新コラボCP第二弾です!書くの楽しいです←
地道に進展させたいなぁ、と思いつつ…どうしてこうなった(ぇ)
ノアは、やっぱり若干主に似ているようです←おい
*attention*
・ノアール×フランコさんなSS
・進展させたいなぁと思った結果がこれか
・彼は色々ワケありですがフランコさんなら軽く流してくれるかな…
という、星蘭の妄想の結果(ぇ)
・主に似てきてるノアールさん
・ノアも大概色気担当だったね(おい)
・相変わらず口調がエセでごめんなさい
・相変わらずの妄想クオリティ
・ナハトさん、本当にすみませんでした!
上がOKという方は追記からどうぞー!
―― ある日の、深夜のこと。
フランコは自室のベッドに寝転がっていた。
自分の国の習慣も絡んでか、今ひとつ夜は寝付けない。
少々用事があって、この国……イリュジアに留まることになり、
部屋を宛てがわれたはいいが、眠れない。
どうしたものかなぁ、と呟いたとき。
ふわりと、窓を開けてもいないのに風が吹いた。
「?何や……」
何かの気配を感じ、フランコは体を起こした。
武器はすぐ傍に置いてある。
何かあればすぐに抜くことが出来るが……
警戒した様子で視線を辺りに走らせるフランコの前に何かがたった。
否、誰かか。
不意に現れた"彼"に、フランコは金の瞳を見開く。
"彼"の所為で起きた風がフランコの黒髪を揺らす。
「な……」
「声を上げるのは勘弁してもらえるか。
騒ぎになると、俺は少々困るのでな」
聞こえたのは、低い声。
以前、暗い森の中で聞いた"彼"の声。
フランコは幾度か瞬きをすると、問いかけた。
「の、ノアールか?」
「そうだ。よくわかったな」
フランコは自分の前に立っている人間の顔を見上げた。
そこに立っているのは、漆黒の彼。
真っ黒のスーツに身を包んだ白い肌の彼が、
ベッドに座るフランコを見下ろしていた。
フランコは驚きと戸惑いの入り混じったような声で、問いかける。
「一体、どうして此処に……?しかも、こんな夜中に」
「……夜中でないと、身を隠しつつ動くことが難しいのでな」
どうして、という質問には答えずにノアールは言う。
彼の返答にフランコは怪訝そうな顔をした。
「なんで夜中なん?
俺のところに来っちゅーことは、俺の居場所は自分で探せたってことやろ?
なら、別に昼間でも……俺、城におったし」
別に昼でも来れたやろ?とフランコに言われ、ノアールは何かに迷うような顔をする。
そしてふぅと息を吐くと、そっけなく言い放った。
「残念ながら、俺は正面切って城に入れる人間ではないのでな。
夜に、こうして忍んででなければ城には入れない」
彼の口調は淡々としているが、言っていることは穏やかではない。
ノアールの容姿は決して身分が低い人間にも見えない。
基本的に何事にも寛大でしっかり申請すれば誰でも入ることが出来るような城。
それなのに、"入れない"とは……
「……何かあったんか?」
少し真剣な顔をするフランコ。
ノアールはふ、と笑みを零すと言った。
「……お前がそう言う顔をしているのは似合わんな。
笑っている顔の方が、お前らしい気がする」
「は?」
フランコの表情がきょとん、としたものに変わる。
彼の唐突な笑みと、言葉。
先程から会話が若干成立していない。
ノアールは彼を見つめると、彼が座っているベッドに腰を下ろした。
フランコは隣に座った彼を見つめる。
ノアールが俯いたために少し長い前髪が彼の表情を隠してしまう。
元々無表情な方の彼ではあったが、
今はわざと"無表情"を繕っているように見えた。
ノアールはそのまま、口を開く。
「俺は以前、ある方の命令の下、この国のある天使を攫おうとしたことがある。
それ故にこの国の人間……この騎士団の人間から恨みを買っていてな。
だから、この国の騎士に姿を見られるわけには行かない。
空間移動術でお前のところにきたのも、その所為だ」
彼の突拍子もない話に、フランコは驚いた顔をした。
"正面切って城には入れない"といった理由を理解する。
確かに、そんなことがあれば昼間に城へ堂々と来ることはできないだろう。
寛大であると同時に仲間意識が強い騎士団だ。
仲間に手を出されたとなると、その相手を許そうとはしないのだろう。
「そうやったんか……」
フランコは何か、思案顔。
隣に座る彼の金の瞳を窺いつつ、ノアールは言葉を紡いだ。
「……信じるか否かはお前に任せる。
だが、一つ付け足しておこう。
俺は、この国に危害を加えるつもりはない。今のところはな」
"主から命令があればわからぬが"と付け足してノアールは立ち上がる。
そのまま帰るつもりだったのだろうが……
「今何もするつもりがないんやったら、ええんとちゃう?」
「……は?」
フランコの言葉にノアールは振り返る。
想定外の発言だったのか、彼の黒の瞳には驚きの色が止まっている。
フランコは少し迷うように目を伏せる。
「俺はこの国の騎士やないし、
ノアールとこの国の騎士団の人間にあった確執やらも知らんし……
何処かに危害加えるんやったら、放っておくわけにはいかへんけど……
今、何もするつもりがないんやったら、構わへんのとちゃう?」
何かするつもりやったら話は別やけど、とフランコは言う。
ノアールはしばしまじまじと彼の顔を見つめていた。
そして。
「……そうか」
そう言って、微かに笑みを零した。
「なんで笑うん?今笑うとこちゃうやろ」
む、とフランコは少し顔を顰める。
いいこといったつもりなのに、と言いたげな目線。
ノアールは座ったまま何か言おうとしたフランコの顎に手を添えて、上向かせた。
座っているフランコと立っているノアールでは身長差は歴然。
唐突な行動にフランコは驚いた顔をする。
「……フランコ、だったか」
「あ、あぁ……何?」
確認するように名を紡いだノアールに少々緊張しつつ、フランコは訊ねる。
ノアールは黒の目を細め、言った。
「……俺に、"どうして此処に?"と訊いたな……
わざわざ、この城に忍び込んでまでお前に、会いにきた理由……
それは、俺もはっきり答えを出せん。理由がわかるようで、わからん。
主程ではないが、俺も大概"感情"というものを欠いているからな……
だが、一つ言うのであれば……」
―― 俺は、お前に興味がある。
フランコの瞳を見据えたまま、ノアールは低い声でそう言った。
驚きに固まっている彼の耳元で、ちいさく囁く。
「長く共にいたからか……俺は、主に似ている。
"ほしい"と思えば、相手が拒めどそれを求める……
そういったところも、おそらく似ているのだろうな」
そう言いながら、ノアールはフランコから手を離した。
抽象的な言葉だけを残し、自分から離れる黒の彼を、フランコは見つめる。
一度だけ振り向いて、ノアールは言った。
「俺の言葉の意味、考えておけ。
……また、気が向いた時にくる。或いは、お前から来い。
その時に、答えを聞こう。答えがわからないのならば教えてやる。
初めてお前とあったあの場所の近くに、俺は住んでいる。
今度は迷わぬように、まっすぐに導いてやるから」
ノアールは意味深な笑みを浮かべると、そこから姿を消した。
―― 闇に溶けるように姿を消した、漆黒の彼。
猫の爪のように細い月が白い光を落とす部屋で、
一人取り残されたフランコはただまじまじと、
先刻まで漆黒の彼がいた場所を見つめた。
彼が残した言葉の意味を考えながら……――
―― Meaning of your word ――
(触れた指先は酷く冷たかった。
なあ、その体温にも何か理由があるんか?)
(触れた彼奴の肌の温かさが手に残る。
今度会うときには俺の言葉の意味を教えてやろう…)
2013-4-27 22:18