空軍お二人&スコルツェニーさん&レーシーのお話です。
先程の話の続き的なノリで…
低身長なレーシーと高身長なスコルツェニーさんなのでこの話をやりたかったのです(笑)
*attention*
空軍お二人&スコルツェニーさん&レーシーのお話です
ほのぼのなお話です
「New friend and…」の続き的なお話です
戦闘得意な方々と一切戦えないレーシーなので…
お三方に追いつきたいと思ってそうなレーシーです
白衣トークがやりたかった&身長ネタをやりたくて…
からかうと面白いおちびレーシーです(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
ちょうど昼時。
少し賑やかその部屋。
昼食をとりに来た騎士たちでにぎわう食堂……――
そこに行きついたルーデルとスコルツェニーは一緒についてきた小さな金髪の少年、
レーシーはきょろきょろと周囲を見渡した。
一緒に来たはずの黒髪の青年……ガーデルマンの姿がない。
何処に行っちゃったんだろう、という顔をしている彼に気が付いたルーデルは
にっと笑って、彼に言った。
「ガーデルマンならすぐ来るぞ!
多分、着替えにいってるだけだ!」
そんな彼の言葉を聞いて、レーシーはきょとんとした顔をして首を傾げる。
いつの間に居なくなっていたのか、一切気が付かなかった。
着替えにいった、というが……
ルーデルはそのままだ。
彼もいつのまにか着替えに行ったのだろうか?
「?そうなのですか?」
きょとんとして首を傾げるレーシーを見て、スコルツェニーは少し考え込むような顔をした後、
"どっちかっつーと……"といった。
「着替えっつーか、"普段着"取りにいっただけだな。
さて、と……先に飲み物だけでも用意しとくか」
そういいつつ立ち上がるスコルツェニー。
食事をとるのもだがとりあえず任務を終えて帰ってきたルーデルたちは喉も乾いているだろう。
ルーデルは"俺、牛乳な!"と笑いながら言う。
スコルツェニーは"はいはい"といって、歩き出した。
「あ、待ってくださいなのですスコルツェニーさん!」
レーシーは手伝うのですよ!といって彼を追いかけた。
初めの頃こそスコルツェニーに少し怯えていた様子の彼だが、今ではすっかり彼に懐いている。
自分とは対照的なまでに勇ましい彼に強いあこがれを抱いているが故だろう。
スコルツェニーもまた、何だか幼さの残るレーシーのことを放っておけなくて、
こうして顔を合わせると何だかんだ面倒を見てやっているのだった。
そうして二人はドリンクを置いてある場所に行く。
そしてレーシーは彼が用意した飲み物の入ったカップをトレーの上に載せて持った。
小柄な彼が全て持っている状況。
それを見て、スコルツェニーは苦笑する。
「大丈夫かレーシー。俺が持つから良いぞ」
スコルツェニーは"俺がやるから良いよ"というが、レーシーはゆっくりと首を振る。
そしてしっかりとトレーをもって歩き出す。
たまには自分だって手伝いたい、そう思う。
元々まだメイアンの下で修行中の身である彼。
立場が上、基尊敬する人間の手伝いはとことんこなそうという気質なのだ。
とはいえ……
四つも飲み物が入ったコップの乗ったトレーは、
小柄なレーシーにはバランスをとるのが難しそうで。
「平気なのです……わっ!」
また白衣の裾に躓くレーシー。
言わんこっちゃないというようにスコルツェニーは彼を支える。
何とかカップ類も落とさずに済んだ。
ふぅ、と息を吐き出して、レーシーは済まなそうな顔をする。
「あぅ、ごめんなさいですスコルツェニーさん……」
「良いってことよ……ほら、行くぞ。
レーシーは自分のジュースもってこい」
そういってスコルツェニーはレーシーのカップだけを彼に渡す。
そして彼を連れてルーデルがいるテーブルに戻った。
するとそこにはガーデルマンも戻ってきていた。
そんな彼の姿を見て、レーシーは少し驚いたように瞬きをする。
「あれぇ、ガーデルマンさん……白衣、なのですか?」
そう。
戻ってきていたガーデルマンは白衣を身に着けていた。
さっきルーデルやスコルツェニーが言っていた"普段着"とはこれのことか、とレーシーは思う。
彼の問いかけにガーデルマンは少し表情を緩め、頷いた。
「そうですよ。僕はこれでも軍医なんです」
「えぇえ?!そう、なのですか……
軍医さんなのに、ああして竜に乗って戦うのですか?」
レーシーからしてみれば信じられない。
確かに、戦うことが出来る医者はいると思うが……
あんな風に危険な生物に乗って戦う軍医など、聞いたことはない。
そんなレーシーのリアクションにスコルツェニーはくくっと笑う。
「最もな意見だよなぁ」
「本当にそうですよね……」
小さく溜め息を吐き出したガーデルマンは軽く髪を掻き揚げて、レーシーに言った。
「一応、ルーデル大佐と一緒に竜に乗って戦うのは僕の仕事ですよ。
無論医療行為も行いますが……」
戦うのも仕事の内ですね、とガーデルマンは言う。
そしてふっと息を吐き出しつつ、小さく呟くように付け足した。
「もう少しルーデル大佐がおとなしくしてくださればそれが何よりなのですけれどね……」
そういいつつガーデルマンは横目でルーデルを見る。
ルーデルはにこにこと笑いながら"ガーデルマンはすごいんだぞ!"などといっている。
信頼し合う相棒同士ではあるのだけれど、ルーデルの無茶苦茶な戦い方には適わない。
そのためにルーデルおよびガーデルマンが怪我をしたのは一度や二度ではない。
しかしガーデルマンの言葉を聞いて、レーシーはきらきらと目を輝かせている。
そしてふぅっと息を吐き出すと、彼らに言った。
「そうなのですかぁ……すごい、のです……
僕も少しくらい戦えるようになりたいのですよ……」
レーシーも一応、最小限の護身術程度は出来る。
しかし、それ以上の戦いは一切出来ないのが彼だ。
竜に乗って戦うなんて以ての外。
だからこそ、その戦いのスタイルがどうあれ、かっこよい、と憧れるのだ。
ルーデルはスコルツェニーが持ってきた牛乳の入ったグラスを傾けつつ、レーシーに言った。
「そんなに戦えねぇのかぁ……
ちょっとくらい戦えた方が仕事はやりやすいとは思うけどなー」
完全な戦闘気質であるルーデルはそういう。
レーシーは彼の言葉を聞いて苦笑しつつ頷いた。
そして小さく肩を竦めつつ、言った。
「そうなのですよねぇ……
でも、どれだけやっても戦えないのですよ。
訓練くらいは受けたのですけれど……
僕には元々戦闘のセンスがないようなのですよ」
一応警察という組織に入るに当たって、訓練は受けた。
剣術にせよ、拳銃の扱いにせよ……
しかし、レーシーは正直あまりうまい戦い方は出来ず、
最初は採用さえされなかったかもしれないという状況だった。
彼が採用された理由は、彼が持つ魔力の感受性。
ある程度離れていても魔獣および仲間の魔力を感じ取ることが出来るのだ。
それは犯罪者の遺して行った微かな魔力を感じ取るのにも役に立つため、
少々運動能力が低く、戦闘が苦手でも良いかということで採用されたのだった。
「センスねぇ……
まあ、頑張ればちょっとは戦えるようになるんじゃねぇ?」
スコルツェニーはレーシーを見てそういうと、わしゃっと一度彼の頭を撫でた。
「ま、それ以前に背を伸ばすのが先決かもしれないけどな」
彼の言葉を聞いてレーシーは一瞬ぴしりと固まった。
そしてむぅうっとむくれつつ、彼に言う。
「!!き、気にしてる事言ったら嫌なのですっ!
背なんてどうやったら伸びるんですか」
そういいながら恨めしげにスコルツェニーを見るレーシー。
彼はかなり背が高い。
背が低いレーシーからしたら羨ましいほどに。
もう、といいつつ拗ねたようにジュースの入ったグラスを傾ける彼。
それを見てルーデルは豪快に笑って、"牛乳飲め牛乳!"という。
レーシーはそうしますぅ、といいながらジュースを飲む。
「それでもとりあえずはジュースなんですね」
ガーデルマンの言葉にレーシーはまた動きを止める。
そしてぽつりと小さく呟くように言った。
「……牛乳苦手なのです」
「はははっ!そりゃ背も伸びねぇよ」
可笑しそうに笑うスコルツェニー。
そんな彼を見て暫しむくれていたレーシーもすぐに照れ臭そうに笑ったのだった。
―― 隣に並んで… ――
(いつか追いついて、隣に並んで歩いてみたい。
まだまだ貴方たちの背中は遠そうなのです…)
(精一杯大人ぶって見せるまだ幼い少年。
からかってみると面白いんだよな)
2014-6-28 14:54