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*闇マリク×遊戯1


あるところにあかずきんという男の子がいました。

もちろん《あかずきん》というのはその男の子のあだ名なのですが、いつでも赤い頭巾を被っていることからいつの間にかあだ名として定着してしまっていたのでした。


彼の名前は遊戯。

とても優しく、穏やかで、頭の強い、可憐な少年でありました。



ある日、お母さんにお使いを頼まれた遊戯はお祖母さん家に行く途中、高笑いをする狼に家に来ないかと誘われたり、お花畑で楽しそうに蝶々で遊んでいた身体は大人頭脳は子供な狼に懐かれてお持ち帰りされそうになりましたが、「寄り道をしてはいけないよ」というお母さんの言い付けを守り、前者はきっぱりと、後者はお祖母さんのお家に行ったらまた戻ってくるからお花畑で待っててね。と優しく断りお祖母さんの家に些か早歩きで進んでゆくのでした。






「ばーちゃん、お見舞いにきたよ!」

「ヒャハハハハ!よく来たなァ遊戯」

玄関の扉を開けるとそこにはナイトキャップを深々と被っているにもかかわらず、ぼよんと激しく自己主張をするうさみみがついた狼がいました。

「バクラくん…?どうして君がココにいるの?」

ベッドの長さが足りないのか、バクラの脚は布団の中で山折になっていました。

「ばっ、俺はバクラじゃねえよテメエのバーサンだ。」



「…アテムー!バクラくんはココだよー!」


そう遊戯が大きな声で叫んだ後、直ぐにドアが大きな音を立てて開きました。
開かれたドアの前に立っていたのは遊戯にそっくりな少年でした。


「恩に着るぜ相棒!」

アテムと呼ばれた少年は遊戯に笑顔で感謝を述べると、何処からともなく取り出したロープで、あまりに素早い登場をしたアテムに驚き固まっているバクラの両手と両足を縛ると両肩に担いでお祖母さんの家を軽い足取りで出て行ってしまいました。
手足の自由を奪われ、肩の上という微妙な場所にいるバクラは最初は暴れていたようですが、アテムが何かを言うとほんの少し顔と耳を赤くして悪態を一言だけついた後は大人しく黙り込んでいたそうです。


「…お使い終ーわり。早速お花畑に戻るんだぜ!」

バクラとアテムが去った後、ばーちゃんは何処に…と思った遊戯でしたが、家を出るときにお母さんに渡された籠をベッドの側のテーブルに置き、その中からクッキーを二、三枚取り出しハンカチにくるんで家を出ました。


お花畑に着くあいだ、遊戯はずっとあの狼のことを考えていました。


お母さんや海馬やアテムやバクラやその他からお花畑にいる狼と口を利いてはいけないよ、仲良くしてはいけないよと言われていたのですが、遊戯はその訳が分からなかったからです。

お祖母さんの家に行く途中にその狼とお喋りをしましたが、別に変なところはありませんでした。

ただ、待っててね。と言ったときのあの狼の顔がとても悲しそうだったのが…


そこまで考えてから、遊戯はハッとなりました。


なんでボクはあんな事言ったんだろう…
一緒に行こうって言えば良かったんだ…!


お花畑への足取りが、だんだん速くなってゆきます。



だってばーちゃんはその狼と仲良くしちゃ駄目なんて一言も言ってない!


生まれたときから森の中に住んでいる遊戯のお祖母さんは何が安全で何が危険か全て知っています。
そんな彼女はお花畑の狼のことをよく知っていました。
いつもそこにお花を摘みに行くと花びらの中に自身を隠してこちらをじっと見詰めてくる二つの瞳。
お祖母さんがそれに気がついて微笑みながら手招きをすれば、恐る恐るといった様子で顔を出しゆっくりと近づいてくる狼。
小腹が空いた時に食べようとしたクッキーを差し出すと、パァア…!と狼の表情が明るくなっていったのでした。

経緯はどうであれ、この狼はお祖母さんの大切な友達なのです。
ですからお祖母さん一人がお花畑の狼のことを悪く言わなかったのです。



表情を険しくして、遊戯は地面を蹴り続けました。

息を切らせて向かうのは淋しがり屋の狼が待つ奇麗なお花畑。









 **************


ちょっとここらで休憩挟ませて下さらんかのえるちゃん…川orz
闇マリクって言ってたけど一つも名前が出てこんという…川川orz

余程私はキャラを壊すのが好きらしい^^

……………川川川orz

続きは明日にでも…!

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