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温かなお詫び(佐々木)


あれから、どれくらいの時間が過ぎたのだろう?

いつの間にか、晴れていた空は陰りを見せ…鉛色へと、変わっていた。
吹く風は冷え切り、薄着の佐々木が、1度咳こむ。

どうやら、風邪を引いてしまったらしい。


旧びた椅子から、すっかり重くなってしまった腰を上げる動作は…どこか、歳を重ねた感がある。

微かに痛む喉などお構いなしに、佐々木の脳内では…先ほどのディーヴァ声で謳う女子生徒への、非礼の方がフル回転をはじめていた。

感謝こそする讃美歌を謳う女子生徒が、佐々木を気になどしていない事は…佐々木も、重々承知している。

あの場にいたのが、佐々木だけはないからだ。

十何人いたうちの、たった1人である佐々木の事など…気にする方が、難しいだろう。
そもそも、讃美歌を謳う女子生徒がーー…佐々木を知っているわけもない。

佐々木は普通科であり、礼拝堂は普段…カトリック科の領域だ。
たまたま、讃美歌を聴ける催しに…参加出来ただけで、偶然が折り重なった産物のようなもの。


佐々木が、ただ単に…気にし過ぎなだけなのだ。


佐々木は、少し咳こみながら教室に戻ると…クラスメイトの姿はなく、時間を確認すれば……放課後を示していた。

佐々木は普通科の制服、上着に袖を通すと…カバンを手にし、教室を後にする。


自宅への帰路へは行かず、近くのコンビニへ寄ると…佐々木は、栗入りのあんまんを購入する。

あの、ディーヴァ声で謳う女子生徒への…お詫びの品を、佐々木は購入したのだ。

「女子は甘いもんを好むって聞いた事があるが…コレで大丈夫なのか?」

好感度を上げるつもりはないが、不快になっては欲しくない佐々木は…温かなお詫びの品を手に、やや不安そうな呟きを漏らした。

佐々木自身、極度の甘党だが…極度の甘党がゆえに、栗入りのあんまんの甘さが…気がかかりで仕方ない。
しかし、食べて甘さを確認するわけにもいかず…不安を抱えたまま、礼拝堂へと足を運んだ。



礼拝堂へと足を運んだはいいが、カトリック科の領域に足を踏み入れていいものか?
佐々木がしかめっ面で悩んでいれば、見兼ねた大柄な男子生徒が声をかけてくれた。

「何か?」

佐々木も大柄な男子生徒の分類に入るが、声をかけてくれた男子生徒も…同格だ。
声こそ、落ち着いた感があるものの…不審者を見るようでいて、どこか…祝福さを併せ持つ瞳で佐々木を見る大柄な男子生徒。
か持ち出される…何とも言えない雰囲気が、騎士を感じさせた。

「ここで、讃美歌を聴ける催しがあったんだが…あまりの声量に、耳鳴りを起こしてしまって。…まぁ、何て言うか…申し訳ない事をしてしまった、と…。」

上手く言葉に出来ず、伝えられた感はほとんどないが…佐々木が手にしている紙袋から漂う、温かな温もりと、甘い香りが佐々木の言いたい事を後押しし、大柄な男子生徒が…ふと、笑ってくれた。

「姉さんなら、今はお茶会中だ。これは、俺が渡しておこう。」

大柄な男子生徒の発言に、驚きを隠せなかった佐々木。
聴けば、大柄な男子生徒とディーヴァ声の女子生徒は姉弟だ。

ディーヴァ声を持つ女子生徒は、同科の女子生徒と茶会しているらしく…大柄な男子生徒は、此処で待機しているらしい。

佐々木は、温かな温もりと漂う甘い香りの紙袋を弟の男子生徒へ手渡すと……

「お詫びにはならないかもしれないし、口に合うかも分からない。が、俺の気持ちとして…申し訳ない事をして、すまなかった。と、伝えて欲しい。よろしく頼む。」

紙袋を見つめる目と、心底申し訳ない声で伝えると…佐々木は、大柄な男子に対して頭を深々と下げて礼拝堂を後にした。


礼拝堂を後にすると、先ほどの大柄な男子生徒の前で我慢していた咳が…いよいよ、本格的な咳へと変わる。
喉の痛みは増して、熱が上がりはじめる。


『風邪を引いてる余裕なん、俺にはないんだがなぁ〜…。』

帰宅したら、予習と復習をしなければならないし…明日も、早朝から田畑の手伝いがはじまる。

先ほどの大柄な男子生徒に、自分が風邪を引いている事だけは…バレていない事を祈りつつ、佐々木は家路へと歩いていった。





(下記記事に記載したように、佐々木は…生島姉さん宛に、お詫びをしに行きました。(●´ω`●)
生島弟さんとも、会えましたね。(●´ω`●)
生島姉弟さん、ウチの佐々木とコラボしてくださり、ありがとうございました。m(_ _)m

下記記事により、事前に言ってあったとはいえ…理桜さんからは、許可を頂けていない状態なので…事後報告になりましたか?汗
申し訳ありませんっ!m(_ _)m汗汗
やはり、連絡を取ってから…キチンと段階を踏まえ、記載すべきでしたよねっ?!汗汗
も、もも、ももももも、申し訳ありませんっ!汗汗汗汗


生島姉弟さんに、佐々木の誠実さと律儀さが伝わりますようにっ!(>人<;)
お詫びの、栗入りのあんまんを食べてくれますようにっ!(>人<;)
科の枠を超え、生島姉弟さんとも、仲良く交流が出来ますようにっ!(>人<;)

それからそれからっ!!
まにまに!を、これからも皆さんと一緒に、歩んでいけるようにっ!愛される輪であり続けるための、《10難100苦の試練と努力》をお与えくだされぇ〜〜っ!《乗り越える力》も、お与えくだされぇ〜〜っ!!(>人<;)(>人<;)(>人<;)←




























































原沢編、書いていい?←



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