科学者道化師コラボで深夜テンションチックなお話です。
ネクタイや布での目隠しもいいけど…と言う話をしておりまして←おい
そして個人的にムッソリーニさんに最後の発言をさせたかったのでした(笑)
*attention*
科学者道化師コラボのお話です(BL注意です)
深夜テンションなお話です
雰囲気的には切ない&甘い感じで…
カルは元々国を離れることも多い人なので…
寂しがるムッソリーニさんにこうして触れるカルセ 手での目隠し萌えますよね…←おい
カルは昔カルフィナにいったことがある子なので…
ムッソリーニさんは無意識にこういう甘い可愛い発言をしてくれたら良いなと←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当に済みませんでした…!
以上がOKと言うかたは追記からどうぞ!
静かな静かな、月の夜。
いつも通りの、騎士の棟の一室……ムッソリーニの、部屋。
そこに訪ねてきているのは、彼の恋人である淡水色の髪の男性……カルセ。
彼が此処に来ることは、決して珍しくない。
しかし……今日はいつものような、甘い雰囲気ではなかった。
それは、この部屋に来たカルセがいった、言葉。
「え?国外、に……?」
ムッソリーニは彼の言葉を繰り返す。
彼の顔に浮かぶのは、信じられないと言うような表情。
それだけ、カルセに告げられた言葉は彼にとって衝撃的なものだったのだ。
嘘でしょう、といいたげなムッソリーニを、カルセは見つめた。
そして、小さく息を吐き出しながら言う。
「えぇ。暫くこの国を離れますよ。
少し長く、国を離れることになったのですよ」
仕事でね、とカルセは言う。
ムッソリーニはそれを聞いて、大きく目を見開いた。
そしてすっと目を伏せると、小さく呟くような声で言った。
「そう、なんだ……」
「明日の朝早くに発つので、夜のうちに、と思いましてね」
カルセはそういいながら優しくムッソリーニの頭を撫でた。
大切な人。
彼と親しくなってからは極力この国を離れないようにしていた。
いつでもムッソリーニ会えるように。
しかし、彼も完全に自由に過ごしている訳ではない。
国からの調査命令が出れば出掛けなければならない。
今回がそのケースのようだった。
カルセは優しくムッソリーニの頭を撫でながら、微笑む。
そしてそっと首をかしげながら、彼に問いかけた。
「寂しいですか?」
「うん……」
彼の問いかけにムッソリーニはこくり、と頷く。
彼に迷惑をかけるかもと強がることさえ、できなかった。
此処最近、いつもカルセは此処にいてくれた。
ムッソリーニが自国に帰っている時は流石に一緒にいられなかったけれど、
それ以外の時には大体いつでも一緒に居てくれた。
夜にはこうして部屋に来てくれたり、ムッソリーニが彼の部屋に行ったりもした。
そうしていつでも会える状況だったから……
彼が国から離れる、簡単に会えなくなる、その状況は寂しいと……
強く、強く感じたのだ。
「どれ、くらいの間……?」
ムッソリーニはカルセにそう問いかける。
いったいどれくらいの間離れるのか、と。
カルセは先程"しばらくの間"といった。
"少し長く"ともいった。
それはいったい、どれくらいの期間だろう?
そんなムッソリーニの問いかけにカルセは少し眉を下げた。
そしてゆっくりと首を振る。
「わからないのですよねぇ……
調査研究が済み次第、としか。
その滞在先での薬剤や薬草の調査の依頼なのですよ」
それが終わり次第帰れるのです、とカルセは言う。
ムッソリーニはそれを聞いて"そっか"と呟いた。
それは確かに、明確にいつとはわからないだろう。
その言葉に、ムッソリーニの表情がさらに翳る。
カルセはそんな彼をみて目を細めると、そっと彼の唇を塞いだ。
一瞬の、軽いキス。
その後に、ムッソリーニの耳元に囁きかける。
「なるべく早く、帰ってきますから……
そんな顔を、しないでくださいな?」
「うん……」
頷くムッソリーニだが、彼の表情は晴れない。
いつものように、キスをされたことで照れたような顔をすることもない。
カルセはそれを見て眉を下げた。
そして、そっと彼の体を抱き上げた。
ムッソリーニは驚いたように彼の顔を見上げる。
ふわりと微笑みかけた後……カルセは、彼の体をベッドに下ろした。
そのまま彼の体の上に、カルセは覆い被さる。
そして柔らかな声で、彼の耳元に囁いた。
「……愛してますよ、ムッソリーニ」
甘く、暖かな声。
愛しい、大好きな声。
それが耳を擽って、ムッソリーニは甘い声を漏らした。
カルセはそんな彼をみて目を細めると、そっとその耳に舌を這わせる。
びくりっとムッソリーニの体が跳ねた。
「ふ……ぁ」
「気持ち良いですか?」
相変わらず慣れない悦楽に、ムッソリーニは体を震わせる。
甘い声を堪えようと口を覆おうともしたが、カルセがそれを阻んだ。
"ちゃんと声を聞かせてくださいな?"という。
そして、そっとムッソリーニの服に手をかけて、緩めた。
ボタンを緩めたシャツの隙間から、カルセが白くしなやかな手を差し入れる。
それが緩く胸を撫でると、ムッソリーニの足が少し強張った。
「ん……ぁっ」
甘い息を漏らしながら、ムッソリーニはぎゅっと目を閉じる。
その目から涙が一筋伝って落ちた。
悦楽から流れたものか。
それとも、彼がいなくなる寂しさから流れたものか。
カルセはそれをみて小さく息を吐き出した。
そして一度、彼のシャツの中に差し入れていた手を抜く。
体を支配していた悦楽。
それを中途半端に残して離れていった、カルセの手。
それを感じて、ムッソリーニは目を開けた。
涙に潤んだ瞳で、彼を見上げる。
「え……っか、るせ、さ……っ」
そう呼び掛けると同時。
カルセが大きな掌で、そっとムッソリーニの目を覆った。
視界が、真っ暗になる。
感じるのは、カルセの掌の柔らかさと、そっと耳元にかかる彼の吐息だけ。
くすり、と笑うカルセの声が、いつもより少し大きく聞こえた気がした。
ムッソリーニがそれにびくりと体を揺らすのと同時、
カルセはそっと彼の耳元でささやいた。
「こうした方が、良く感じられるでしょう?」
見えなくても、とカルセは言う。
こうして視界を覆ってしまえば、他の感覚が鋭くなる。
聴力も、そして……触覚も。
緩く触れてくるカルセの手。
自分の目をおおっている彼の手。
その両方を感じて、ムッソリーニは甘い息を漏らす。
「は、ぁ……はぁ、あ……っ」
艶っぽく喘いで身を捩る愛しい恋人。
カルセはそれをみて藍色の瞳を細める。
自分が離れることを寂しいと言う彼。
自分に触れられて甘く喘いでいる愛しい恋人。
―― 嗚呼、離れたくない。
そう、思った。
本当は断りたかった。
でも、仕事は仕事だ……
しっかりこなさなくてはならない。
ならば。
離れている間、彼が寂しくないように。
ちゃんと自分を思い出してくれるように。
カルセはそう思いながら、片手でそっとムッソリーニの目を覆ったまま、
もう一方の手で彼の肌を撫でる。
胸を軽く弄れば、ムッソリーニの口から甘い声が漏れた。
「ひぁ……っ」
「ちゃんと、覚えてくださいな……
私が貴方にどうやって触れるのか……」
低い声でカルセはムッソリーニに囁きかける。
覚えておいて、と。
自分の手の感覚を。
自分がどうやって彼にキスをするのかを。
そういうカルセの声と柔らかな愛撫に、ムッソリーニは体を震わせる。
そして、上ずった声で彼を呼んだ。
「ぁ、……あっ、カルセさん……ッ」
「しっかり、体に教え込んであげますよ……
私が離れている間、貴方が私を忘れないように」
カルセはそういうと同時に、ムッソリーニの首筋に強く口づけた。
ぴりっとした痛み。
痕を刻まれたのだと言うことを感じた。
ぴくりと体を強張らせつつ、ムッソリーニは口を開く。
そして甘く掠れた声でいった。
「んっ、……忘れるはず、ない……」
彼の言葉に、カルセは藍色の瞳を細める。
そして、ふっと笑いながらいった。
「本当に?一年経っても、二年経っても……?」
その問いかけにムッソリーニは顔を歪める。
しゃくり上げて、微かに喉が震えた。
「っ、それ……」
「冗談ですよ。泣かないでくださいな」
目を覆っているから感じる。
じわりと彼の目から涙が滲んできたことが。
本当に愛しい人。
そういいながら、カルセは彼の首筋に、胸に、そっと触れる。
自分の手の、舌の、キスの感覚を覚えさせようとするように。
ムッソリーニはそんな彼が与える悦楽に酔って、甘い声を漏らし続けたのだった。
***
そうして散々彼に触れ、乱した後……
カルセはくったりとベッドに沈むムッソリーニの隣に寝転んでいた。
優しく彼の体を抱き寄せて、子供をあやすように背中をさすったり、
優しく彼の金髪を撫でたりしながら。
「ね……ムッソリーニ」
眠っているだろうか。
そう思いつつカルセは彼を呼んだ。
「ん……何、カルセさん……?」
少し寝ぼけたようなムッソリーニの声が返ってくる。
カルセはくすりと笑いながらいった。
「貴方はわからないかもしれませんけれど……
私、貴方のことをずっと知っていたんですよ」
「え?」
カルセの言葉にムッソリーニは少し驚いたように顔をあげてカルセを見た。
カルセは彼をみてふわりと微笑むと、小さく頷いた。
そして優しく彼の頭を撫でつつ、言う。
「私はこうして色々な国を行き来していましたから……
カルフィナにもいったことがあったんですよ。
その時にメンゲレともあったことがありましたし……
貴方のことも、見ていたんですよ」
その時は名前を知りませんでしたけれど、といってカルセは微笑んだ。
ムッソリーニは彼の言葉を聞いて幾度もまばたきをした。
「知ってた……?俺の、こと……」
「えぇ。思えば……
あのときから、貴方のことが気にかかっていたのでしょうね」
そういって、カルセは微笑んだ。
この国で、この城で、彼に再会したとき、声をかけずにはいられなかった。
それは……
きっと、はじめて彼を見かけた時から気にかかっていたのだろう。
カルセはそういう。
ムッソリーニは暫しそれを聞いてから、黙っていた。
カルセは彼が眠ってしまったと思って優しくその髪を撫でた。
「……カルセ、さん」
「おや、起きていたのですか?」
眠って良いのですよ、とカルセは言う。
彼が眠ったら、彼を起こさないように自室に帰ろうと思っていた。
明日は、朝が早い。
一緒に寝ていたら彼を起こしてしまう。
そう思っているカルセの胸に、ムッソリーニは顔を埋めた。
そして、柔らかい声で、いった。
「……ありがと。俺を、見つけてくれて」
自分を、見つけてくれた。
こうして傍にいてくれた。
何より……自分を守り、ささえ、居場所になってくれた。
唯一、弱い自分も晒せる人……
「だいすき……カルセさん」
少し寝ぼけたような、照れ臭そうな声で彼は言う。
その言葉にカルセは目を大きく見開いた。
そして、嬉しそうに微笑む。
「……此方こそ。
傍にいてくれて、ありがとうございます。
愛してますよ、ムッソリーニ」
そう囁きながら、カルセはそっとムッソリーニの体を抱き締める。
甘えるように擦り寄る彼の背を撫でながら、
愛しげに藍の瞳を細めていたのだった。
―― すべての始まりは… ――
(今思えばあのときから私は貴方に惹かれていたのでしょう
いつでも笑顔で、でもその笑顔の何処かに寂しさや悲しさを隠していた貴方に)
(俺に触れる掌も、優しいキスも、少し低くて優しい声もだいすきで…
ありがとう。俺のことを見つけてくれて…)