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035.ありがち【学園的な100題】





ありがちに囁き合って、
ありがちな2人みたく手を繋いだ。





どうというコトのない話しにコロコロと笑った。

いつもと変わらない景色をキレイだと言って眺めた。

歩き慣れた道を、初めて歩いたあの頃と変わらずに歩く。





触れるだけで覚えたトキメキはあの頃から薄らいだ。

それでも、
躍る心は今も止まない。





ありがちな映画みたく、
ありがちに恋に堕ちていった。





いつの日かバカにして笑った、道行く恋人達へと落ちぶれていく自身に苦笑した。

2人の始まりの日には変わらぬ愛を、生まれた日には共にいることを誓い合った。





激しく求める恋は、いつの間にか終わっていた。

その先にある時間を、細く長く歩んでいこうと決めた日から。





ありがちな毎日は、
ありがちな2人の在り方にすぎなかった。





オチのない話しも、
見知った場所も、
転がるように変わっていく自分も、
ありふれた話の1つなのかもしれない。

それでも





変わらぬ日々に
ただ君がいるだけで

全てが特別に変わる。





そんなありがちなコトを思って、隣を歩く君の肩に頭を乗せた。





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