前々からフルートを買いたいと思っている星蘭です←
ああいう楽器とか音楽っていいですよね!
と、それはさておいてお医者様コンビのSSです。
*attention*
・お医者様コンビのSS
・メンゲレさんはお歌が上手なのです
・つまるところ音楽ネタ
・アンサンブルとか伴奏で歌うとかすごく好きなんです←
・でも相変わらず星蘭クオリティ
・ナハトさん、本当に済みませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
前々からフルートを買いたいと思っている星蘭です←
ああいう楽器とか音楽っていいですよね!
と、それはさておいてお医者様コンビのSSです。
*attention*
・お医者様コンビのSS
・メンゲレさんはお歌が上手なのです
・つまるところ音楽ネタ
・アンサンブルとか伴奏で歌うとかすごく好きなんです←
・でも相変わらず星蘭クオリティ
・ナハトさん、本当に済みませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー!
静かな研究室に、メンゲレはいた。
此処は上司であるジェイドの研究室。
当の本人はセラの会議で不在。
いつでもこの部屋に来ていい、と言われていた。
研究資料や医術、治癒術に関する本や書類を読むのがメンゲレは好きだった。
だから、彼が戻ってくるまで此処にいよう、そう思っていた。
「あ、この本まだ読んでいませんね……」
棚にあった本の一つを手に取り、小さく呟く。
そのまま、部屋の中を軽く歩き回った。
机の上に積み重なった本。
書きかけの書類。仕上げたのであろう書類。
なれた、彼の部屋の中……
本をめくりつつ、歩いていたとき、少し体が机に当たった。
「あ……!」
ぱさり、と音を立てて机から滑り落ちる書類の束。
きちんと角を留められていたため、ばらばらになることはなかったものの、
メンゲレは慌ててそれを拾い上げかけて……気づいた。
様々な研究書類に紛れた、少し古い楽譜。
それを拾って、メンゲレは見つめた。
―― 何故楽譜が?
一瞬考えるが、ふと思い出した。
「これ、ジェイドさんの……」
小さく呟く。
そういえば、ジェイドはフルートをふけると言っていた。
幼い頃に習っていたのだ、と照れくさそうに話していたのを思い出す。
おそらくこれは、その楽譜なのだろう。
五線紙に並んだ音符。
メンゲレはそれを軽く目で追うと、
そのメロディを小さな声で口遊んだ。
曲名もその音楽も知らない。
恐らく、ジェイドの生まれ育った街、あるいはこの国の音楽なのだろう。
柔らかで穏やかな曲調。
幾度か彼と訪れた、緑豊かな街に似合う、穏やかな曲。
彼にもよく似合う、そうおもいつつ、
メンゲレはそっと微笑んで、歌うのをやめた。
「相変わらず、綺麗な声ですね。
さすがは天使……と言いましょうか」
不意に聞こえた声に、メンゲレは驚いた顔をする。
ドアに寄りかかっている緑髪の魔術医を見て、メンゲレは赤面した。
聞かれているとは思っていなかった。
「か、帰っていらしたんですか……」
「えぇ、先ほど。帰ってくるときに貴方の声が聞こえましてね。
少し驚きました。それ、僕が幼い頃に習った曲なのですよ」
「やはり、そうでしたか……
すみません、本を見てる時に落としてしまって」
楽譜を手渡しながらメンゲレはいう。
ジェイドは小さく微笑んで、それを手で撫でた。
「僕、此処に置きっぱなしにしていたんですね。
そういえば、この間久しぶりに吹いたのでした」
楽譜を棚に戻して、ジェイドはメンゲレの方に向き直った。
そして、微笑みながら言う。
「すごいですね。初めて見た曲でしょう?」
「え、えぇ。でも、見ていたらつい、口遊んでいました」
確かに、初めて見た曲ではあった。
しかし、その音を追っていくのは簡単で、
その旋律は無意識的に口から紡がれていた。
それを聞いて、ジェイドは少し驚いた顔をする。
しかし、直ぐに穏やかな笑みを浮かべて、言った。
「ふふ……貴方らしいですね。でも……」
そっと、メンゲレの唇に人差し指を当てる。
そのままきょとん、としている彼に言った。
「僕の前以外で、歌ったりしないでくださいね?」
「え?」
彼の言葉に不思議そうな顔をするメンゲレ。
確かに、一度噂になってしまってからは、控えるように言われていたが……
その理由が、今ひとつよくわからない。
ジェイドはふっと微笑んで、指を離した。
「ふふ。理由は、秘密です」
悪戯っぽく笑って離れる彼。
メンゲレは理由が分からず首をかしげるばかり。
"気にしないでくださいな"と言うジェイドだが、
こんな反応をされれば気になるのは、必然で。
―― 我侭であることは、わかっていますけどね……
わざとメンゲレから視線を外して、ジェイドは苦笑した。
この部屋に戻る時に聞こえた、中性的な歌声。
それが誰のものであるのか、ジェイドはすぐに理解できた。
「ん?歌聞こえない?歌」
「あ、ほんとだ」
アンバーとルカが最初に気づいた。
クオンはジェイドの方を見て、"お前の生まれ故郷の歌じゃないか?"と問う。
ジェイドは小さく頷いた。
「……綺麗な声だな」
音楽に詳しくないアレクも、そう言っていた。
それほどに、美しい歌声。
きっと、この歌に、優しい声に惹かれない人間はいないだろう。
大切な天使の歌声。
美しく、優しいその歌声を聴くのはもちろんジェイドも好きだったが、
その歌声を、誰かに聴かれるのは好きではなくて。
「……独占欲、とでもいいましょうか」
小さく呟いた声は、誰にも聞こえることはなく。
ジェイドは小さく苦笑した。
それほどまでに愛おしい天使を思いつつ、
自分の部屋に戻れば、案の定。
楽譜に触れつつ、小さな旋律を紡ぐ彼の姿。
自らの生まれ故郷の歌を、
自分が習った懐かしい曲を、
優しい声で、暖かな声で、優しい表情で口遊む彼を、
ジェイドは穏やかな気持ちで眺めていたのだ。
自分の傍で、自分の傍だけで、歌っていて欲しい。
優しい声を、暖かな歌を、独り占めしてしまいたい。
そんな、少し子供っぽい彼の願望……
もっとも、気づかれるのが恥ずかしいが故に、
不思議そうな顔をする彼を適当に誤魔化しはしたのだけれど。
「ピアノならば、貴方の歌に合わせて弾くことができたでしょうかね」
未だ自分の言葉の理由に悩んでいるメンゲレに、ジェイドはいう。
メンゲレは彼の方を見て、微笑んだ。
「フルートでも合わせられるでしょうか?
僕、ジェイドさんのフルートに合わせて歌って、みたいです」
人前で歌うことを好んでするメンゲレではなかったが、
彼が……ジェイドがそれを望むなら、それもいいかもしれない、
そう思って、言ってみたのだ。
その返答はジェイドにとっては予想外だったのか、
レンズの向こうの翡翠の瞳が少し大きく見開かれた。
「ふふ、そうですね……出来るかもしれません。
ならばそれまでにもう少し練習しておかなくては。
長い間触らずにいたので、下手になってしまっているんです」
いつか、と約束を交わし、メンゲレの長い黒髪をそっと撫でた。
そしてもう一度、念を押すために言う。
「とにかく、歌を歌うのは僕の前でだけにしてください」
「……わかりました。ジェイドさんが、そう仰るのなら……」
ありがとう、と小さく呟くように言って、ジェイドは優しい天使に口付ける。
穏やかな夜風が二人の長い髪を揺らした。
「せっかくですし、もう一曲歌ってくれませんか?」
「え……?!」
「いいでしょう?貴方の歌を聴きたいんです」
そう言って、メンゲレを見つめる、翡翠の瞳。
ジェイドが時折見せる、子供のような強請り方。
メンゲレは幾度か瞬いてから、照れくさそうに頷いた。
静かになったディアロ城に美しい天使の歌声が響いていた。
―― Angel-voice ――
(その美しい声をいつでも一番傍で聴いていたいのです)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |