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なにもいらない

阿実ちゃん家に晃一くんと克巳くんが遊びにきました。
けれど、忘れ物をしたらしい克巳くんは外出するようです。



「ちょっと行ってくる」


「克巳が忘れ物とか珍しいねー。明日雨かな?」
「それはねーだろ。つーかあったら困る」
「それもそーだけどさ。…暇だなぁ」
「!………あ、そうだこれがあった」

『かっちゃんに次ぐ克巳の新しいあだ名を考えよう』

「え…何コレ?何コレ」
「見たままだろ。つーか何で2回言った」
「呼んでも克巳が怒らないあだ名ってこと?」
「ま、そーいうことだな」
「言って良い?」


「あれさ、かっちゃんって呼んで克巳が怒るのが良いんじゃん!」


「そりゃそーだけどさ。とにかく考えよーぜ」
「…今日の晃一なんかヘン。何か隠してるでしょ
「ヘ、ヘンってお前…」

「ただいま」

「克巳戻ってきたからこの話なし!絶対言うなよ!」
「(なら私にも言わなければ良いのに)」

「ほら」
「お土産?ありがt…」

「Buon compleanno」
「Buon compleanno」
(誕生日おめでとう:伊)

「え?あ…あーそうだ、今日私の誕生日かぁ」

「は?オイ、忘れてたのか?」
「翼兄とかぜってーメールしてると思ってた!何だよ、阿実にバレねーように気ぃ使った苦労全部ムダかよ!!」
「『仕事が忙しくて当日にメールできそうにないからごめん』ってメールなら来たけどね。一週間くらい前に」
「翼兄マジパネェ」
「Grazie。晃一、克巳」
「Di niente」

「晃一のファンに殺されそうで怖いね。「晃一くんにサプライズで誕生日祝って貰うなんて何なの!?ムキーッ!」って感じでさ」

「色々台無しだぞ、それ」
校内にファンクラブがあるとか漫画じゃないんだからさ。…あ!これ前から欲しかったの!!
「プレゼントは外さない。さすが俺」
「自分で言ってどうする」
「晃一が選んでくれたの?ありがとう!」
「…そのうちお前翼兄に殺されるんじゃないか?」
「兄ちゃんなら仕方ねぇな」
「いやいや、仕方なくないからね」

ピンポーン

「ちょっとごめん。…はーい」
「ケーキ係の到着だな」
「ケーキ係!?」

「阿実ー早く開けろー」

「みーくん!」



………ってことで良い誕生日だったから大丈夫(*´∀`*)b
翼がいなくても 全 然 平 気 だから!
プレゼントとかも な に も い ら な い から。

お仕事頑張ってね(・ω・)ノシ
阿実



「ちくしょおおおおおおおおおおおおおっ」

阿実はまだ知らない。
彼女が好み、欲しがりそうなプレゼントを選んだのはその場にいない兄だということを。

後日そのことを伝え忘れたことに気付いた晃一が「翼兄マジパネェ」と阿実に話すことで発覚するのだが、それはまた別の話である。
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誕生日 10月30日
地 域 栃木県
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病み・黒歴史は私の誕生日4桁
王国心夢は異端の印を4回連続

夢主の名前は基本的にアミで固定です
ごめんなさい