ジェームズ君と同級生の女の子。長編の番外編…?
【錯乱】
00:30/12/Jul
HarryPotter
「なんだ、もう1回する?」
「冗談やめて。ヘトヘト。」
「良かった、僕もなんだ。それはそうと、ちょっとは胸隠したら?最後の恥じらいくらい取っておこうよ。」
「そんなこと、言われたくない。ジェームズだっていつまでたっても服着ないじゃない。お互い様よ。」
「それもそうか。」
「ね、ジェームズ。」
「んー、何?」
「こんなことしてていいの?リリーは?」
「僕が何故彼女を愛しているか教えてあげようか?世界が美しいと信じているからだよ。」
「難しくて、私にはよく分からないわ。」
「だろうね、君みたいな女には分からないだろう。僕にだって分からない。だからこそ愛しているんだ。」
「つまり、リリーはあなたに盲目ってこと?」
「世界のありとあらゆる汚いものに対して盲目だよ。愛されて育ったんだろうね。これからは僕が全力で愛して彼女の目を塞ぐから、彼女は一生盲目のままだ。それでいい。」
「ジェームズに決める権利があるの?」
「ある。」
「どうして?」
「僕が彼女を愛しているからさ。」
「あなたの使う愛って言葉は、言い訳にしか聞こえない。」
「僕の友人で、君と同じようなことを言った男がいるよ。彼は酷く怯えていて、彼の一番大切な女の子に、未だにその言葉を与えていないらしい。」
「冗談。だってそれってシリウスのことでしょ?」
「冗談なんかじゃないさ。シリウスは、君なんかが知っているシリウスとは違う。彼は、本当に大切な女の子を見つけたんだよ。」
「素敵ね。」
「素晴らしい。」
「リリーは?」
「やたらとこだわるね。もしかして嫉妬しているの?」
「そうかも知れないわ。自分じゃ良く分からないけど。」
「醜いな。無いもの強請りは無様だよ。」
「ジェームズはいつだって私のことを見下して馬鹿にするけど、」
「うん。」
「1つだけあなたが知らないことを知ってる。」
「おや、何だろう。」
「リリーは盲目では無いわ。時々、視線が刺さるもの。」
目を見開いたジェームズが、ちょっとだけ笑えて、泣きそうになった。
上手に隠せたかな。
BGM【錯乱】椎名林檎
愛してるよ、リリー。つまるところ、それに限るんだ。
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