新コラボCPを作りたいですね!ということで…
フランコさんとノアールのSSです。
とりあえず、出会い編ということで色々模索しつつ書きましたが…
色々絡ませていただけたら嬉しいです←
*attention*
・新コラボCPのつもりでノアールとフランコさん
・悩んだ末の出会いシチュ
・ノアールはこの状態だと"操り人形(マリオネット)"設定
・明るいフランコさんとリアクション薄いノアールのコラボが楽しかった
・とりあえず、出会い編ということで
・キャラふわふわ&フランコさんの口調が相変わらずエセ
・ナハトさん、すみませんでした…!
以上がOKという方はどうぞ!
「迷ったわぁ……此処、何処やろ……」
フランコは辺りを見渡す。
周りに見えるのは木々ばかり。
薄暗い森の中で、迷ってしまったのだった。
いつもくる道から外れ、迷い込んだこの森は案外広く、
尚且つ木々の丈が高いために周囲も見えない。
困ったな、という顔をしていたとき。
「何者だ」
不意に声が聞こえた。
カチッという、銃の撃鉄を起こす音も。
フランコは驚いて目を見開く。
突きつけられた武器に対抗するように彼も剣を抜く。
振り向くとすぐ傍に立っていたのは背の高い男だった。
少し長めの黒髪、闇に溶けるような漆黒の男……
フランコは金の瞳を細め、いう。
「いきなり武器を向けるのはなしやと思うけど」
「……貴様も武器を抜いているだろう」
「それはお前さんが先に仕掛けてきたからやで」
飄々として答えるフランコ。
金の瞳は、漆黒の森の中でも目立つ。
黒の男性はまっすぐにそれを見つめると小さく息を吐いた。
そして構えていた武器を下げる。
そのまま、低い声で言った。
「……こんなところに入り込んでくる人間はいないからだ。
犯罪組織の根城にされてはかなわないからな……
貴様は、見たところ騎士か」
ノアールが武器を下げるのを見て、自分も剣をしまう。
武器を持たない人間に武器を向けるようでは戦士としては三流だ。
「あぁ、俺は騎士やけど……
お前さん誰?此処の国の騎士団の人とちゃうよなぁ……」
何度もこの国の騎士団を訪ねているフランコは知っている。
ディアロ城騎士団の制服は白い。
しかしいま目の前にいる男性の服は黒い。
しかし、ヒトラーたちの部隊や騎士団の衣装とも違う。
どちらかといえば礼服に近いその服は、騎士団の制服には到底見えない。
黒衣の男はじっとフランコを見つめながら、静かな声で名乗った。
「俺はノアール。騎士団の人間ではない」
「やっぱりそうなんか。……でも、なんでこんなところにおるん?」
こんな真っ暗な森の中、彼は一人で何をしているのだろう?
街は平和で、暮らしやすいはずなのに。
そこで暮らしていないことに何か理由があるのだろうか、とも思う。
首をかしげるフランコに、顔を顰める黒髪の男。
少し返答に迷うように視線を泳がせるが、やがて答えにたどり着いたのか、
そっけなく答えた。
「……別に、貴様には関係ないだろう。
貴様こそ、此処で何をしている?この森には何もないぞ」
ノアールの言葉に、フランコは自分が何故此処にいるのかを思い出した。
苦笑気味に、彼はいう。
「迷ったんや。ディアロ城いうとこ行くはずだったんやけど……」
「は……?」
無表情だったノアールの顔に初めて人間らしい表情が浮かぶ。
驚きの表情。
フランコはそんな彼を見つつ、訊ねた。
「そこまでの道、わかるか?教えてくれへん?」
「……ついてこい。まさか迷子だとは思わなかった」
ノアールはそっけなくそう言うと、歩きだした。
フランコは慌てて彼の背を追いかける。
一瞬でも見失ったら彼は漆黒の闇の中に溶けてしまいそうだ。
歩いて彼の隣に並ぶと、彼にいう。
「ありがとうな!恩に着るわぁ……」
困ってたんや、と言いつつ笑顔を見せるフランコを見て、
ノアールと名乗った彼は溜息を一つ。
漆黒の瞳で彼を捉えて、呆れたような口調で言った。
「……貴様のその言葉遣い、どうにかならないのか」
「へ?」
「聞き取りづらい。正しく話してくれ」
不思議そうな顔をしているフランコに、ノアールは若干顔を顰めていう。
彼が言うのは、フランコが話す独特の訛りだろう。
確かに、この国であまり聞く話し方ではない。
ノアールにとってはそれが聞きづらくて仕方がないらしい。
フランコは少しこめかみを掻いて、苦笑した。
「正しく、て言われてもなぁ……俺の癖やし。
変えろ言われても変えようがないんやけど」
「癖……か」
あっさりと答えられノアールは溜息を吐いた。
そればかりはどうしようもないか、というような表情で。
そこからはノアールもフランコも黙り込み、二人はただ静かに道を歩く。
正しい道を歩けばすぐにたどり着く仕組みなのか、
彼に案内され始めて数分で、森の木々の丈が低くなり始めた。
やがて、ノアールは足を止める。
細い指で前方を指差しつつ、言った。
「……此処からならばわかるだろう」
フランコは前方を見て、道を確認する。
「あぁ、大丈夫や。ありがとうな!」
歩き出しかけたフランコを、ノアールは呼び止める。
不思議そうに振り返った彼に、黒衣の彼は訊ねる。
「……お前、名は何という」
訊ねられて、フランコはきょとんとした。
そして、首をかしげる。
「え?あ、俺名乗ってへんかった?」
「……あぁ」
聞く気もなかったから聞かなかったが、とノアールはいう。
フランコは何度か瞬きをすると、答える。
「俺はフランコ。助けてくれて、ありがとうな!」
す、と手を差し出され、ノアールは一瞬戸惑いの表情を浮かべる。
とはいえ、小さく息を吐くと軽く彼の手を握り返した。
ひやりとしたその手に、フランコは少し驚いた顔をする。
「手ぇ、冷たいんやな」
「……俺は人間ではないのでな」
「?なんか言うたか?」
フランコにはノアールの声は聞こえていなかったらしい。
しかしノアールはその言葉を繰り返そうとはせず、小さく首を振ったのだった。
「何も。さっさと帰れ。何か用事があって、あの城に行くのだろう」
追い出すように彼は言い、くるりと背を向けた。
そのまま歩きだそうとする彼を見て、フランコはあっと声を上げた。
「またいつかお礼させてな!」
遠ざかる黒衣の後ろ姿にフランコは声をかける。
ノアールは一度振り向いて……ふっと笑った。
「……面白い奴だな」
一言そう呟いてから、ひらりと手を振って闇に消える。
また会おうか、というニュアンスを込めたその物言いが少々気に掛かりはしたが、
フランコは城に用事があったことを思い出して、慌てて駆け出す。
空は既に暗くなり始めていた。
―― 漆黒の精霊 ――
(森の奥に一人で佇んでいた彼は森の精霊か何かやろか?)
(滅多に顔を合わせない人間に興味を抱くなど早々ない話で)
2013-4-27 20:30