ザイス=インクヴァルトさんとリトのお話です。
ザイスさんはハイネックきてたらいいなという妄想で…←
そしてこういう微笑ましい話も好きです(笑)
*attention*
ザイス=インクヴァルトさんとリトのお話です
本家Laurentia!設定のお話です
ほのぼのなお話です
ザイスさんはハイネックきてたら萌えるなって話を
そしてその理由がこうなら可愛いって話してたのです←
リトより可愛い気がする(笑)
そしてたまにこういうご褒美くれたらいいなと←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
吹き抜ける、肌寒い風。
その中を歩いて、リトは見慣れない景色の中に飛び込んだ。
秋風が吹き抜けていく。
いつの間にか、こんなにも涼しくなったのだろうか……そう思いながら、リトは溜息を吐き出した。
「はぁ……寒い……」
リトはふぅ、と息を吐き出した。
そしてポケットの中に手を突っ込んだ。
彼が今居るのは、恋人……ザイス=インクヴァルトの学校。
今日は少し早く学校が終わったために、こうして此処に来たのである。
彼を探しに来た理由はもう一つある。
リトはふっと息を吐き出す。
そして、鞄の中に手を突っ込んだ。
取り出したのは、クリアファイル。
その中に入っていたプリントを一枚取り出す。
リトはそれを見てにっこりと笑みを浮かべた。
それは、リトのテスト結果。
今回の点数は、いつもよりかなり良い。
それを一刻も早くザイス=インクヴァルトに見せたかったのである。
ちゃんと、メールはした。
そうしたら授業が終わるまでそんなに時間はかからないから適当なところで待っていてくれとのこと。
だから、リトはザイス=インクヴァルトが授業を受けている棟の入り口付近で立って待っているのである。
「リトさん」
聞こえた声に、リトは顔をあげる。
少し早足で自分の方へ駆け寄ってくる長い緑髪の少年の姿が目に映った。
リトはそれを見てぱぁっと顔を輝かせる。
「アルトゥール先生!」
嬉しそうに彼の名を呼び、手を振った。
そうしていると、ザイス=インクヴァルトは彼のところまで来て、息を整えた。
そして、小さく首を傾げて彼に問いかける。
「でも、いきなりどうしたんですか?私を迎えに来るなんてsな点…」
珍しいですね、とザイス=インクヴァルトは言う。
それを聞いてリトは笑みを浮かべた。
「早く先生に会いたかったんだ!今日は授業も早く終わったし……それにね!」
そういって、リトは誇らし気に紙を差し出す。
ザイス=インクヴァルトは不思議そうにそれを見て……目を細めた。
「この前のテストの結果ですか。随分よくできましたね」
ほめてやると、リトは嬉しそうに笑った。
そして、それをしまいながら、リトはいった。
「これを早く見せたかったってのも理由の一つ!」
そういってリトは嬉しそうに笑う。
ザイス=インクヴァルトはそれを聞いて、目を細めながら言った。
「そうですか。確かに今日は授業日でもありませんしね。
……帰りましょうか、冷えますし」
リトの姿を見て、ザイス=インクヴァルトは言う。
彼はプリントをしまうとすぐにポケットに手を突っ込んでいたからである。
ザイス=インクヴァルトの言葉にリトは嬉しそうに頷いた。
そうして二人で歩く二人。
ふと、リトはザイス=インクヴァルトの方を見た。
そして小さく首を傾げて、彼に訊ねる。
「先生、ハイネックの服着てること多いよな」
ふと気づいたのはそんなこと。
彼とよくこうして一緒に過ごすようになって考えていたことなのだけれど、彼はよくハイネックの服を着ている。
それは、夏であっても。
「今はちょっと寒いからわかるけど……夏もきてたじゃん?」
リトは彼にそう問いかける。
それを聞いてザイス=インクヴァルトは一瞬きょとんとした。
それから"あぁ、そうですね"と声を漏らす。
それを聞いて、リトは首を傾げて"ねぇ何で?"ともう一度問いかけた。
ザイス=インクヴァルトはそれを聞いて、リトから視線を外す。
そして、溜息まじりに言った。
「だって……日に焼けるの嫌なんです」
「……え?」
思わぬ返答にリトはきょとんとした。
ザイス=インクヴァルトは彼の反応を見て少し頬を赤く染めた。
そして、ぼそぼそとした声で言う。
「日に焼けると赤くなるんです……この時期もまだ紫外線は強いですから……」
だから、この格好なんです。
ザイス=インクヴァルトはそういう。
それを聞いてリトは幾度か瞬きをした後、ふっと笑って、言った。
「何だ、そういうことか……っふふ、何か、意外だ」
そういって、リトは笑う。
ザイス=インクヴァルトは彼の反応を見て、ぷいとそっぽを向いた。
リトは彼を見て小さく笑いながら、言った。
「何も馬鹿にしてるわけじゃないから、そんな反応しないでよ」
「……そうですか」
「それに、いいと思うよ、ハイネック」
そういってリトは笑う。
そしてザイス=インクヴァルトの頬に触れた。
す、と首の方へ手を滑らせながら、言った。
「此処、見えないってのは助かる」
「……何故ですか?」
ザイス=インクヴァルトは首をかしげ、リトに訊ねる。
リトは小さく笑いながら言った。
「だって、此処にキスマークつけてもわからないだろ?」
そういって、リトは笑った。
ザイス=インクヴァルトは彼の言葉にさぁっと頬を赤く染める。
それからぷい、とそっぽを向いた。
「……あまり馬鹿なことを言わないでください」
そういった彼はさくさくと歩き出す。
いつもより少し早歩きで、リトは置いていかれる。
「あぅ、アルトゥール先生待ってよ!」
冗談だってば!といいながら、リトは慌てて彼を追いかける。
そんな二人の影を夕焼けが照らし出してた。
***
ザイス=インクヴァルトの早足が、止まった。
彼に追いついたリトは小さく息を吐く。
そして"ごめんってば"といいながら、ザイス=インクヴァルトの顔を見上げた。
「冗談だよ」
「はいはい、わかりました」
別に怒っていたわけではありませんよ、といってザイス=インクヴァルトは息を吐き出す。
リトが良かった、と呟くと……ザイス=インクヴァルトはリトに"少し寄り道をしましょうか"と声をかける。
彼の言葉は少し意外なもので、リトは目を丸くした。
「え?」
ザイス=インクヴァルトが示しているのは、近くのカフェ。
リトには少々敷居が高くて、一人で入ることは出来ずにいたカフェだった。
ザイス=インクヴァルトは彼の反応を見て、目を細めながら言った。
「良い点数とってきたみたいですから。
リトさんに、ちょっとしたご褒美です」
そういって彼は微笑む。
リトは彼の言葉に嬉しそうに目を輝かせる。
「ほんと?!」
「えぇ。……今日は課題もありませんし、リトさんもテスト明けでしょう?」
たまには休憩してもいいでしょう、と彼は言う。
リトは嬉しそうに目を輝かせた後、ぎゅっと彼に抱き付いた。
「ありがと、先生!」
嬉しいよぉ!と声を上げるリト。
ザイス=インクヴァルトはそんな彼の頭を撫でてやりながら、"では入りましょうか"といったのだった。
―― 褒美と笑顔と… ――
(頑張った彼に、ちょっとした褒美くらいあげてもいいでしょう。
こんなにも嬉しそうな顔をする彼の姿を見られるのですから)
(いつも冷静でちゃんとしているのに、変なところ可愛らしくて。
そんな彼が折れにとっては愛しいよ)