(注意)誕生日の話題は出ますが、明るく祝う様な内容ではありません。
山本が爽やかゼロで完全に骸を脅しています。今まで書いた山本の中で一番ドス黒い。
しかもジョット先生×生徒骸を前提にした山骸で、ややこしい設定。(山骸というよりは黒山→骸寄り)
骸と山本は同じ高校に通っている設定で、クラスも一緒。担任がジョット先生です。
それでもOKさっ!!という方のみ暇つぶしにどうぞ〜
爽やかな山本のイメージを壊したくない方、山骸が苦手な方は見ない事をオススメします^_^;
「なあ骸ー、俺の誕生日いつか知ってるか?」
「………は?」
帰りのHRも終わり、生徒達は次々と席を立ち帰宅していく中、骸も帰り支度を済ませ席から立ち上がろうとした時――
突然山本から訳の分からない質問をされ、思わず間抜けな声を上げる骸。
「ハハッ、聞いてねーのかよー。相変わらず骸はつれないのなー」
「……いえ、聞いてましたが…そもそも僕達まともに会話するのは今日が初めてですよね?
其で突然君の誕生日を聞かれても、分かる訳がありません」
――そう、山本武とこうして二人で話すのは初めてだ。
別に仲が悪いという訳でも、彼を嫌いという訳でもない。
ただ、彼と僕は余りにもタイプが違うので、同じクラスだが―今まで関わった事が無かった。
だから彼の言動は余りにも突然過ぎて―顔には出さなかったものの、正直戸惑っていた。
「あれ?そーだっけ?まあ良いじゃねーか!!たまには骸とゆっくり話したいと思ってさ。
もう少しだけ付き合ってくれよ!」
「…あの、先程の誕生日の話と、今君の会話に付き合うのと何の関係が――」
「俺さ、誕生日今日なんだよなー」
骸の質問など聞いていないかの様に、骸の席の前に座り―何時もの爽やかな笑みを浮かべる山本。
「……はあ、其は良かったですね。なら今から祝ってくれる友人や恋人が待っているのではないですか?
君なら祝う相手は沢山いるでしょう?」
正直山本武の誕生日など興味は無かった。
其より此から先生と会う約束をしている。出来れば今直ぐにでもこの場を去りたいと骸は思っていた。
――次の山本の言葉を聞くまでは。
「…そんなの全部断ったぜ?俺が一番祝って欲しい相手は――お前だし」
「…………え?」
すると、先程まで騒がしかった教室は誰もいなくなっており―
目の前の山本からは何時もの笑みは消え、真剣な表情で骸を見つめていた。
突然の山本の発言にどうして良いか分からず、言葉が出ない骸。
二人の間には、暫く気まずい沈黙が流れた。
――しかし、そんな沈黙を先に破ったのは山本だった。
「…だからさ、俺が一番欲しいのは―お前なんだ。
俺の恋人になってくれねーか?」
真っ直ぐ真剣な眼差しで告白する山本武は男らしく―
思わずドキリと胸が鳴ったが、僕には今―愛しい恋人がいる。
だからその想いに答える事は出来ない。
――山本武にそう告げようと、骸は固く閉ざしていた口を開いた。
「……気持ちは嬉しいのですが、その気持ちに答える事は――」
「――まあ待てよ、そう返事を急ぐなって!返事は――コレを見てから考えろよ」
「……?携帯…ですか?」
楽しそうにニコニコと笑いながら、僕の目の前に携帯を突き出す山本武。
「最近オヤジにスマホ買って貰ってさ〜今の携帯は写真の機能がスゲー良いのなー」
「は…はあ……」
「…で、コレが骸に見て欲しい写真なのな♪」
そう言って、携帯の画面を指で軽快にタッチする山本。
その画像を覗き込んだ瞬間――一気に血の気が引いた。
「…………っっ!!」
骸の目に飛び込んできた画像は――
ジョットと骸が顔を近付けて見つめ合っていた姿だった。
「これだけじゃないぜ?二人がキスしてる瞬間までバッチリ綺麗に撮れてるのなー」
「そ…そん…な、な…何…で…っっ」
次々と携帯から出てくる、先生との密会の映像に、ガタガタと小刻みに身体が震えて上手く喋る事が出来ない骸。
「何で?それはこっちのセリフだせ骸ー?
お前学校の屋上で何してんだよ―先生なんかと」
山本の冷たい声に、思わず恐怖でビクリと身体を揺らす骸。
そんな骸を見て、満足気にニヤリと笑う山本。
「この画像、先生方のパソコンに送りつけたらどーなるんだろうなー骸?」
「や…!!止めて下さ…」
「まあ特に厳しい処分が下るのは―生徒に手ぇ出したジョット先生だろうな♪
最悪免停で二度と教師なんて出来ないんじゃね?」
「――其だけは止めて下さいっっ!!」
僕は何を言われても構わない。
でも――先生に迷惑を掛けたり、周りに何か不快な事を言われるのは耐えられない。
感情が高ぶり、思わず悲痛な叫びで訴える骸の顔を覗き込み――とても楽しそうな笑顔を浮かべ、山本は再び話し掛けてきた。
「…じゃあさっきの話に戻すぜ?コレが最後のチャンスだからな…よーく考えろよ―骸」
―――ドクン。
次に山本が何を言い出すのか。恐怖で骸の心臓が大きく鳴り響く。
――怖い。今目の前にいる男が怖い。
この男は誰だ?
あの何時も爽やかな笑顔を浮かべる
誰にでも好かれる『山本武』は何処へいった?
僕の知っている『山本武』ではない
こんな男は 知 ら な い
恐怖に怯える骸とは対象的に、ふわりと優しい笑みを浮かべ――
天使の顔をした悪魔は、残酷な選択を優しく囁いた。
「選ばせてやるよ、骸。
先生の人生を終わらせるか、俺のモノになるか―――
決めるのはお前だぜ、好きな方を俺にくれよ」
骸にとって、選択肢など無い。
其を分かっていて、平気で満面の笑みを浮かべながら、両手を広げる悪魔が最も危険だと――頭で警告が鳴り響く
其を承知で
僕はただ黙って彼の腕の中に飛び込むしか
選択の余地は無かった――
「……最高の贈り物だせ?――骸」
山本の腕の中で、声を殺して泣く骸を強く抱き締め―――
嬉しそうにニヤリと笑い、小さく呟く山本の声を聞きながら
もう二度とジョットの元へは行けない事を――絶望的に悟った………。
(END)
…………暗っっ!!!!
ていうかホントに誰だお前山本じゃねえぇぇ!!!!!!
途中の告白までは爽やかな青春ボーイズ☆だったのに(何処がだよ)
イヤ、まぁイメージではもっと残酷で怖い黒山を書きたかったんだけど、自分の貧しい頭じゃ文章が浮かびません(苦笑)
取りあえず全く誕生日祝いらしからぬ(しかも誕生日過ぎてるし)小ネタでスイマセン(汗)
もう黒山じゃなく魔王山本だし軽くホラーだしww
読んで不快になった方スイマセンでしたあああ!!!(スライディング土下座←)