ラッキードッグ1のジュリオ×ジャン小説。
切ない系を目指してみました。
正確に言うとジュリオ→ジャンかな?
BGMはSAY/ONA/RAベ/イベー
追記から読めます…'`,、('∀`) '`,、←
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机に俯せた貴方に、 そっと僕はキスをした。
ラッキードッグ1のジュリオ×ジャン小説。
朝日の差し込む場所。
俺は一人でベットに沈んでいた。
もちろん自分のではないけれど。
「…ジャン、さん…」
隣にも同じ空間にもジャンさんはいない。
最近二代目頭領(セカンドカポ)として仕事が増え中々二人きりになれずにいる。
前はジャンさんと一緒に行動することが多かったのだけれど、頭領ともなれば話は変わる。
俺は片時も離れていたくなくて身辺警護を申し出たのだけど、ジャンさんから「お前が動けないと組が困る」といわれ渋々身辺警護は諦めた。
それでもジャンさんは俺に気を使ってくれて日常を一緒に入れない分一緒にいよう、そう言って同じ屋根の下に住むことになった。
いわゆる同棲というやつだ。
お爺様にも反対されたが丁寧にお願いしたら許してくれた(脅してなんかいない。ちょっと側にあった果物ナイフをちらつかせただけ)
「ジャン…さ…ん」
確かに少し前までは幸せだったのだ。
一緒に食べたり寝ることが出来たのだから。
でも最近は幸せじゃない。
ベルナルドが事あるごとにジャンさんを本部に呼び出し、イヴァンのクレーム処理に追われ、ルキーノに夜接待だなどと理由をつけて酒の席に連れて行かれる始末。
帰ってくればいいほうで最近は中々ここに帰ってくることも少ない。
「…寂しい…です」
この自分が寂しいなどと、狂犬と恐れられる自分が主人が不在なだけでこんなにもしおらしいなどと誰が思うだろう?
それほどに自分はジャンさんに依存してるのだ。
「会いたい…です…」
聞こえない、なのに。
違う、聞こえないからこそ言うのだ。
聞こえてしまえば彼は眉をハの字に寄せて俺の我侭を聞いてしまうだろうから。
彼の重荷にはなりたくない、支えになりたいのだ。
それなのにこの全身をなぶる感情は、
「逢いたい…です…ジャン…」
頬をハラハラと濡らす雫をシーツが吸い込む。
静かに瞼を閉じる、流れる涙もそのままに残酷な時間に身を任せる。
「――――ごめん、な」
聞き覚えのある声に目を開く。
上体を起こして辺りを見回す。
しかしどこにも声の主は見当たらない。
「空耳、か…」
再びボフリと音を立てベットにカラダを沈ませる。
「ジャンさん…」
逢いたいです、愛したいです。
抱きしめたいです、抱きしめて欲しいです。
離れたくないです、放したくないです。
我侭を言っちゃ駄目だって分かってるのに駄目なんです。
アナタが居ないだけで、生きて逝けない――――