仕事中にLINEが来ていた。
送り主は同居中のパートナーみやくん。

『寒気と関節の痛みが酷くて、念のため早退して病院いったらインフルB型やった』

散々、体調不良の僕を気遣ってくれていたみやくんが遂にインフルの毒牙にかかってしまったらしい。ラインを見たのは昼休憩のときだったので、返事をした。

『やっちまったな。熱はある?買って帰るもんある?』
『おまえに感染らんようにせな。熱は上がってきて38度後半。王道ではあるけどゼリーか缶詰よろ』

そこで途切れたラインだったが、僕が仕事を終わって携帯を見たらメッセージがちかちかと光っている。

『俺は今、おまえに会うわけにはいかない。感染元だからな。俺は部屋に閉じこもるから決して開けるな?開けてくれるなよ。ゼリーと缶詰は扉の前に置いておくこと。あ、ちゃんと手洗いうがいをして部屋はこまめに換気して水分取れ。あと作ってやれなくてすまんが栄養のあるもの食えよ。』

と、まあやたら長いメッセージが入っていたので流し読みをして買い物をして帰った。言われた通り、とりあえず換気をしてみやくんの部屋を御構い無しにあけた。ノックしなかったのはすまんかった。許せ。

「入んな言ったやろ!!ごほっごほこほ」
「うるさいわ!おとなしく寝とれ。様子くらい見させろ。心配やろ」

みやくんはインフルによってかなりきつそうな感じだった。去年経験したので辛さはよくわかる。とりあえず新しいミネラルウォーターを進呈して、ゼリー類は冷蔵庫へ。マスクしているから大丈夫だと思うのに簡単な会話すらラインでしている。

「じゃあなんかあったら知らせぇや」
ぴろん
『わかった。ありがとう』
「どーいたしまして」
ぴろん
『ところで46番目の密室読んだ?せやったら貸して』
「おとなしく寝ろ!!」

しんどいはずなのに、けらけら笑う姿は思ったより元気そうでちょっとだけ一安心。明日からはうどんかおかゆか用意してやらねばなるまい。僕も感染らないように気をつけないと。会社でもインフル出たし、人手不足だから休むとかなったらいろんな意味で殺される。ぞぞぞっ。