科学者道化師コラボでのお話です。
自分が学祭で狼仮装をするのでそれからふと思い付いたお話を…←おい
*attention*
科学者道化師コラボのお話です
ほのぼのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
狼?に関するお話です(笑)
ムッソリーニさんにこういうこというカルセを書きたくて…
いちいち発言があれなカルセに焦らされるムッソリーニさんかわいいと思うのです(^q^)
色々謎なノリですみません←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
バスルームに響くシャワーの音。
シャワーを浴びているのは長い淡水色の髪の男性……カルセ。
彼はコックを捻って湯を止めると、ふぅっと息を吐き出した。
眼鏡をはずしているのとバスルームの湯気とで視界が悪い。
彼は目に入りかけた湯を軽く拭ってから、バスルームを出た。
いつもならば自分の部屋に人の気配はない。
少し大きめのマンションの一室で独り暮らしをしている彼。
それを寂しく感じる時も多いのだけれど、最近ではそんなことも減ってきた。
というのも……
今日のように、恋人が遊びに来ることが多くなったから。
……もっとも、彼が自発的に遊びに来ることは少なくて、
カルセが遊びに来るよういうことが多いのだけれど。
「もう少し頼ってくれると嬉しいんですけどねぇ……」
カルセは小さく呟く。
ムッソリーニが自分から此処に……カルセの部屋に遊びに来ないのは、
遊びに来るのが面倒だとか嫌だとかな訳ではない。
彼は、気にしているのだ。
自分が遊びに来ることでカルセの邪魔になりはしないかと。
それを気にするあまり、遊びに来ることを躊躇ってしまうらしい。
カルセからしてみれば彼……ムッソリーニが遊びに来てくれるのは嬉しいこと。
学校にいる間は基本的には別々の学校にいるし、
交流授業で姿を目にする機会があるにせよ、その時には"教師と生徒"という関係。
表だって親しくすることは、出来ない。
だからこそ、放課後が……二人が先生と生徒ではなくなる時間からが、
彼らが親しく過ごせる時間ということになるのだった。
その時間は少しでも長い方がいい。
一緒に帰るだけでは時間が足りない。
「……重症ですね、私も」
カルセはそう呟いて苦笑した。
部屋着を身に付けつつ、長い髪をタオルでぬぐい、思う。
こんな、年下の子供に恋をするとは思っていなかった。
予想外な出来事は今までの人生で幾度も起きているけれど、
こんなにも予想外なことは初めてな気がする。
ここまで溺れるなんてね、とカルセは呟いた。
傍から見ればそうは見えないのかもしれないけれど、
大概自分は彼に依存しているし、彼に求められたいと思っている。
とりあえず、先に風呂に入って上がっている彼が退屈しないようにあがらなくては。
そう思いながらカルセはバスルームを出た。
と、その時。
「がおー!」
そんな間の抜けた叫び声と同時に、何か……基ムッソリーニが飛び出してきた。
カルセはまばたきをしてそれを見つめる。
飛び出してきたムッソリーニの頭には、手作りっぽい獣の耳がとりつけられていた。
カチューシャか何か、だろうか。
銀色のそれはどうやら、狼らしい。
「……それは?」
「カルセさんリアクション薄いー……」
ムッソリーニはがっくりと肩を落とす。
カルセはそんな彼を見て小さく笑いつつ、いった。
「すみません、ビックリしたあまりに冷静になりました」
「それ、結構ダメージおおきいんだけどなぁ……」
ビックリしてほしかった、と少し拗ねたようにいうムッソリーニ。
カルセはそんな彼の頭を撫でつつ小さく首をかしげた。
「でも、どうしてそんなものを?」
「学校の行事。ハロウィンので、俺狼男なんだよ」
そういいながらムッソリーニはつけていたカチューシャを外す。
それは手芸部の女子が作ってくれたとかで、
カルセはそれを眺めながらなかなか良くできてますねぇ、などといっていた。
そしてそれをおいたカルセはまじまじとムッソリーニを見つめる。
そしてふっと笑うと、いった。
「でも、貴方に狼は似合いませんね」
彼の言葉にムッソリーニは大きく目を見開く。
そして少し慌てたような声でいった。
「え!?何で!?変?」
「いえ、変ということはないですけど……」
カルセはそういいながら藍色の瞳を細めた。
そのままそっと、ムッソリーニの頬に触れる。
そして優しく彼の頬を撫でながら、いった。
「貴方に狼は不似合いですよ。優しすぎる」
「え……?」
彼の言葉にムッソリーニは青い瞳を瞬かせた。
それを見つめながら、カルセは言葉を続ける。
「赤ずきんちゃんを見つけても道草食ってちゃダメだよ何ていいそうですし、
七匹の子やぎの家に入り込んだとしても、
全然見つけられないフリして帰りそうですもの、ムッソリーニは」
「……それ、どういう意味?」
今一つ例えがわからなくてムッソリーニは眉を寄せる。
カルセはふわりと笑って、彼に軽く食う値付けた。
「酷いことが出来そうにないムッソリーニは狼にはなれそうにない、という話」
わかります?と首をかしげるカルセ。
ムッソリーニは何度かまばたきをした後、溜め息を吐き出した。
「まぁ、否定は……出来ないかな」
だってかわいそうだし、と彼は呟く。
カルセの言葉は否定出来ない。
狼らしい振る舞いなんて、できそうになかった。
カルセはそんな彼の言葉に目を細める。
そしてそっと彼の髪を撫でながら、いった。
「ふふ、それに……狼の役は私で良いでしょう?」
「え?」
またもきょとんとするムッソリーニ。
しかし一瞬瞳が揺れたから、恐らく心の奥ではその言葉の意味を理解しているのだろう。
カルセはそう思いつつ笑みを濃くすると、彼の体を近くのソファに押し倒した。
驚きで目を見開く彼を藍色の瞳で見下ろしながら、カルセはいった。
「貴方を食らう狼は、私でいいでしょう、ということですよ」
低く、甘い声。
それは獣の唸りにも聞こえて、ムッソリーニはびくりと体をこわばらせる。
大人びたカルセの低い声。
それは、ある意味で心臓に悪い。
あちこちに視線を逃がしながら、ムッソリーニは吃り吃りいった。
「っちょ、カルセさ……っ」
明日は学校があって、体育もあるから、そういうことは……と必死にいう彼。
それを見つめ、カルセはくすくすと笑った。
「ふふふ、貴方はからかうと本当に面白い」
そういいながらカルセは一度軽いキスをムッソリーニの額に落として、離れた。
ほっとしたような、少し物足りないような表情で彼は体を起こす。
「カルセさんは意地悪だ」
少し拗ねたようなムッソリーニの声。
カルセは藍色の瞳を細めつつ、いった。
「ふふっ、今に始まったことではないでしょう?」
「まぁ、そうだけどさ……」
でもなんか悔しい。
そういうムッソリーニに笑うと、カルセはもう一度彼に口付けた。
そして彼の耳元で、甘く囁く。
―― 私が狼というのは事実ですので覚悟しときなさいね?
カルセのその言葉にムッソリーニは軽く体をこわばらせる。
その様子を見て楽しそうに笑ったカルセはもう一度甘いキスを彼にしたのだった。
―― 優しい狼 ――
(きっと貴方は狼になったとしても優しすぎて向いていない
だから、私の捕食者でいれば良いのですよ?)
(そんなことを甘く笑いながら甘い声でいうものだから…
ああ、彼は本当に狩りが上手だな、なんて思ったりして)