これは「仕事」だ。だから耐えられる・・・耐えられるっ・・・!
「いやっ・・・ぁ・・・」
瞳にいっぱい涙をため込んだ蓮花は、決して相手の顔を見なかった。
けれどそれは許されることはなく、無理やりこちらに向けられる。
今夜の男は非常に頭のイっている奴だったのだ。少しでも気持ちを逸らしただけで罵声を吐く。
そう、今だってそうだ。
誰の事を考えている
今俺の事だけを考えていろ
キミの身体を快楽に酔わせることができるのはこの俺だ
俺だけなんだ
そんなの・・・違うわよ。
私には・・・「彼」がいるんだから。
「んんぁあっ!はぁ・・・っい・・・あああっ」
それを言ったら尚更手におえない。ここはおとなしくシテいよう。
激しく腰を動かせば、男は喜ぶ。不気味で気味の悪い笑みを浮かべながら・・・。
私はもう汚れている、だからちっとも悲しくはない・・・辛くない。
必死に自分の思いとは反対の事を思った。
それでもやはり涙は流れてしまう。幸い、快楽によって流されている涙だと思われているのだろう。
男は何も言わずに蓮花の身体に触れ、欲望をさらけ出していた。
白濁した液を体中にかけられ、今日の仕事は終わる。
帰っていく男を見送り、お風呂に入ってベットに身を投げた。
愛しく想う「彼」が頭の中に浮かんでくる。
少し前に来てくれたその人は、蓮花にとって特別の存在。
「また・・・来てくれないかな・・・」
「彼」を想い浮かべながら瞼をゆっくりと閉じさせる。
微かに・・・「彼」の声が聞こえた気がした・・・。