大佐殿とフォルのお話です。
仲間思いでカッコいい大佐殿を書きたくて…←
*attention*
大佐殿とフォルのお話です
シリアスなお話です
フォルVS大佐殿
仲間を守るために堕天使退治しようとする大佐殿
フォルはこういう気質です
決死の覚悟で挑む大佐殿を書きたかったのです(^q^)
何か中途半端かも?
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
静かな、森の奥の小屋。
小さな小屋。
誰も住んでいないような雰囲気。
しかしそこには、ひとつの影があった。
ショートカットの亜麻色の髪。
サファイアの瞳が天井を見上げる。
質素な部屋。
そのぼろいベッドに寝転んでいた彼はぴくり、と何かに気付いた風を見せ、体を起こす。
「……誰?」
ドアに向かってそう問いかける堕天使……フォル。
それと同時、ドアが開いて部屋の中に入って来る影。
それは、漆黒の髪の少年。
開け放たれたドアから吹き込む風が、彼の髪を揺らす。
その少年……シュタウフェンベルクは青い瞳でフォルを見据えた。
「何だ、大佐殿か。
どうしたの?何の用事?」
そういって首を傾げるフォル。
シュタウフェンベルクはその言葉に眉を寄せた。
「……しれっとしたものだな」
「ありゃ、何か怒ってる?」
何かしたかなぁ、僕。
フォルはそう呟きながら首を傾げる。
それと同時、シュタウフェンベルクは素早く地面を蹴った。
素早くマスケットを構える。
その銃口が向くのはフォルの方。
フォルはさして驚いた様子なく、剣を抜いて飛びのいた。
「いきなり武器をむけるのはあんまりじゃない?」
そういって首を傾げるフォル。
シュタウフェンベルクは眉を寄せて、一発発砲する。
放たれた魔力。
それはフォルの頬を掠めていった。
頬に一筋血液が流れる。
フォルはそんな彼の攻撃にスッと目を細めた。
それから小さく首を傾げる。
「ねぇ僕何かした?」
「……とぼけるんだな。
さっきまで、城に来ていただろう」
シュタウフェンベルクがそういうとフォルは少し驚いた顔をした。
それからふっと笑みを浮かべて、頷く。
「いったね」
「そこで要らないちょっかいを出しただろう。
例えば……訓練所に火を放つとか」
シュタウフェンベルクは険しい表情のままそういった。
フォルはそれを聞いてくすっと笑う。
「あはははっ、気づいてたんだ?」
悪びれた様子なくわらう堕天使。
どうやらシュタウフェンベルクの読みは辺りらしい。シュタウフェンベルクはキッと険しい表情を浮かべて、言った。
「その悪ふざけでフィアが傷ついた事に気が付いているよな」
そう呟く彼。
フォルはそれを聞いてしれっと頷いた。
「ふふ……
だって、それが目的だったんだもの」
そういって笑うフォル。
シュタウフェンベルクはそれを聞いて更に表情を険しくした。
「貴様……っ」
シュタウフェンベルクはそう声を上げると同時、素早く複数のマスケットを呼び出した。
そしてそこから一斉に魔力を放出する。
シュタウフェンベルクの炎属性魔術が部屋の中に満ちていく。
見る見るうちに木造の小屋は火に包まれた。
フォルはそれを見て溜め息を吐き出す。
そして小さく首を傾げて、言った。
「酷いことするなぁ。
僕此処気に入ってたのにさ?」
「これでフィアの気持ちがわかるだろう……」
炎の中、自分の両親を失ったフィア。
怯えながら炎に満ちた部屋に隠れていた"彼女"。
その気持ちが少しはわかるだろう、とシュタウフェンベルクはいう。
それを聞いてフォルはくすくすと笑った。
そして青い瞳でシュタウフェンベルクを見つめつつ、言う。
「随分フィアに入れ込むね」
「仲間だからな。
貴様のように仲間を駒と見ているわけではない」
きっぱりとそういうと、シュタウフェンベルクはフォルに魔力をむける。
燃え盛る炎がフォルを襲った。
次第に逃げ場がなくなっていく。
周囲を見わたしたフォルはシュタウフェンベルクに言う。
「良いの?
逃げられなくなっちゃうよ?」
このままだと君も。
フォルはそういうが、シュタウフェンベルクは怯まない。
素早く魔力が切れたマスケットを投げ捨てて、次のものを構える。
「構わない……
私が逃げられようが、逃げられなかろうが」
そう声を上げるシュタウフェンベルクの目は真剣そのものだ。
本気で、自分が死んでも構わないという表情……
フォルはそれを見て表情を引き締めた。
「へぇ、そんな覚悟?凄いねぇ……」
―― なら僕もそれに応えないと。
フォルはそういうと指先に魔力を込める。
そしてそれをシュタウフェンベルクに向かって放った。
破魔の魔力を持つシュタウフェンベルク。
しかしそれはあくまで悪魔を祓うことが出来るというだけの代物。
シュタウフェンベルク自身は悪魔の魔力に、堕天使の魔力に弱い。
「当たれば君も動けなくなるでしょう?」
そういうフォル。
しかしシュタウフェンベルクは動じない。
「それは貴様も同じだろうっ!」
そういって、シュタウフェンベルクは魔力を同時放出する。
その魔力は破魔の魔力。
それは確かにフォルを捕えていた。
フォルは声にならない声をあげて、地面に倒れる。
そして、苦しげに顔を歪めた。
「……っく」
小さく声を洩らすフォル。
シュタウフェンベルクは彼にマスケットをむけた。
「撃ちぬかれるかこの猛火の中燃え尽きるかどちらかを選べ」
鋭い声で言うシュタウフェンベルク。
フォルはそんな彼を見て、にっと笑った。
「ふふ……どっちも嫌だよ」
「ならばこのままだな……っ!?」
そういうと同時。
フォルが最後の魔力を込めて放ってきた。
それはシュタウフェンベルクの頬を掠めていく。
強い堕天使の魔力の影響、そして何より此処までの魔力の過剰消費によって、
彼はがくりとその場に膝をついた。
「う……」
「ふふ……これで君も、巻き添え……だよ?」
―― 下手をしたら君だけ死ぬかもね?
フォルはそういって笑う。
余裕の笑み。
シュタウフェンベルクはそれを見て顔を歪める。
もう、返答するだけの気力がない。
苦しい。
体が、怠い。
「っは、……ぁ」
燃え尽きかけた家。
二酸化炭素の満ちる空間。
呼吸が、苦しい。
「ふふ……」
フォルは笑みを浮かべる。
それを最後に、シュタウフェンベルクの意識は途切れる。
願わくはこの堕天使を道連れに出来るように。
もうこれ以上、自分の仲間が傷つかないようにと願いながら……――
―― 捨て身の覚悟で… ――
(引き換えだってかまわない。
それで、仲間を苦しめる存在を消し去れるなら…)
(何時だって君はそうだ。
自分をかえりみることを忘れて戦うんだから…見ていて飽きないよ)