影猫面子とワルキューレコンビのお話です。
こういうほのぼのなやり取りいいですよね…
あと猫と犬の動画がネタになるとは思ってませんでした←
*attention*
影猫面子とワルキューレコンビのお話です。
ほのぼのなお話です
喧嘩と仲裁のお話
わんわんおっぽいヘフテンさん
ちび猫だけに猫っぽい面子
ヘフテンさんとちび猫たちの絡みに悶える大佐殿可愛いなと
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
穏やかな、秋の陽気。
賑やかな騎士の棟の一角……
そこで集まって一緒におやつを食べている幼い少年たち。
きゃっきゃと楽しそうに笑いながら菓子を食べる彼らは、賑やかで楽しそうだ。
そんな彼らの様子を見つめているのは金髪の少年と隻眼の少年……ヘフテンとシュタウフェンベルクで。
今日は、影猫に所属していた操り人形たちが勢揃いで遊びに来ていた。
ゲッベルスと親しいロシャも、シュタウフェンベルクの弟として暮らしているぺルも、ブランとシャムも遊びに来ていて、賑やかだ。
「此処のケーキ美味しいんですよねぇ」
ヘフテンはそういってにこにこと笑う。
このケーキは彼が買ってきたものだった。
ブランがそれをとても気に入っているもので、そうして嬉しそうにしている彼とその友人を見たくて、買ってきたのである。
「僕このケーキ大好きぃ」
そういいながらブランは嬉しそうにケーキを食べている。
ロシャやぺルもそのケーキを気に入ったようでもくもくと食べていた。
「何かつまねぇな、俺までもらっちまって」
影猫のメンバーの中で最年長の少年……シャムも苦笑気味にそういう。
それを聞いて目を細めながら、シュタウフェンベルクはいった。
「気にしなくていい。シャムもぺルたちの大切な友達だからな」
そういって微笑むシュタウフェンベルク。
シャムはそれを聞くと、少し照れ臭そうに、嬉しそうに微笑んだ。
彼は影猫のメンバーの中では一番年上。
少々乱暴なところもあるが面倒見もよく優しい彼は、誰かを甘やかすことはあっても、誰かに甘やかされることはないらしい。
だからこそ、今のシュタウフェンベルクの言葉が嬉しかったのだろう。
「折角だから、ゆっくりしていったらいい」
皆此処にいるんだから、といいながら、シュタウフェンベルクは自分のティーカップを傾けた。
穏やかな、午後。
降り注ぐ陽射し。
暖かいそれを窓越しに感じながら過ごすのんびりした時間……――
任務や書類に追われることがない時間というのは貴重で、シュタウフェンベルクはそれを満喫していた。
傍には愛しい副官と弟。
そしてその友人たちが一緒にいる。
ただそれだけでも、とても幸せな休日だった。
と、その時。
「あー!!」
不意に響いた大きな叫び声。
それに驚いてヘフテンとシュタウフェンベルクは顔をあげる。
声をあげたのは、幼い操り人形の一人……ブランで。
彼はフォークを持ったまま立ち上がり、癖毛の少年……ロシャを指差している。
ふるふると震える彼の黒い目は涙に潤んでいた。
いったい何が起きたのか。
そう思いつつシュタウフェンベルクとヘフテンは視線をそちらへ向ける。
「ロシャが僕のイチゴ食べたぁ!!」
そう叫び声をあげる彼。
ロシャは口にフォークをくわえたまま、いった。
「だってずっとおいたまんまだから、要らないと思ったんだもん」
しれっとそういうロシャ。
その表情はすべてわかった上で、しかもわざとやった風だ。
長い間一緒にいたのだ。
彼の性格はわかっているに違いない。
「僕は好きなものはあとで食べる派なのぉお!ロシャのバカぁあ!!」
そう声をあげて、ブランはポカポカとロシャを殴る。
ロシャはその攻撃に盛大に顔をしかめた。
「いったぁい、何するんだよ!」
そういいながらロシャはぽかりとやり返す。
ブランがそれにやり返して……と、以下無限ループだ。
ぽかぽかと殴りあい"バカバカ!"と言い合う二人。
本気の殴り合いではないが、喧嘩に違いはなく、少々やかましい。
暫し口を突っ込まないでシャムだったが、煩さに額に皺を刻む。
やがて立ち上がって、二人の方を見た。
「あぁもう煩いぞお前ら!」
シャムがそんな二人を叱りつける。
しかし当人たちにはそれが聞こえておらず、代わりに傍にいたぺルがびくぅっと体を強張らせた。
「あっ、ごめんぺル、お前じゃなくて……っ」
「…………」
怒鳴り声にふるふると体を振るわせ始めるぺルをシャムは慌てて宥める。
そんな様子はもはやカオスだ。
「あぁ、もう……」
シュタウフェンベルクは溜め息を吐き出して、喧嘩をしている二人を止めにいこうとする。
しかしそれより先にヘフテンが動いた。
「はぁい、二人ともストップストップ!引き分けですよぉ」
そういってヘフテンは二人の間に入った。
ぽかぽかと殴りあっていた二人はおとなしく止まる。
しかし相変わらずむくれた顔のままだ。
「だってロシャがぁ」
「僕は好きなものだけ食べたいタイプなのぉ」
そういって、ロシャはべぇっと舌を出す。
それを聞いてブランはまたきぃっと声をあげるが、ヘフテンが笑いながらそれを諌めた。
「ほら、ブランさん、イチゴなら僕のをあげますよ、僕のイチゴタルトですからイチゴたくさんあるんです」
そういいながらヘフテンはブランの皿の上にイチゴをころんとのせてやる。
それを見てブランはぱぁっと顔を輝かせた。
ロシャはそれを見て唇を尖らせる。
「そーしたらヘフテンのなくなっちゃうじゃんかー」
「いいんですよぉ、僕はいつでも買えますし、もうお腹一杯なんです」
ね、といってヘフテンは笑う。
ブランは嬉しそうに彼に礼をいい、ロシャもそれならいいけどー、と自分のケーキをつつき始める。
そんな二人を見て、ヘフテンは得意気な顔をした。
シュタウフェンベルクはそんな彼らの様子を見て、思わず顔を伏せる。
あぁ、可愛い。
そんな思いで、変な顔をしてしまいそうだったから。
影猫の子供たちとヘフテンが一緒にじゃれあっているだけでも可愛らしい。
それが、いつも自分が子供っぽいと思っているヘフテンが兄のような顔をしつつ小さな少年たちを諌めているものだから……
その様子と来たら、可愛らしいことこの上ないのだった。
「クラウス兄さん?」
ぺルはきょとんとした表情で兄の方を見る。
その声にはっとして顔をあげると、怪訝そうな顔をしているシャムと目があった。
「どうかしたのか?」
「あ、いや、何でもない……大丈夫だ」
シュタウフェンベルクはそういって、曖昧に笑う。
ぺルは心配そうな顔をしつつ、小さな手でぺたぺたとシュタウフェンベルクの額にふれた。
「お熱は、ないね」
「だ、大丈夫、大丈夫だから」
あぁこれ以上状況を悪化させないでくれ。
そう思いつつ、シュタウフェンベルクは机に突っ伏する。
あぁもう、本当に可愛い。
子供っぽいのにおとなぶる副官も。
無邪気に遊んでいたかとおもえばちょっとしたことで揉める影猫の子供たちも。
自分の様子がおかしいのに気づいて心配してくれる弟も。
かわいくていとおしくてたまらない。
そう思いつつ彼は暫し机に潰れていた。
「大佐?どうしたんですか?」
「シュタウフェンベルク変なのー」
「変なのー」
いつのまにか喧嘩をやめたロシャとブランもヘフテンと一緒に笑っている。
そんなほほえましさに、シュタウフェンベルクはこの場をどうにか写真におさめたいものだ、と思ったのだった。
―― 喧嘩と仲裁と穏やかな時と ――
(喧嘩している姿さえも可愛らしく見える幼い少年たち。
やりましたよ、と言わんばかりの得意気な表情も可愛らしい副官)
(あぁ、こんな穏やかな休日は幸せで)