Liveの対バンで初めて見る、弾き語りの若い男の子がいた。
彼は唄う前に語り始めた。
ある日、彼の友達から電話で「俺の友達に自殺しようとしてる奴かいるんだけどどうしたらいいんだろう」と連絡があったらしい。
相談された彼は自殺しようとした人の事を「自殺する奴は馬鹿な奴、迷惑な奴、自殺すると周りに言って、ただ慰めて欲しいだけの勝手な最低な奴。」と言い放った。
はっ?
確かに自殺はいけない事だとは思うけど、あなたにその人の何が解るの?辛さが解るの?って物凄く腹が立った。
傷口がえぐられるような感覚だった。
彼はその後も、アイドルになる為に大枚払って整形した身内の話しを皮肉ったものを唄ったり、自分の性欲をさらけ出しただけの歌を唄ったり…した。
周りもドン引き。
拍手もまばら。
本人にも会場のテンションの低さが伝わってきたらしく、「皆さん、いつまで僕の歌が堪えられるでしょうか…苦笑;)では次の曲は…」
歌詞も歌唱力も最低最悪、胸糞悪い時間を過ごした。
金返せやゴラ〜!とLiveで初めて思った。
たまたま聴いただけだったが、よくまぁLiveHouseでOKが出たものだ。
魂の叫びにはルールがないのか。
たとえ下手でも、格好が悪くても、明日や未来を夢見て歌に全力を注ぐ人達は素敵だし、引き付けられる。輝いてる。良い顔をしている。
ただの愚痴や批判する歌しか歌えない、彼のようなシンガーもいるのかもしれないが…彼の場合は全然、何一つ胸に響かない。それどころか歌詞の一つ一つが幼稚で下品でお粗末で残念極まりない。
カラオケ店で自己満足してればいいのに…人様に聴かせてどうしたいのか?全く共感出来ないような歌を延々30分…苦痛としか言えなかった。
別室やフロアーさえあれば逃げ出せたのになぁ。なんだか罰ゲームを受けているみたいだった。
途中で座りだした人もいたし…不快に感じた人は私一人だけじゃなかったはず。
私が観たかった人とは大違いだった。
素敵なシンガーは聞く人の心を震わせる人だと、私は思う。
鳥肌の立つような…
幸福を感じられるような…
良い歌や曲は心を元気にし、頑張れる力をくれる。
LiveHouseには、そんな唄声が響いて欲しいと…心からそう願う。
もしあの彼がまた対バンになったとして、何も変わらないままだったら…残念だけど再入場覚悟で部屋から出よう。
即効でね。