フォルスタSSです
幼少期のスターリンさんにフォルがあったら…みたいな。
完全妄想クオリティで済みません><
*attention*
・フォルスタSSです
・シリアスもどき?
・フォルがただの変な子だよな、って(おい)
・こういう境遇が好きすぎる星蘭が暴走しました。
・でも結局残念クオリティ
・ナハトさん、本当にいつもすみません;;
以上がOKという方は追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
フォルスタSSです
幼少期のスターリンさんにフォルがあったら…みたいな。
完全妄想クオリティで済みません><
*attention*
・フォルスタSSです
・シリアスもどき?
・フォルがただの変な子だよな、って(おい)
・こういう境遇が好きすぎる星蘭が暴走しました。
・でも結局残念クオリティ
・ナハトさん、本当にいつもすみません;;
以上がOKという方は追記からどうぞー!
「……やれやれ、術を失敗したかな」
小さく呟く、黒服の青年。
亜麻色の風が彼の亜麻色の髪を揺らした。
彼……フォルは、あたりを見渡す。
見慣れぬ、景色だった。
冷たい風に、くしゅんっと小さくくしゃみをする。
マリティンほどではないが、イリュジアよりは幾分寒い。
空は鈍色で、雨や雪が降ってきてもおかしくはなさそうだった。
ぐるり、とあたりを見渡すが、どの建物も見覚えのないもの。
溜息混じりに、フォルはつぶやく。
「……何だろう、此処」
なれた魔力を探せども、見つからない。
誰か知った魔力があれば、それを目標に空間移動すればいい。
でも、それがなかった。
フォルはこんな場所を知らない。
ほんの少し、途方にくれた。
「とりあえず、空間移動術で帰る……」
―― "帰るかな"
そう言いかけた時、フォルはあるもの……
正式に言えば、"ある人物"で視線を止めた。
浅緑色の長い髪。琥珀の瞳。
何かを抱えて走っていく、少年。
眼鏡こそかけていなかったが、"彼"によく似ていて。
「……書記長、様?」
勘違い、で済ませるには、あまりに似過ぎてていた。
似ている、なんてものじゃない。
寧ろ……幼少期の、彼を想像した姿そのもので。
「……まいったな。もしかして僕、空間移動じゃなくて……」
―― 時空移動使っちゃった?
フォルが使う魔術……基、悪魔の魔術は複雑だ。
少し間違えば、全く性質の違う魔術が発動してしまう。
どうやら今回はそのパターンらしかった。
「笑えないぞ、これは。
本格的に魔法陣書かなきゃ帰れないじゃん」
頭を掻きつつ、面倒くさい、と小さく呟くフォル。
その視線は、彼……スターリンを追っている。
風に靡いている長い髪が、ふわふわと揺れていた。
幼少期の、彼の姿。
偶然に、幼い頃の彼のいる町に来てしまったらしい。
走っていく彼の後ろ姿をじっと見つめて……
「……何してるんだろ」
最初は、そう……好奇心で。
姿を魔術で消して、彼の姿を追いかけた。
***
彼が入っていたのは一軒の家。
どうやらそこが、彼の家らしいな……
フォルが思い、ドアに近づいた……その時。
パンッと鋭い音が聞こえた。
"遅い!"というような、怒声も。
フォルは思わず扉の前で足を止める。
中で何が起きているのかは、何となく想像がついていた。
彼の、スターリンの"過去"を知っているから。
普通なら、泣き声が聞こえるはずで。
でも、中から聞こえたのは幼い子供の、無邪気に笑う声だけだった。
それをフォルは、怪訝そうに聞いていた。
部屋の中が静かになると、"彼"の気配を探り、フォルは空間移動を使う。
場所が違えども、"人間"が目的ならば、術は使える。
相変わらず、魔力や気配は消したままだが、彼はスターリンの傍にいて。
彼は、薄暗い部屋で机に向かっていた。
先程、やはりぶたれたのだろう。
ペンを走らせている彼の白い頬は、軽く腫れていた。
それを暫く無言で見つめていたフォルだが……やがて、術を解いた。
そのまま、スターリンに近づいて、静かな声で問う。
「……何で泣かないの」
急に聞こえた声に、彼は驚いて振り向いた。
大きく、琥珀の瞳を見開いて、フォルの姿を捉える。
当然、驚くだろう。
それまで存在もしなかった場所に、知らない人間がいたら。
「誰?」
「今は秘密。そのうちわかるよ」
"そのうちね"と呟くフォルは、悪戯に目を細めてみせた。
意味深な発言をする"見知らぬ青年"を、彼は見つめた。
警戒心を向ける彼を見つめ返し、フォルは微笑む。
「大丈夫。君に危害を加えはしないって約束するよ。
で、話を戻すけれど……なんで君は笑っているの?」
歩み寄って、スターリンの頬に触れる。
彼はびくりと体を震わせた。
逃げようとしても、体が動かない。
フォルが魔術で体を固定しているかのように。
「痛かったんじゃないの?怖かったんでしょ?
なのに……何で泣かないの?」
真っ直ぐに、蒼い瞳でスターリンを見据える。
揺らぐことのない、瞳。
子供に向けるそれではなく、"スターリン"に向ける、視線だった。
嘘や誤魔化しは許さない。
そう言いたげなフォルの視線に少し視線を泳がせてから、
まだ幼さの残る顔に少し笑みを浮かべて、彼は答えた。
「……泣いても、意味ないだろ」
フォルはそれを聞いて目を見開いた。
幼い彼が浮かべた笑みは、子供が浮かべるにはあまりに不似合いな、
無邪気さを装いつつも切なさと憂いを帯びた笑みで。
―― 嗚呼、この子は泣くことに意味がないことを知っているのだ。
フォルはそう思った。
それが何のプラスの方向にも働かない、そんな空間に生きてきたから。
だから、笑っていた。
笑って、いたんだ。"昔"は。
その笑みが、真実の笑みでなくとも。
強く、優しく、どこか危うい脆さを宿している、彼。
今も昔も変わらない、強がりな彼の姿を垣間見た気がした。
「……なるほどね」
ぽつり、とフォルは呟く。
そんな彼を見て、スターリンは怪訝そうな顔をした。
「というか、アンタは誰なのだよ?何で……」
何で、此処に?アンタは誰?
疑問点しか、ないのだろう。
しかしぴ、と彼の前に人差し指を立てて、フォルは笑った。
「秘密だ、って言ったでしょ。今はね、知らなくていいんだよ、君は。
でも……そのうちわかるよ。絶対に、ね……」
再び意味深な発言をして、フォルはくすり、と笑う。
スターリンは魔術にでもかけられたように彼の姿を見つめていた。
軽く、彼の頭を撫でながらフォルは呟くように言った。
「君は強いね。改めて君のことが好きになったよ」
「は?」
何言ってるんだ、と言いたげなスターリンに、
首を振ってみせるフォルは微かに、笑みを浮かべていた。
まだ、"その名"で呼ばれたこともない少年は、
ただただ、怪訝そうにフォルを見つめる。
フォルはそれを満足そうに見ると、小さく笑った。
「さて、と……これ以上君と関わって"問題"が起きても大変だしね。
僕はお暇するよ」
―― じゃあね……書記長様。
そう言うやいなや、フォルは姿を消す。
この世界……"過去の世界"で、彼に、スターリンに深く関わって、
"未来"が変わってしまったら。
共にいることができなくなるのかもしれない。
それは、フォルも嫌だったから。
「……強い子、ね。あれが本当に強いのかどうかはわかんないけど……」
―― "書記長様"が泣き虫な理由が、わかった気がする。
フォルはそう思いつつ、街外れに来ていた。
地面に、大きな魔法陣を描いて、術を発動させる。
白っぽい光の中で最後に頭に浮かべたのは、まだまだ幼い"彼"の姿。
堕天使は、小さく笑った。
***
光が消える。
その刹那、フォルの体は重力に従って落ちた。
幸か不幸か……否、"被害者"からすればどう考えても不幸だろう。
フォルの落下地点には、人がいて。
「わっ!?」
「あぁ、ごめん、書記長様」
「ゴメンじゃねぇ!何やってんだ、馬鹿!」
怒鳴られて、フォルはくすくすと笑う。
どうやらフォルが着地したのはスターリンのベッドの上。
時間は夜。寝ようとしていた彼の上に落ちてしまったらしい。
"どこいってたんだよ!"と怒られても気にする様子なく、
フォルは言った。
「よかった。無事に帰って来れた」
「は?」
きょとん、とするスターリンの顔。
それに、先刻見た"彼"の表情が重なって……
フォルは、笑う。
なんでもないよ、と言いながらスターリンの上から降りて……
そっと、その頬に触れた。
―― "さっき"と同じように。
腫れてはいない頬をそっと撫でつつ、フォルは微笑んだ。
理由のわからないその行動に、スターリンは一層混乱した顔をする。
「フォル?」
「何でもないよ。泣き虫な書記長様」
「は?な、んでいきなり……」
いきなり泣き虫と言われ、スターリンは不快そうな顔をする。
フォルは彼の頬をそっと撫でつつ、言った。
「心の中で泣いててもそれを顔に出さないのは昔からなんだね、君は」
そう言いながら、フォルはスターリンから手を離す。
"過去の彼"にも"今の彼"にも、疑問のみを残して、
堕天使は笑って見せるのだ。
―― 強くて脆い君のことが大好き ――
(いつだって笑って涙を隠してきた"君"も
強がることだけで自分を守り続けている"君"も、僕は大好きだよ)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |