先週の今頃は、姫は凄く苦しんでた。
凄く辛そうだった。
もっと早く病院に連れて行ってたら、助かったかも知れない。
でもそれを分かってあげれなかった。
それを思い出して、辛くなってきた。

大好きな慎。
気付いてあげられなくてごめんね。
死にそうだったのに、いつもと同じだって思っていて、ずっと様子見してた。
分からなかった。
本当は連れていきたかったけど、病院も開いてなくて、朝まで待つことにした。
でもその判断は間違っていたね。

結局病院に行ったら助かったのか、それとももう遅かったのか、それすらも分からなかった。
それも私が病院に一緒に行って先生にちゃんと言えなかったせいだよね。
先生のせいや、他の人のせいにするなんて、ただの逃げだよね。
私が悪かったんだ。

そうやって悲観してたら慎が悲しむって分かってるけど、まだ全然元気になれないや。
今日電話したらゆかりんが泣いてくれたって。
良かったね。
あなたを惜しんで泣いてくれる人がいるんだよ。
良かったね。
私も良かったよ。
そんなあなたに育てられたこと、誇りに思うよ。
大好きだよ。
本当に大好きだよ。

どうして元気になれないのかな。
どうして笑ってあなたを思い出せないのかな?
Pにはまだ落ち込んでるのかと言われちゃった。
立ち直るのが遅いよね。
駄目だよね。
生き物を飼う以上、この悲しみに捕らわれたら、それは飼う資格がない。
絶対に私より先に寿命が来るのだから。
その命と共に生きるなら、その覚悟はしなければならない。
覚悟はしていたつもりだったんだ。
でもつもりなだけで、こんなに早く来るなんて思ってもなくて、信じられなくて、このままじゃ粋を飼う資格すら失うよね。
それだけは許してはならないんだ。

だから笑わなきゃ。
沢山笑わなきゃ。
どんだけ辛くても、笑わなきゃ。
今がやせ我慢するときだよね。
そうじゃなきゃ、あなたに顔向け出来ないよね。

辛くて何もしたくない。
でも辛くても生きてることを私は赦されてるから、何かしなきゃ。
それを赦されてるのだから。
―――…赦されてるのだから。
だから、何かしなきゃ。

粋が最近前みたいに熟睡出来なくて、警戒心が強くなってる。
ずっとあなたが側にいたから安心していたんだよね。
今度からはお留守番は独りぼっちだ。
ちゃんと出来るかな?
大人になったのに初めての独りぼっちのお留守番。
不安だよ。

あなたがいなくて寂しいよ。