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スイート・ライ

妹にはなれない。
(翼に片思い中のモブキャラA)




翼くんの口癖は、クラスの全員が知っている。


「阿実いま何してるかな…」

「ちょっと阿実のクラス行ってくる!」

「阿実阿実阿実あみぃ〜〜〜っ」


口を開けば阿実、阿実、阿実。彼の頭の中には妹の阿実ちゃんのことしか存在しないのか、見ててたまに心配になる。当の阿実ちゃんにそれを嫌がられているから、少しだけ不憫でもあるけど。
今だって、授業中なのに机に突っ伏した翼くんはブツブツと阿実ちゃんの名前を呟いている。

「うるさいぞ!妹が好きなのは分かったから、授業くらいは真面目に受けろ!!」
「へーい」

先生に注意されて不貞腐れながら起き上がった翼くんは、不服そうに頬杖をついて黒板を睨みつけている。そんな翼くんに構わず先生は授業を進めていく。

「悪い、ノート見せてくれね?」
「………」

「おーい、聞こえてるかー?」

視界の端で揺れる肌色。…翼くんの、手?翼くんが私に話しかけてる?私に!?

「え、あ、うん!良いよ!」
「grazie」
「?」

ぐ、ぐらっちぇ…?えーと、聞き覚えあるけど何だっけ…。

「バカ翼、クラスでイタリア語使ってどうする」
「あ、つい…」


「いやいやノートありがとな」
「!ど…どういたしまして!」

どうしよう…字、汚いとか思われないかな?丁寧に書いたつもりだけど、もし翼くんにそう思われたらショックだなぁ。どうしよう、大丈夫かな?



「これ」

「へ?」
「写し終わったから」

つい、とノートを返された。

「は、早いね…」
「これ、見やすかったから」


「っ!」


み、見やすかった…!?お世辞だよね?お世辞だから、ぬか喜びしたら駄目よ、私!だけど嬉しい…あぁもう、良かった!

「これお礼な」

コロン
机の上に置かれた丸い…薄いピンク色の飴。翼くんの趣味というより阿実ちゃんの趣味なのかな?とっても可愛い。

「あ、ありがとう…!」
「はぁ…阿実もこう素直に喜んでくれたら良いんだけどな…」
「妹さん、飴嫌いなの?」

「いやー…好きなんだけど、俺からだとツンツンして素直に受け取らなくてさ」

あぁ…普段の翼くんに対する阿実ちゃんの態度を思い出して、すぐに納得がいった。けれど引き攣った笑顔をこっちに向けたと思ったら、翼くんの視線は何故か美佐夫くんの方に向いている。


「お兄ちゃん寂しいよー阿実」


ちょっとこっちを向いてくれたと思ったら、翼くんはもう自分の世界に戻っていた。もう少し話してみたかったんだけど…残念だなぁ。

「バーカ、阿実が居ないとこでそれ言ってどうする」
「美佐は阿実に懐かれてるからそーやって余裕なんだって。あームカつく」
「いや、割とそれ自業自得だからな」

翼くんの呟きに応えて、美佐夫くんも小声で話している。美佐夫くん、阿実ちゃんに懐かれてるんだ…。翼くんと美佐夫くんは幼なじみだって聞いたことあるから、それなら阿実ちゃんも小さい頃から美佐夫くんと知り合いなんだ。良いなぁ、幼なじみなんて。
私も翼くんと幼なじみだったら…もっと翼くんと話しができるのかな?

「せめて阿実が隣の席の子みたいに受け取ってくれたらなー」
「隣の席の子って…お前クラスメートの名前も覚えてないのかよ」

隣の席なのに、名前も覚えてもらえてないんだ…。だけど、阿実ちゃんが私みたいにって…!可能性、あるかな?翼くんにもっと近づきたいな。
…出来るかな?

「あの子何さんだっけ?」
「それくらい自分で訊いて来い」
「えー今更訊けないだろ」

自己紹介から頑張ろう!頑張れ私!



スイート・ライ

もう少しだけ夢を見てみたいの。期待を持たせてほしいの。
頑張らせて。
卒業までの半年だけで良いから。

無理を承知で自分に甘く嘘を吐く。

Mignonette(♂)

リオは阿実とデート。
セレア・アリス・ルヴェ・私の四人は、いつもより少し足を伸ばしたところで買い物。
##NAME1##さんは家で読書って言ってたけど………

電車の中で人酔いと乗り物酔い起こして、気持ち悪くて帰ることになっちゃった。

「(皆には悪いことしちゃったかも)…ただいま帰りましたー」

「んー?あぁ、おかえりロゼちゃん。…って他の三人はどした?」

「この時間なら、まだ買い物始まったばっかりだと思いますよ」

##NAME1##さんはリビングで読書してたみたいで、形式的に言った挨拶にもすぐ反応してくれた。
…やっぱり、「おかえり」って言ってくれる人がいるのはすごく嬉しい。

「なんだか人酔いと乗り物酔いで気持ち悪くなっちゃって、先に帰って来たんです」

手短に話すと納得してくれたみたいで、##NAME1##さんは「あー‥」って小さく頷いた。
いつかセレアが言ってた、「リオと##NAME1##兄は似てるようで似てないのよね」って言葉の意味も少し分かるかも。

「なら早く休みな。薬と水は俺が持ってくからさ」
――    っ!?く、薬と包帯取ってくるから、ちょっと待って!

「ありがとうございます。‥じゃあ、お言葉に甘えて」
――大丈夫だよ、これくらい平気…

――ダメ!その傷、どう見ても大丈夫じゃないもん

――………やっぱり、ロゼに嘘は吐けないみたいだなぁ




「大丈夫かー?ロゼちゃん」
――ありがとう、ロゼ

「ぇっ!?…あ、はいっ」

薄く笑う##NAME1##さんに、“あの人”の笑顔が一瞬だけ重なった。
私が今ドキドキしたのは##NAME1##さん?それともあの人?

「ただいま」と言って
(「おかえり」と共に返ってくる笑顔に高鳴る胸)
(もう恋なんてしないって、誓いと共に封じた恋心が疼く気がした)

Ice Blue(♀)

##NAME1##。

無邪気な笑顔が愛らしい、自慢であり最愛の妹。
まるで神に愛されているかのように、生まれ持った幸運の持ち主。
一人では何も出来ない可愛い天使。

だけど本当は、誰からも愛される彼女が妬ましかった。
お願い。お願いだから。
器量の悪い私を憐れまないで。##NAME1##と比べないで。

「惨めな思いにさせる妹なんて、死んじゃえば良いのに…」

あくる日、##NAME1##は高熱を出して寝込んだ。
ごめんなさい。ごめんなさい神様、あの願いは嘘なんです。
その懺悔が届いたのか、熱は下がっていった。
けれど今度は兄が、##NAME1##と入れ代わるように病の淵に倒れた。

兄は今際の時、一つの言葉を遺した。
――##NAME1##は他人とは違うから、阿実‥お前が助けてやってくれ――

兄が亡くなって、暮らしにも変化が訪れた。
生きる為に私は朝な夕な働いた。
村の男達は優しくしてくれたけど、村の女達は次第に冷たくなっていった。
貧しい暮らしだったけど、温もりはあった。

「肩を寄せ合いながら、私たちはそれなりに幸福だったのに…」

それなのにどうして。どうして、こんな残酷な仕打ちを。
教えて下さい。神様。
##NAME1##が授かった子は、主が遣わし給うた神の御子ではないのでしょうか?

##NAME1##が子供を身篭っていることが発覚した夜、村の男達は互いに顔を見合わせ口を噤んだ。
重い静寂を引き裂いたのは、耳を疑う様な派手な打音。

仕立屋の若女将が##NAME1##の頬を、張り飛ばした音。

断片的な記憶。断罪的な罵声。
嗚呼、この女は何を喚いているんだろう?なんて気持ち悪い。なんて口汚く罵るのか。
ぐらりと世界が揺れ、私は弾け飛ぶように若女将に掴み掛かっていた。

緋く染まった視界。苦い土と錆びの味。
頭上を飛び交う口論。神父様の怒声。

妹の最期の言葉は、
「今までありがとう。私、お姉ちゃんの笑顔にいつも支えられてたの。…だから、笑って?」

心無い言葉が、心無い仕打ちが、どれ程あの娘を傷付けただろう。
それでも全てを。優しいあの娘は、##NAME1##は全てを赦すのでしょうね。


Sacrifice
(阿実は凍りつくような微笑みを浮かべ、揺らめく焔‥否、その闇の向こうに「仮面の男」を見ていた)

Colorless Blender(♂)

オリキャラ夢を書こうとしてたら、夢主の設定が先に一人立ちしちゃったので、書いておきます。
この先書く予定のオリキャラ夢は、コレを読まなくても多分大丈夫だと思われます。


名前:##NAME1##
性別:男
家族:弟
※セリア(セレア姉)と同い年。
弟のリオに軽く見下されている

【呼ばれ方】
リオ→兄さん/##NAME1##
セレア→##NAME1##兄
アリス→##NAME1##
ロゼ→##NAME1##さん
ルヴェ→##NAME1##くん
※一応、脱獄囚で最年長


こんな感じです。多分。
シリーズ作品本編には出てこないオマケの子…みたいな(酷

設定はまあ‥あんまり気にしないで下さい。

Colorless Blender(♀)

オリキャラ夢を書こうとしてたら、夢主の設定が先に一人立ちしちゃったので、書いておきます。
この先書く予定のオリキャラ夢は、コレを読まなくても多分大丈夫だと思われます。


名前:##NAME1##
性別:女
家族:兄、双子の姉、(両親は故人)
※兄は翼、姉は阿実です

【呼び方】
阿実→阿実
翼→お兄ちゃん
紗良→さーちゃん
桂太→けーくん
蒼紫→あおくん
※後はだいたい阿実と同じ。


こんな感じです。多分。
KINGDAM本編には出てこないオマケの子…みたいな(酷

設定はまあ‥あんまり気にしないで下さい。

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立花さんのプロフィール
性 別 女性
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誕生日 10月30日
地 域 栃木県
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【パスワード】

病み・黒歴史は私の誕生日4桁
王国心夢は異端の印を4回連続

夢主の名前は基本的にアミで固定です
ごめんなさい