科学者道化師コラボのお話です。
ゲームのアバターきせかえの話から発展しました…
ムッソリーニさんはあざとくてかわいければいいと思うのです(^q^)←
*attention*
科学者道化師コラボのお話です
本家Laurentia!設定のお話です
ほのぼのなお話です
文化祭準備ネタなお話です
女装ネタ?です
あざと可愛いムッソリーニさん
カルセはあんまり顔には出ませんが結構やられてそう←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
賑やかな音楽がかかる、体育館。
そのステージの上で文化祭の練習をしていた生徒たちは"そろそろ片付け!"という実行委員の声に急いで片付けをする。
そのなかにいた金髪の少年……ムッソリーニはいっそう急いで片付けをして、体育館をでた。
学校の門を出て、少しいった場所。
そこに止まっている銀色のセダンを見つけて、ムッソリーニは顔を輝かせた。
パタパタと駆け寄っていくと、ドアが開いて中から見慣れた影が姿を現す。
「カルセさん、ただいま!」
ムッソリーニは車から出てきた淡水色の髪の男性にかけよって、笑顔を向ける。
相手の男性もそんな彼を迎え入れて、微笑んだ。
「おかえりなさい、お疲れさまでした、ムッソリーニ」
そういって微笑むのは、ムッソリーニの恋人である男性……カルセで。
彼はムッソリーニを助手席に座らせると、エンジンをかけた。
彼らはよく、こうして一緒に帰っている。
カルセは車で通勤しているのだが、流石に学校内でムッソリーニを車にのせる訳にはいかない。
依怙贔屓していると思われても嫌だし、二人が恋人同士であることがバレたらもっとまずい。
そのため、いつもこうして少し離れたところで合流するようにしているのだった。
「今日も文化祭の練習ですか?」
手慣れた様子で運転しつつ、カルセは隣にいる彼に声をかける。
ムッソリーニは被っていた帽子を脱ぎながら、笑顔で頷いた。
「うん、もうすぐ本番だからね!」
みんな張り切ってるんだよぉ、とムッソリーニは笑顔でいう。
カルセは彼の言葉を聞いて目を細めながら"そうですか"といった。
「私も見に行きますからね」
「えっ、ほんと?嬉しいなぁ」
カルセは運転中だから我慢したが、飛び付きたいところだ。
そう思いつつ、ムッソリーニは笑う。
無邪気な、心の底から嬉しそうな表情にカルセも微笑んだ。
「愛しい恋人の文化祭、見に行かないはずがないでしょう?」
信号待ちのその隙に、カルセは隣にいるムッソリーニの鼻先にキスを落とす。
突然の彼の行動にムッソリーニは思わず固まった。
しかしすぐに状況を理解して、かぁあっと頬を赤く染める。
「っ、カルセさん!」
「ふふ、すみません」
さして反省した様子なくハンドルを握り直すカルセに、ムッソリーニは唇を尖らせる。
そんな様子さえも可愛らしくて、カルセは藍色の瞳を細めていたのだった。
***
そうしてカルセは自分の家であるマンションに車を停めた。
今日は帰らなければならない用事もないし泊まっていけばいいとムッソリーニに言いつつ、部屋に通す。
一人暮らしをするには少し広い、マンションの一角。
ムッソリーニもカルセと付き合い始めた頃はこの広さにも雰囲気にも慣れなかったが、最近では大分慣れてきた。
もっとも、恋人が傍にいてくれれば、なのだけれど。
「カルセさん!俺のクラスは文化祭でステージアイドルするんだ!!」
夕食が終わり、片付けを済ませたカルセが戻ってきたタイミングで、ムッソリーニは彼にいう。
それを聞いてカルセは目を細めた。
「ほう……それはいいですね、文化祭ぽくて」
ステージでの出し物か、とカルセは思う。
自分が学生として文化祭に出たのはもう遠い昔だが、それでもいいなぁと憧れるもので。
カルセがそういうと、ムッソリーニはいっそう嬉しそうに顔を輝かせた。
そして、鞄の中から一枚の写真を取り出しながら、いう。
「でしょでしょ!
今日衣装もらったから体育館で練習したんだ!みてみて!!」
そういって差し出された写真をカルセは受けとる。
「どれどれ……」
受け取った写真に目を落として……カルセは思わず、固まった。
というのも。
彼のいう"ステージアイドル"の姿が、カルセの思っていたものと大きく違っていたからで。
てっきり、男性アイドルの格好をしているものだと思ったら、写真の中の彼が身に付けている衣装は明らかに女性モノ。
彼の瞳の色によく似合う青色のドレスだ。
それも、フリルがふんだんに使われている。
しかも彼はなかなかノリノリでポーズをとっているし、可愛らしい顔立ちをしている分並みの女子生徒よりも可愛い。
唐突にそんなものを見せられたカルセとしては、固まるしかないわけで。
しかしムッソリーニはそのフリーズの意味を勘違いしたらしい。
慌てた様子で、彼はカルセを揺らした。
「ダメ!?やっぱ俺が着てもキモいかな!?」
練習しているときにはノリノリだったし楽しかったのだけれどやはり自分みたいなのが着ても気持ち悪いだけだろうかと彼は慌てる。
やっぱりいくのをやめたとかカルセがいったらどうしよう。
そう思いつつあわてふためいていると、カルセがゆっくりと首を振った。
「そんなわけないでしょう……逆ですよ、逆」
カルセは溜め息混じりにそういう。
ムッソリーニは彼の言葉にキョトンとして瞬きを繰り返した。
「え?逆?」
それってどういう意味?
ムッソリーニはそういって首をかしげる。
カルセははぁ、と息を吐き出しながら、もう一度写真を見た。
可愛らしい笑顔を浮かべる、恋人。
しかもその服装もまた、可愛らしいもので。
「目の毒だ、と言いたいのですよ」
やれやれ、とカルセは息を吐き出す。
まだ彼の言葉の意味が飲み込めていないのか、ムッソリーニはきょとんとした表情のままだ。
目の毒?
それって要するに、いいってこと、だよな?
たまに誤用で悪いものって意味で使う人いるけどまさかカルセさんがそんな勘違いをするはずがないし、でも……え?
カルセは混乱して固まる彼を見てくすりと笑うと、そっとその頬を撫でながら、いった。
「可愛らしすぎてどうしよう、と思ったのですよ。
……さすがにビックリもしましたけどね」
カルセはそういい、苦笑する。
びっくりはしたが、似合わないとか気持ち悪いとかではないと。
……似合っているというのも、どうかと思わないではないけれど。
彼がそういうと、ムッソリーニは青い瞳をぱちぱちと瞬かせた。
それから照れ臭そうに頬を赤く染めて、首をかしげる。
「そっか……ね、見に来てくれる?」
嫌?と不安そうな表情で見上げてくるのは、狙っているのかと聞きたくなるほど可愛らしい。
まったくこの子は、と思いつつ、カルセは彼の頬にキスを落として"見に行ってもいいですが……"とささやいた。
「見に行ってもいいですが……文化祭が終わったあとで、私だけの前だけでその格好をしてくれますか?」
「え!?」
思わぬ条件にムッソリーニは大きく目を見開く。
カルセは猫のように目を細めながら、いった。
「だって、あんな可愛らしい姿を不特定多数の人間の前で晒すつもりなのでしょう?
恋人としては、面白くないですよ」
「う、ごめんなさ……」
「だから、終わったら特別にサービスしてくれる……でしょう?」
そういって、カルセはにこりと微笑む。
NOとは言わせないその表情。
ムッソリーニはそれを見て暫し固まっていたが、やがて照れ臭そうに俯いてこくり、と小さく頷いたのだった。
―― 恋人だけの特権 ――
(貴方を困らせることはわかっていたのですが…
そんな困った表情さえも、かわいくていとおしいのですよ)
(約束ですよ、と微笑む彼。
嫌だ、何て言えないよ、そんな風に笑われたら)