気で死のうとは思っていなかった。

只、僕に構って貰いたかったのだ。

彼女が入院すると、僕は一日中尽きっきりで彼女の面倒を見る事になった。
それはそれは、献身的過ぎるぐらいに。
味を締めた彼女は、僕に構って貰いたいが為に自殺を繰り返すようになった。
ほんと迷惑極まりない事山の如しである。
もっと別のやり方があるだろうに、彼女はわざわざ自分の命を犠牲にしてでもそのやり方を選んだ。
もう、馬鹿だとしか言いようがない。
彼女の両親も呆れ返り、遂には見舞いにも来なくなってしまった。
両親から見離されても、彼女はどこ吹く風で、僕さえ構って貰えればいいと思っている様子だった。

三回目の入院の時、医師から精神科に入院した方がいいと告げられた。
医師もほとほと疲れてきていたのだろう。
自分達では手に負えないとばかりに精神科に移るように勧められた。
まぁ、当たり前と言えば当たり前である。
一度ならず、二度も三度も自殺をするような輩の精神は普通ではない。
異常だと捉えられても仕方のない事だろう。
僕は、彼女と相談しますと一言告げてそこから立ち去った。
何故だか無性に虚しかった。



「いやよ」
彼女は断った。
いやいやと首を振り断固として頷かない。
予想した通りの反応を見せた彼女に、僕がどうして?と尋ねると彼女は目を伏せて言いにくそうに口をもごもごさせながら遂に口を割った。
「あんたと会えないじゃない」
小さな小さな蚊の鳴くような声。
彼女は落ち着きなく視線を彷徨せながら僕と目を合わそうとしない。
そんな初めてみる彼女の姿に僕は「どうして?」ともう一度尋ねた。
すると、彼女はピクリと小さく反応し、伏せていた猫目をキッと吊り上げて「寂しいからに決まってるじゃない」と当たり前だと言わんばかりに怒鳴った。

彼女は癇癪を起こした。
あんたは私と会えなくてもいいのと、胸をドンドン叩かれた。
ドンドンドンと、僕の胸板を何度も叩く握りしめられた小さな拳が白くなっていた。
僕は彼女の気の済むまで殴らせた。

彼女は気が済んだのか殴るのを止めると、顔を俯かせたままじっと黙り込んだ。
長い黒髪が前に流れ彼女の顔を覆う。
ふるふると細かく震わせながらしんと静まる室内で口火を切った。
「…入院するわ」
淡々とした口調を零した後、彼女は、一切も言葉を発しなかった。
その時、彼女がどんな表情をしていたのか僕にはわからなかった。


それから数日後。
医師から紹介状を書いて貰い、いろいろと手続きを済ませ、半ば追い出されるかのように精神病院に移入した。

電車で片道一時間以上はかかるような、都会から外れた田舎にある公的な施設。
回りは田園風景が広がっており、澄み切った空中には、鷹がクルクルと同じ場所を旋回しながら飛んでいた。

ああ、なんて長閑な処なのだろうか。
交通網は不便だけれど、ここならばのびのびと治療に専念出来るだろう。

だが、往復1200円もかかるのは懐にかなりきついものがある。
一週間に一度程度しか会いにいけないだろう。

青空に点々と散らばる雲を見上げながらぼんやりとそんな事を思った。





面会日を毎週水曜日に決めた。


大学やバイトといった時間を考慮した結果、水曜日が一番都合が良かったからだ。

毎週水曜日、僕は彼女に会いに行った。
彼女は僕が来るとふてくされた顔をして、あまり喋ろうとしなかった。
でも、朱色に染まる彼女の耳を見る限り、内心は嬉しいのだろう。
そんな嘘のつけない彼女が微笑ましくて僕はこっそりと笑った。

入院中の彼女は、驚く程大人しかった。
前みたいに暴れたりもしないし、自殺を謀る事もなかった。

穏やかだった。
穏やかな3ヶ月を僕らは過ごした。
彼女との限られた時間。彼女との甘い囁き。彼女との心の交わり。
もしかしたら、この3ヶ月が一番幸せだったのかもしれない。

僕は確かにこの時幸せを感じていた。

イリーガル




皆さんお久しぶりんこ
(´・ω・`)


テスト続きで

ストレスだらけなakitoだよ

十円ハゲできそうだよ


今日はテスト二日目さ

akitoの脳内フゥァッフー(?)

目の回りをコアラにして

テスト受けてきたよ


顔色なんて土気色だよ

目とか充血してるし

髪なんてボサボサだし(これはいつもの事だけどな)



英語の教科書開いただけで幻聴が聞こえたよ


「イエスフォーリンラブ」


何これ末期?

ヤバくね?


あとテスト中ずっと

風の谷のナウシカのメロディーが流れてたよ


ランランランラン♪の曲が

脳内をフルコーラスで巡ってたわ


黄色い花畑をナウシカが

歩いている幻覚が見えた18のテスト中



もう何これ

お迎え?

死んでいいの?

小説☆☆







転校して早1ヶ月ばかり。
寝起きも良く、2日酔いや体のだるさもない。
久しぶりに朝から登校しようかと思った俺は体を起こし、指定の制服に着替えた。
薄っぺらい鞄を持ち、外に出ると冷たい風が容赦なく皮膚に突き刺さる。


今日は気分が良い。


タバコとは違う白い煙を口から吐き出しながら水滴の粒が散らばるポストを開けた。
そこには白い一通の手紙が入っていた。
普段ならポストを開ける事自体憶測でしないのだが、今日は幾分気分が優れているからであろう。
俺は、その手紙を手に取った。
真っ白い封筒の真ん中には、住所と【沢田 晃嗣様へ】という綺麗な字が綴られていた。

自分の名前で手紙がくるなんて珍しい。

そう思った俺は、訝しげに裏面を見やった。
そこには送り主であろう相手の名前が書き込まれていた。

【村主 純哉】
見覚えのある名前。
前の学校の時にいた奴の名だ。
周りが俺を恐れる中、唯一俺に話かけてきた奴。
記憶のど真ん中に存在感有り余る程残像を残し、忘れたくとも忘れられない相手。

言っておくが、良い意味では決してない。

向こうにいた頃、こいつに頻繁に迷惑をかけられていた。
毎日俺の所に来れば、怒らすような事を言い、ちょっかいをかけにくる。
しかも質が悪い事に、自分が俺を怒らすような言動をしている事に全く気づいていない。

良く言って天然。悪く言って無神経な奴である。

思い出すだけで腸が煮えくり返るが、今となっては過去の話だ。
過去の事にうだうだ言うのは俺のモラルに反するので、まぁ、めちゃくちゃ譲渡してやって良い思い出だったという事にしておく。
そのまま忘れ去ってくれたら嬉しいのだが。

通常の俺ならば、その場で細切れにしていたであろう奴からの手紙を、今日は幾分気分の良い俺は、その手紙の封を切った。










《拝啓

沢田さんお元気ですか?

僕は元気です。

そちらに行ってから回りとうまく馴染めてますか?

今流行りのツンデレだかデレツンだかわかりませんが、沢田さんは極度の人見知りだと僕は思うので、凄く心配になっています。

初対面の人にいきなりヘッドロックをかましていませんか?
あれはもの凄く痛いので止めておいた方がいいと思います。

あと、緊張するからといって、それにかこつけて睨むのも余り良くないと思います。

そんな事したら、出来る友達も逃げて行きます。

沢田さんの事だから、「俺は一人でも生きていける」とか言ってそうですが、世の中そんな甘くありません。

母親、父親、兄弟、友達(沢田さんは友達いないですけど(笑))、自分を取り巻く社会など、小さい所から大きな所まで少なからずも、人は皆誰かと繋がり、そして接しながら生きています。

なので、自分が誰の世話にもなっていないと思うのは大きな間違いです。大きな勘違い野郎です。

一人でも生きていけると進言するのならば、僕は敢えて言わせて貰おうと思います。

「精神的に向上心のない者は馬鹿だ」

これは夏目漱石の【こころ】に出てくる“K”が主人公に言った台詞です。
特に意味はありません。
只、使いたかっただけです。

おっと、今からナイナイが始まるのでここらへんで終わっておきます。

今、巷でインフルエンザが流行ってるそうですが、沢田さんは馬鹿なので大丈夫だと思いますが一応気をつけて下さいね。

世の中何が起こるかわかりませんので。

ではでは、お元気で。



敬具

追伸 友達出来たらいいね(笑)》







「・・・。」


俺は無言で手紙を破り棄てた。






END






学校の自習中に書いた代物。

友達に何やかんや貶されまくりました。


なんかむっちゃ泣きたい。

突発小説☆☆






*突発に書いたものなので適当です











それはある風の強い日の事だった。


「三年六組十八番篠山みのる。
ぼくと付き合って」


風に舞う漆黒の髪の毛。
紺色のスカートのヒダがひらひらと宙を遊んでいる。
闇の中に浮かび上がる一際白い肌。
白い絵の具に青の絵の具を一滴垂らした病的なまでに青白いそれは、零れ落ちそうな程大きな黒の双眸をよりくっきりと目立たせている。

それは何とも幻想的で。
そして何とも非現実的な出で立ちだろう。
決して見慣れない色あいなどではないのに。
何故か今はそう思えて。

神秘的で不可思議な美少女が俺にいきなり告白を吐露した事が夢のように思えてならなかった。






彼女は学校で知らぬ者はいないという程の有名人だ。
彼女の容姿が目立つという事もあるのだが、もっと別の事にある。

彼女は友達を一人も作らずいつも独りきりでいる。
教室にいる時も。廊下で歩いてる時も。
友人と言われるものを見た事がない。
別に独りきりというのが変わっているとか変だとは思わない。
只、彼女の言動が変なのだ。


自分の事を“ぼく”と呼び、気味の悪い本を行間休みや、昼休み、授業中など所お構い無しに読んでいる。
この前、チラッと本のタイトルを見た事があるが、『人体の七不思議』『魔女になる108つの方法』…兎に角女子高生が読むような代物ではなかった。

彼女は一体何を目指しているのか。
考えなくてもわかる事だろう。

そんな彼女に近付いて行こうと思う勇者は誰一人いる訳がなかった。

かくゆう俺も遠巻きに彼女を見ていた中の一人で。
だからと言って、彼女が好きだとかそんな甘い感情は一切ない。
只、ちょっとした好奇心と興味本位で第三者的に眺めていただけだ。
まぁ、彼女の容姿に惹かれている連中はいるにはいたのだが。


そんな話した事もない、接点の何1つもない、奇人且つ変人な彼女にある日突然告白された事は、晴天の霹靂と言っても過言ではなかった。

表情の乏しい俺であっても、あの時は、鳩が豆鉄砲を食らったかのような間抜けな顔をしてしまったぐらいだ。

しかも、馬鹿面をさらけ出している俺に彼女はいきなりキスをしでかしたのだ。
突然の出来事に益々驚愕の色を浮かび上がらせ固まってしまった。
覚束無い思考で必死に今の状況を手繰り寄せている俺に、彼女は不敵に微笑んだ。
はたから見れば美しいのであろうその微笑。
だが、俺には嫌らしい棘のある微笑みにしか見えなくて。
彼女はその薄い朱色の唇を開け歌うように囁いたのだ。


「ねぇ、好きになってよ」



どこかもの悲しいような声。
切実さを含んだどうしようもない声音は、彼女の微笑みとはかけ離れた正反対のもので。
何故だか胸の奥がツキリと痛んだ。



「…俺のどこが好きなの?」



堪らなくなってついつい頭に浮かんだ疑問を投げつけた。
話した事も、クラスも一緒になった事もない俺を、何故彼女は好きになったのだろうか。

彼女は、目を伏せながらか細い声で答えた。



「…ぼくに興味のない人だったから」


「・・・。」


「君はいつもぼくを冷めた目で見てたでしょう?」


長い睫で縁取られた目が上目使いで俺を睨んだ。


「興味のあるフリをしてぼくを見てたでしょう?」


紫がかった双黒がゆらりと揺れる。
その瞳は、どこか愉しげなホムラを灯らせていた。



「今だってそう思い込んで驚いた表情をしているんでしょう?」


口端が三日月を描く。
彼女は嬉しそうに笑った。


「君は本当は無関心なのに、関心が有るかのように振る舞っている。
そうでしょう?」


耳の奥がスンと通る。
彼女の声がリンパ液を振動させ、聴覚を犯しつくす。


「ぼくには判るよ。
判る判る。
判るんだ…」


彼女の黒碧な瞳孔に興味のなさそうな俺の顔が映っている。

ああ…何て趣のない顔なのだろう。
酷くつまらない。


「…だからねぼくは君を好きになったの。
そうゆう無関心な君を好きになったの」


図星を当てられて怒らないのはやはり関心の無さ故のものか。
今まで見繕ってきた仮面がガラガラと剥がれ落ちていく。

そう。彼女の言う通り。
俺は関心が有るかのように振る舞ってきた。
これは世の中を上手く渡って行く為の処世術。
そうしないと生きていけないから。
ここではないどこかを見つめながら零度の篭もる無機質な口を滑らせた。




「……あんた変わってるね」

「そんなのとうの昔からわかってるよ」


冷たさの含む口調で彼女を見下ろす。
すると、彼女は寂しそうな、だが、どこか楽しそうな表情になった。





「俺はこんなだよ。それでもいいの?」



「いいの。だからこそいいんだよ」



悲痛で、そして切なそうな声色が響いた。


彼女は判っているのだろう。

俺が愛に無関心な事を。

そして無償の愛を知らない事も。


だから彼女はあんな言葉を言ったのだ。



fin




なんか意味不明な話になったよ

流石akitoクオリティ☆☆
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