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海表で死ネタ。諸注意は中で。

※遊戯が女の子化しています
※パラレルと言っていいほど原作にはなんら関わりを持っていません。
※遊戯…初っ端から死んじゃってます
※死ネタがあまり好きじゃない人はそっとブラウザをお閉じくださいませ。

あ、海表です!
































僕は昨日車に撥ねられて死んだ。

『こんな時間に女の子一人で出歩くのは危ないから駄目よ!』って言われるのが目に見えていたから、ママやじいちゃんに何も言わないでコンビニに行って、その帰り道で僕は。
向こう側から走ってきた走行が不安定な車にぶつからない様に気をつけて歩いていたら、急にその車は僕目がけてスピードを上げた。

大した運動神経なんて持ってない僕は逃げようとしたけれど避ける暇もなく宙に舞った。僕の手からコンビニの袋が離れていくのがとても遅く見える。ああ、僕、車にぶつかったんだ。そう思ってから数秒後、本当はもっと早かったと思うけれど、僕はアスファルトに叩きつけられた。
胸部を強打したせいで息が出来ない。元々あってないような胸だったから全然衝撃は和らぎはしなかったけれど、もう少しあったらこんなに痛くなかったのかな?今となってはもうどうでもいいけれど。

  ごほっ、ごぼっ…

喉の奥から何か熱いものが込み上げてくる。息苦しくて咳をしたら、一緒に赤いものまで吐いてしまった。ツンと臭う鉄の匂い。吐き出した量が尋常じゃないほど沢山で、瞬く間に僕の顔と首元を真っ赤に染めていった。
急に身体の中の臓器が傷ついたキャラクターが血を吐いていたのを思い出した。それには痛みを訴えていた描写があったけど、僕には何も痛みがない。だけど身体が何処も動かない。心なしか目の前が霞んできたような感じがする。

  まだ、だめ、ぼく、しなないで。

だんだん寒くなってきた。外の空気は日中の熱でまだまだ暑いのに、僕の足の先からだんだん冷たくなってくる。あれ、ぼくどうなっちゃうんだろう。

ごほっ、ごほっ、ごぼっ…

これからなにが起こるのか分からなくって、怖くて涙が出た。

  いやだ、ぼく、しんじゃうの?

泣き声は出なかった。ただひたすら涙を流しているだけだった。頭に酸素が回らなくって、くらくらしてきた。

  いやだなぁ、もっと、もっとやりたいこと沢山あったのに。

ぼくの人生これでおわりなの?

ああ、目の前が暗くなってきた。気のせいか呼吸もさっきより楽になってきた。
視界の端に映ったパールホワイトのけいたいでんわ。いまのぼくに残されたちからを振り絞ってなんとかそれを掴む。
スピードダイヤルいちを押して、通話ボタンに指を置こうとしたら息が続かなくなった。

画面上に表示された名前は『海馬』
明日誕生日を迎える 僕のすきなひとの名前だった。



気がつくとボクは僕の上にいた。
真っ赤な血に埋もれながら頬に涙の筋を作ってまぶたを閉じて眠るように死んでいる。
ボクが僕の中に入ればもしかして生き返られるかも!そう思って手を延ばすけれど、パチンと何かに手が邪魔されて入れない。のに何故かボクは僕に触れることが出来た。変なの。これを人体の不思議って言うのかな。もう、生き返るのを諦めたらかな?

昨夜ボクと違う所に飛ばされていった牛乳は路上に見事な白い大輪の花を咲かせていた。


 僕はたまたま散歩で通り掛かったらしいわんことおじさんに見つけられた。
 おじさんは僕を見て青ざめたけど、走り寄ってきてくれて、おい、お嬢ちゃん大丈夫か!?とジャージを気にせず抱き起こしてくれた。
 でも、もう既にボクがここにいるから僕が目を覚ますなんてことはこの先ない。
 首筋に手をあてて、何度もその位置をずらしながら何かを確認していたおじさんは、僕をそっと地面に戻し携帯を取り出して警察に電話をしてくれた。

 僕が警察に渡ってからは色々なものが早く過ぎていった。
 薄暗くて寒い部屋に顔に布を被せられておいて置かれたり、家に連絡が入ってママとじいちゃんが駆け付けてくれて、家に帰ってきたあと座敷に寝かされた。
 だんだん家が白と黒で飾られていく。

今日はお通夜かあ。なんだかもうお前は死んだんだ…って直接言われてるみたいで悲しいな…

午後になったら県外に出張に行っていたパパが帰ってきた。
それから葬儀屋の人達が来て僕に死装束を着せてくれて、また布団の中に戻された僕をみてじいちゃんはわんわん泣いてた。
パパとママは少し離れたところで静かに泣いていた。

暫くしてボクのお葬式が始まった。線香と焼香の匂いが鼻をくすぐる。生きていた時はあんまり好きじゃなかったけれど、今でもやっぱり好きになれない。これはボクとこの世界を引き離す物のうちの一つだから。
お葬式に未都君の姿は見えなかった。
 
次の日、黒塗りの長い車に乗せられて僕は火葬場に連れていかれた。お棺の蓋を開けて見送りに来てくれた家族や友達や親戚の人が一人一本ずつ花を添えてくれる。そして蓋が静かに閉められた。棺の縁に釘を打った後、パパや城之内君や獏良君や親戚のおじさんが、入口が正方形の大きな釜に僕の入った棺を入れていく。
観音開きの頑丈な扉が閉まった。親友で同い年だけどボクのお姉さんみたいだった杏子が泣き崩れた。

  もうお喋りできなくて、ごめんね杏子 今まで楽しかったよ
 
「では、喪主の方お願いします」

  パパは目に涙を浮かべて、静かに赤いボタンを押した。



  納骨も終わって、ボクは消えるのを待っている。
  一般的には成仏と言えばいいんだけどなんだか使いたくない。
  何にも縛られない身体になったから、空を飛んで外国にでも行ってみようかなって考えたけど、やっぱり最後は思い出が沢山あるこの町で過ごすことに決めた。
 
***
  
  一通り思い出の場所を回ったあと、ボクは僕が死んだ場所に戻ってきた。
    
    わあ、お花が沢山ある…
  
  その中にはボクが一番好きなあの花もあった。
  暫く色とりどりの花束を見ていたら、ひとつ、人影が現れた。
  海馬君、だった。

  「お前の母に遺品をもらった。」
  目のふちが赤かったけれど、穏やかな表情で海馬君は言った。
  「このカードに書いてあったように、俺もお前に言いたかったことがあった。」
  左手に持っていた向日葵をそっと地面に置いて、ちょうどボクのいる方をみながら言う。
  「俺も、お前が好きだった!」
  ボクが海馬君に宛てて書いたメッセージカード。
  
      【海馬君が好きです。】
   
   それを聞いて涙が零れた。
  「…っ、逝きたくないよ…!」
  だんだん溢れてくる涙を手でぬぐっていたら、海馬君が呟いた。
  「遊戯…?」
  「!…海馬君!僕、海馬君が大好き!」
  「っ、俺もだ!」
  「うん…!…ありがとう、ごめんね、最後に会えてよかった!」
  急に訪れた消える時間。僕は短い間しか海馬君とお話出来なかったけど、これで満足だった。
  今まで後ろ手に持っていた向日葵を海馬君に渡して僕は居なくなった。


  白い向日葵
( 貴方だけをみつめてる )


 (僕の分まで長生ききしてね!)

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海表でsssでも。


「ねえ海馬君、ずっと聞きたい事があったんだけど…聞いてもいい?」

「何だ。言ってみろ(カチャカチャ)」

「うん、あのね、海馬君は僕の何処が好き?」

「…愚問だな(手を止めて遊戯をみる)」

「もしかして顔?…なんちゃって!」

「ふぅん」

「う…?(あまりよく分からなかった)でも僕は海馬君の顔好きだよ!(満面の笑顔)」

「……(固まった)」




うーん眠い
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