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遊女現代ver ネタの呟き

これは「仕事」だ。だから耐えられる・・・耐えられるっ・・・!

「いやっ・・・ぁ・・・」

瞳にいっぱい涙をため込んだ蓮花は、決して相手の顔を見なかった。

けれどそれは許されることはなく、無理やりこちらに向けられる。

今夜の男は非常に頭のイっている奴だったのだ。少しでも気持ちを逸らしただけで罵声を吐く。

そう、今だってそうだ。


誰の事を考えている

今俺の事だけを考えていろ

キミの身体を快楽に酔わせることができるのはこの俺だ

俺だけなんだ


そんなの・・・違うわよ。

私には・・・「彼」がいるんだから。

「んんぁあっ!はぁ・・・っい・・・あああっ」

それを言ったら尚更手におえない。ここはおとなしくシテいよう。

激しく腰を動かせば、男は喜ぶ。不気味で気味の悪い笑みを浮かべながら・・・。

私はもう汚れている、だからちっとも悲しくはない・・・辛くない。

必死に自分の思いとは反対の事を思った。

それでもやはり涙は流れてしまう。幸い、快楽によって流されている涙だと思われているのだろう。

男は何も言わずに蓮花の身体に触れ、欲望をさらけ出していた。

白濁した液を体中にかけられ、今日の仕事は終わる。

帰っていく男を見送り、お風呂に入ってベットに身を投げた。

愛しく想う「彼」が頭の中に浮かんでくる。

少し前に来てくれたその人は、蓮花にとって特別の存在。

「また・・・来てくれないかな・・・」

「彼」を想い浮かべながら瞼をゆっくりと閉じさせる。

微かに・・・「彼」の声が聞こえた気がした・・・。
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ネコ

 

ある街に黒猫がいた

甘えん坊の黒猫 甘えたがりの黒猫

黒猫は別の猫に甘えようとした

けれど、他の猫たちは黒猫を遠ざけた


どうして?なんで?僕は誰かと一緒にいたいのに・・・


黒猫は 甘える行為をやめた





空から水が降ってくる日

黒猫は一人でそれを見つめていた

そんな時、一匹の白い猫が黒猫の元へとやってきた

にゃーにゃー、にゃーにゃー、と

黒猫は白猫をみる

小さい小さい白い猫

黒猫にピットリと寄り添った

黒猫は最初、嫌がる

けれど・・・白猫は寄り添ってくる


・・・嗚呼、この子は甘えたいんだ

誰かの傍で、甘えていたいんだ

昔の僕の様に・・・


黒猫はなにもしなくなった

白い猫はずっと黒猫に甘えていた

空から水が降ってこなくなっても、空が赤くなってきても

白い猫はずっとずっと

黒猫の傍から、離れなかったそうだ・・・
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鎮魂歌


埃被りの座席が乱雑に置かれている

倒れている物や壊れている物まで置かれている

コンクリートが天井や壁からはみ出して

誰もいないこの空間に 一人の男が立っていた

薄暗く埃っぽいその場所で

彼はスゥッと息を吸った


断末魔は響き 空気が揺れる


言葉はこの世を訴えた 悲しみを刻んでいる

「僕はただ歌うだけ」 『私貴方の歌声好き

「彼女への鎮魂歌(レクイエム)」 『一緒に歌ってもいい?

「ただただ貴女の為に綴った言葉」 『ずっと貴方と歌ってたかった・・・っ



――――何故連れて行った・・・っ彼女を!!!!



男は叫ぶように 嗚咽を吐くように 断末魔に言葉を乗せた

天にいる彼女に向かって

いつの日か二人で紡ぐはずだった「言葉」を 一人で紡ぐ

次第に空気は熱を持つ

肌寒く感じていた場所は暖かさを手に入れた

男はただただ叫んでいた

叫んで叫んで 叫んで叫んで

断末魔を語りだす 彼女に届けるために

その一雫の涙も 彼女に届いただろうか




「鎮魂歌を贈ろう 愛する貴女に、僕の魂と共に贈ろう」




薄暗い会場で 「彼女」が笑って見ていた

そんな気がした・・・・・・・・・
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ひぐらし

夏の日差しを浴びる中、バス停の時刻表を見つめる。

後10分でバスが来る、茜色の空から響く機械音に自然と顔を向ける。

初夏と思わせるような熱気に、私は眩暈を覚えそうになる。

耳から聞こえる煩いくらいのメロディーに口ずさむ。

時折聞こえてくるセミの音は思っているほど邪魔にならない。

付けていたイヤホンを耳から外し、セミの音に耳を傾けてみる。

都会では聞けないような音色・・・

音色は時に騒がしく、時に静かに存在を主張していた。

ジリジリと焼き付ける日差しがうっとおしくて、それでも動かずにジッとしていた。

にじみ出る汗を手で拭い取り、地面を見る。

アスファルトを歩く黒いそれらがせわしない。餌を求めているのだろう。

そのまま視線を右上に上げる。そこには人の列ができていた。

この動作ともどもしてる間に、どのくらいのセミが主張していたのだろう。

けれど次第にその音色が弱まっていった。

そして音色は止んでしまった。それと同時にファンッと音が聞こえてきた。

空気が少しだけ悪くなるのを感じとり、ふらついた足でそれに乗り込んだ。

一番後ろの左窓側・・・そこから覗いた景色が茜色を増していた気がした。

耳から騒ぎ立てるような音色は機械音、嫌いでないそれを耳にして瞳を閉じた。

記憶の中で主張する音色たちが外で鳴いているような気がしてきたのは・・・私だけだろう。

「主張性の高い生き物なんだな・・・」

茜色の空の下私の身体は揺れ、耳と頭から聞こえてくる二つの音色・・・

混ぜても意味をなさないそれらにフッと笑む。




音色は次第に一つしか聞こえなくなっていたことに気づくのは・・・また熱気に眩暈を覚えてしまった頃。
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ネタっぽいの

 

キミはどこからきたの・・・?




僕はずっとここにいるんだ




そうなんだ・・・





僕の前で座っている古びた彼。

僕と同じで古びていて、でもどこか違った。

僕は彼が気になっていた、彼は僕をジッと見ている。

頭が動かせないからだろうけれど、僕もきっとそうだろうから・・・

お互いがお互いを・・・見ている。





キミ・・・名前・・・あるの?




僕は「僕」だ・・・名前なんてない・・・キミは?




僕は・・・覚えてない





名前なんてない

「今の」僕たちに名前なんてない

名前なんてないから 僕たちはここにいる
























ねぇ・・・





















アナタには 名前 あるの?
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