久々の無彩色極彩色コラボのお話です。
こういうほのぼのというか甘めな二人を書きたくなりまして…
とりあえディープキスまでなお話です←おい
*attention*
無彩色極彩色コラボのお話です
ほのぼの?甘め?なお話です
片翼の悪魔なノアールに綺麗だっていうフランコさんであってほしいな、と…
理性的な時のノアールは普通に優しい人?です無愛想ですが←おい
とりあえずキスをさせたかった←←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
肌寒い風が吹き抜ける、夜の中庭。
その木の枝に腰かけているのは艶やかな黒髪の男性の姿があった。
冷たくなった秋の風が吹き抜けて、彼の髪を揺らす。
黒いスーツ姿の彼はそれでも寒がったりする様子なく、その枝に座り続けていた。
夜の中庭というのは不気味なほどに静かだ。
夜もすっかり更けた後の庭。
そこに人影はなく、しんと静まり返っている。
しかし、その静けさが自分にはあっていると彼……ノアールは思う。
闇に生きてきた自分。
これくらいの空間の方がよく似合う、と……――
と、その時。
ぱきっと小枝を踏む音が響いた。
一瞬身を固くしたノアールだったが、すぐにその緊張を解く。
近づいて来た気配はよく知った気配だった。
その気配はノアールのいる木の真下で止まった。
そしてその気配が声をかけてくる。
「ノアール、そこにおったんか」
聞きなれた声。
聞きなれた少し変わったアクセント。
それを聞いてノアールは相手の名前を紡ぐ。
「フランコ……」
そう。
今此処に来たのはノアールにとって大切な人間である、フランコ。
どうやら、姿が見えないノアールを探しに来たらしい。
「何でなんも言わんで出てってしもうたん?
いったい何処いったかと探し回ったわ……」
少し拗ねたような声が下から聞こえる。
ノアールはそれに短く"すまない"と答えた。
そんな彼の声にフランコは小さく息を吐く。
そして、いった。
「まぁええわ……降りてきてや、ノアール」
何でそんなとこにおるん?という彼の声。
ノアールはふっと溜め息を吐くと答えた。
「今は、ダメだ」
今は降りられない。
ノアールがそう答えると、フランコの怪訝そうな声が返ってきた。
「何で?」
「……魔力を、解放しているから……」
だから無理だ、とノアールはいう。
そして彼は背中に開いたもの……漆黒の翼を動かす。
今ノアールは魔力を完全解放していた。
そのために、姿が少し変わっているのである。
背中に開く大きな翼。
それは一方が欠落したように片方しかない。
異端の証であるそれは、月光に照らされて艶やかに光っていた。
それは、地面に落ちた影にも映ったのだろう。
フランコは納得したような顔をして、いった。
「あぁなるほど……みたいなぁ」
「は?」
フランコの声にノアールは驚いたような声を漏らす。
それを聞いてか、フランコはくすっと笑って、いった。
「綺麗やん。黒い翼」
だから見たい。
そういうフランコの声を聞いて、ノアールは小さく苦笑を漏らす。
「……本当に物好きだな、お前は」
こんなもの、とノアールは呟く。
自分の持つ翼が綺麗なものとは、思えなかった。
恐れられる対象だと思えども、綺麗などといってもらえるものとは、思えない。
しかしフランコはあっさりと、いった。
「事実やで?嘘はつかん。
……だから、降りて来て?ノアール」
姿見たい、とフランコはいう。
ノアールはそれを聞いて暫し躊躇った後、小さく溜め息を吐き出して、いった。
「……わかった」
そう答えるとひらりと地面に舞い降りる。
大きな翼がばさりと一度羽ばたいた。
フランコはそんな彼の姿をまじまじと見つめた。
ノアールもそれを見つめ返す。
暫くそうして彼を見つめていたフランコはふわりと笑うと、いった。
「うん、やっぱり綺麗や」
改めてそういうフランコ。
ノアールは彼の言葉に幾度か瞬いた後、小さく溜め息を吐き出した。
そして軽く髪をかき揚げつつ、呟くようにいった。
「……ほんとに、お前は……」
変わり者だ、と呟くように彼はいう。
フランコは唇を尖らせながら、いった。
「何で?ノアールの髪も瞳もすごく綺麗やで?」
ノアールは気に入らんみたいやけど、といいながら、
フランコは少し伸びをして、ノアールの髪に触れる。
表情を隠すように少し長くなった髪。
少し怯えたように彼の体が跳ねるのを見て慌てて手を引っ込めた。
「ごめ……」
嫌やった?とすまなそうにいうフランコ。
ノアールはあまり他人に触れられるのが好きではないという。
幼い頃に親に暴力を振るわれていたのが原因らしいが……
いずれにせよ気軽に触れてしまったなとノアールは少し反省する。
しかし別に彼は気を悪くした訳ではないらしい。
軽く首を振ると、彼はフランコにいった。
「……そんなことをいう人間も、稀だな……
否、人間では初めてか」
「?人間では?」
怪訝そうに首をかしげるフランコを見てノアールは小さく肩を竦める。
そして、空を見上げながら、いった。
「お前以外で綺麗だといってくれたのは、主だけだからな」
主は人間ではない、というノアール。
事実、彼の主……フォルは人間ではなくて、堕天使だ。
だから、人間にそんなことを言われたのは初めてだと、ノアールはいう。
フランコは彼の言葉に少しむくれたような顔をした。
そして、呟くようにいう。
「……どうせなら、俺が初めてやっていってほしかった」
人間ではじめて、と言われてもあまり嬉しくない。
どうせなら、はじめてでありたかったな、と彼はいう。
ノアールは彼の言葉にちらと彼を見た。
そして溜め息混じりにいった。
「……気が利かなくて悪かったな」
俺はそこまで気を回せない。
そういうノアールを見て、フランコは小さく笑う。
そういうということは、少なからず彼が自分を気にかけてくれていると言うことだ。
そう思いつつ、フランコはぎゅっとノアールの服をつかんで、いった。
「へへ、別にえぇわ……
今こうやって一緒にいられるんのは俺やもん」
フランコはそういってにっと笑う。
ノアールはしばらくそんな彼を見つめていたが……
やがて小さく息を吐き出すと、低い声で呟いた。
「……あまり可愛いことをいうな」
そんな彼の声にフランコはきょとんとした顔をした。
「へ?……んっ」
何、と彼が問いかけるより先に、ノアールが身を屈めて、フランコに口付けた。
唐突な彼の行動にフランコは完全に固まる。
こうしてキスをされることに、フランコはあまり慣れていない。
ファーストキスだって、つい最近だ。
それなのに深いキスをされて、呼吸する方法がわからなくなる。
甘い、甘い、深いキス。
求めるようなそれにどうして応えれば良いのかわからない。
「ぅ……ふ、……」
翻弄され、溶かされる。
息が、苦しい。
フランコが苦しげに顔を歪めると、ノアールは彼を解放した。
力が抜けかけた彼の体を支える。
「は、ぁ……あ……」
「……すまない」
荒く息を吐くフランコにノアールは詫びた。
自分に寄りかかるフランコの前髪を軽く払う。
フランコはそんな彼を見上げつつ、微笑んだ。
「は、ぁ……だいじょう、ぶ……」
ちょっとびっくりしたけど、といって笑う彼。
それを見つめたノアールはぷいっとそっぽを向いた。
彼の反応にフランコは目を丸くする。
怒らせた?
そう思ったけれど、それより先にノアールが呟くようにいった。
「これ以上は、ダメだな……」
低い声。
その呟きに、フランコは不思議そうな声をあげる。
「何で?」
彼の問いかけに、ノアールはしばらく黙り込んでいた。
しかししばらくして溜め息を吐き出す。
そして、低く呟くような声でいった。
「手加減出来なくなる。
大事に……優しく触れられる時には、酷いことをしたくない」
普段、怒りや嫉妬でつい酷いことをしてしまう。
だからこそ、そうしないでこうして優しくしていられる時には、
暴走するようなことが起きないようにしたい。
これ以上触れようとしたらきっと、手加減なしに"意地悪"をしてしまう。
だから、これ以上のことはできない。
そういった後、ノアールはフランコを見た。
そして片眉をつり上げつつ、訊ねる。
「……してほしいか」
彼の言葉にフランコは大きく目を見開いた。
驚きと意味を理解して羞恥で頬を赤く染める。
「ふぇ?!え、あ、そんなことは、ない、けど……」
吃りつつそう答える彼を見て、ノアールはふっと笑った。
そして呟くようにいう。
「……面白いリアクションだな」
クックッと、小さく笑う彼。
珍しい彼の笑みに、フランコは幾度かまばたきをした。
そしてその後、彼も小さく笑う。
最近、少しだが彼の表情が柔らかくなった気がする。
それにさっきみたいな冗談のようなこともいう。
それが少しでも彼に近づけた証であったら良いな。
そう思いながら、フランコは一度そっとノアールに身を委ねたのだった。
―― 小さな変化と ――
(理性が働く間はお前を傷つけないように大切にしたい
愛しいと思う、大切に思う相手だから…)
(本当はお前が優しいことを知っとるよ。
俺も彼のことが大好きで、優しくしてくれる彼に愛しさをおぼえるんや)