赤髪金髪コラボ&シュタウフェンベルクご兄弟でのお話です。
昼間のアネットと大佐殿の決闘ネタの続きで…
こういうほのぼのも素敵だと思いました←
*attention*
赤髪金髪コラボ&シュタウフェンベルクご兄弟のお話です
ほのぼのな話です
fighting styleの続き的なお話です
四人で一緒に過ごすのも素敵だな、と…
見に来てくれてたライニさんにじゃれつくアネットいいなと…
そしてそれに便乗して弟さんに抱きつくベルトルトさんを書きたかった←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
熱気の立ち込める訓練所。
そこで暫し決闘を続けていたシュタウフェンベルクとアネット。
一時はシュタウフェンベルクが、一時はアネットが有利となり、
状況は二転三転したが、結局これといった一手は入らず、
そのままこれで終わりにしようか、ということになったのだった。
アネットはにぃっと笑った。
そして一度お辞儀をしつつ、彼に言う。
「ありがとうございましたっ!」
「あぁ、此方こそ」
シュタウフェンベルクはそういいながらアネットの手を握り返す。
アネットはそんな彼に嬉しそうににこにこ笑った。
そうして、二人は訓練所を出た。
エスピアーレ城を出入りすることはあまりないアネットは興味深そうに周囲を見渡す。
そして、中庭まで出てきたところで、彼はぱぁっと顔を輝かせた。
「あ、シュタウフェンベルクさん、ちょっと待ってて……!」
そういうや否や、アネットは駆け出す。
シュタウフェンベルクは驚いたように目を見開いて、
彼が走っていく先を見つめ……納得したように頷いた。
一方駆け出していったアネットは、そこにいた金髪の少年……ハイドリヒに駆け寄る。
そしてそのままの勢いで彼に飛び付いた。
「ラインハルトー!」
「わ……っ」
ハイドリヒは急に飛び付いてきたアネットに驚いた顔をする。
なんとか彼を抱き止めれば、彼は嬉しそうに笑って、いった。
「見ててくれたんだなー!
俺、すっげぇ嬉しかった!」
見に来てくれていたというのは、先程の試合のこと。
試合中にシュタウフェンベルクに彼の武器であるマスケットを向けられたとき、
観客席からハイドリヒがそのマスケットは空であるとアネットにいったのだ。
それまで、アネットは彼が見に来てくれていることに気がつかなかった。
その声に驚くと同時、見に来てくれていることが嬉しかったのである。
アネットの言葉にハイドリヒは少し戸惑ったように視線を彷徨わせる。
そして、少しそっけなく言う。
「別に、早く仕事が片付いて、来てみたらこの騒ぎで……」
ただそれだけです、という彼の頬は少し赤い。
そんなそっけない言い方が照れ隠しであることは、アネットもよく知っている。
だからこそ、にっと笑いながら彼はいった。
「でも、来てくれたのは事実じゃん?」
「う……まぁ、そうですけど」
ハイドリヒはアネットの言葉に少し詰まりつつ、頷く。
アネットはそんな彼を一度ぎゅっと抱き締めると、彼の体を離した。
そして、ふと思い出したように言う。
「あ、そういやさ……
ラインハルトがシュタウフェンベルクさんちの向かいの屋敷かったってほんと?」
「え?」
彼の言葉にハイドリヒは少し驚いたようにまばたきをする。
どうして知っているんですか、と彼がアネットに問いかけると同時。
「私が話したんだ」
そういったのは、先程までアネットが一緒にいた黒髪の少年、シュタウフェンベルク。
問題があっただろうか、と言う彼にハイドリヒは首を振って見せる。
「いえ、まずいことはないですよ」
いずれは話すつもりでしたし事実ですし、とハイドリヒは言う。
アネットはそんな彼の言葉に嬉しそうに笑いながら、問いかけた。
「じゃあ、いつかあそこ住むのか?」
「えぇ、まぁ……」
いつかは、とハイドリヒは言う。
一応あそこを買ったと言うのは事実だ。
仕事の都合もあるし、越すのがいつになるかはわからないけれど……
ハイドリヒがそういうと、アネットは笑顔でいった。
「そっかぁ……良いとこだな!」
さっきシュタウフェンベルクさんに見せてもらったんだよといいながら、
アネットはハイドリヒにじゃれついている。
と、シュタウフェンベルクが何かに気がついた顔をした。
こちらに歩いてくるのはシュタウフェンベルクによく似た黒髪の彼。
「あ、兄さん」
そう。
歩み寄ってきたシュタウフェンベルク……基クラウスの兄、ベルトルト。
彼も用事を終えて帰ってきたらしい。
彼はにこりと笑って、弟にいった。
「クラウス、決闘は終わったみたいだね」
そういって微笑むベルトルトに、クラウスは頷いて見せる。
そして、小さく首をかしげながらいった。
「兄さんも、知ってたのか」
「騒ぎになってたからね。なかなか良い試合だったって……」
そういいながら笑うベルトルト。
それを聞いてアネットは照れ臭そうに頭を掻きながら言う。
「へへー、それほどでも」
「貴方がとは言っていないでしょう」
ハイドリヒがすかさずアネットに突っ込みをいれる。
アネットはむくれたような顔をした。
ベルトルトはそんな二人のやり取りを見て小さく笑うと、
クラウス含め三人の方を見て、いった。
「折角だから、散歩してかない?
天気も良いし、ほどよく日も落ちてきたし」
どうかな、と言うベルトルト。
クラウスはそれも良いなと言うように頷いてからアネットとハイドリヒの方を見る。
アネットは嬉しそうに笑いながら、ぎゅっとハイドリヒの腕を掴んで、いった。
「あ、賛成っす!いくよな、ラインハルト!」
目をきらきらさせていうアネット。
ハイドリヒはそんな彼を見て、溜め息混じりに言った。
「貴方がいくと言うなら……お二人に迷惑は掛けられませんしね」
クラウスとベルトルトにと言う意味だろう。
アネットは不服そうにむくれた。
ベルトルトとクラウスはそんな二人を見て苦笑すると、
じゃあ決まりだね、と言うようにだしたのだった。
***
そうして四人はシュタウフェンベルク邸およびハイドリヒが買った屋敷の傍に帰った。
そのまま夕暮れの湖の周りを一緒に歩いていく。
日が落ちて少し涼しくなってきた周囲。
吹き抜ける風も心地よい。
木々がざわざわと鳴り、虫の鳴き声が聞こえる。
アネットはそこを恋人と、友人たちと歩きながら、
嬉しそうに笑って、いった。
「昼にもシュタウフェンベルクさんに連れてきてもらったけど……良いとこだなぁ」
「空気も良いですしね」
ハイドリヒもそういって、頷く。
風に揺られて流れた髪をそっとかき揚げる彼は、絵になる。
そういえば、とベルトルトは小さく呟いた。
「そこのお屋敷買ったんだっけ?ご近所さんになるわけか」
ベルトルトはそういった。
ハイドリヒは彼の言葉にこくこくと頷く。
「そういうことですね」
そのうちですけれど、とハイドリヒは言う。
アネットはそんな彼に抱きつきながら、明るい声でいった。
「また俺もここ来たいー!」
すげぇいい場所!と嬉しそうに笑うアネット。
また来たいと言う彼に、ハイドリヒは溜め息混じりに言う。
「そんなにカルフィナに来る用事もないでしょうに……」
「なくても来る!……ダメ?」
少ししょぼんとした様子で言うアネット。
叱られた子犬のような顔をしている彼にハイドリヒは慌てたような顔をした。
「ダメでは、ないですけど……」
そういう彼。
それはすでに困った顔をしている。
その姿を見て、ベルトルトはくすくすと笑う。
「はは……振り回されてるねぇ……」
「珍しいものだがな」
シュタウフェンベルクは苦笑しながらそういった。
金髪の野獣とも呼ばれる彼が、一人の少年に振り回されている。
その様は珍しく、なかなか面白いものがある。
「こういう穏やかな夕方ってのもいいねぇ……」
ベルトルトはそういいながら、アネットがハイドリヒにしているようにクラウスに抱きつく。
そんな兄の行動にクラウスは驚いて声をあげる。
「に、兄さん!」
「ふふ、良いじゃない、久しぶりの対面なんだから」
そういって笑うベルトルト。
クラウスは顔を真っ赤にしている。
アネットとハイドリヒもじゃれたままだ。
そんな穏やかな夕方……――
暫し四人は、湖の周りの散歩を続けていたのだった。
―― Twilight ――
(大好きな恋人と、大切な友人と
素敵な場所を一緒に散歩する楽しさ)
(こんな場所で大好きな弟と一緒に過ごす。
そんな穏やかな夕暮れも良いかなって思うんだ)