空軍お二人(ルーデルさん&ガーデルマンさん)とスコルツェニーさん、
ちらっとワルキューレコンビ&レーシーでのお話です。
よくよく考えたらこのメンバー全員一気に絡めるな、と思いまして…
カオスな事になってすみません←
*attention*
わちゃわちゃっと大人数での話です
ほのぼの?ときどきちらっとシリアス?なお話です
空軍お二人とスコルツェニーさんは仲が宜しいのでレーシーも絡ませていただきたいなと…
基本竜に乗ってるお二人見たらレーシーはびっくりすると思います(笑)
そしてワルキューレコンビのことが嫌いなルーデルさんを見てキョトンとしてそうなレーシー
対立関係とかはよく理解出来てなさそうな彼です←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
穏やかな日差しが降り注ぐ、夏の日。
気持ち良い風の吹き抜ける中庭に金髪の少年、レーシーはいた。
白衣がふわふわと風に揺れる。
彼は銀色の瞳を細めながら、呟くように言った。
「いいお天気なのです……気持ち良いなのですよ……」
たまには外に出るのも良いものなのです、と彼は呟く。
研究系の部署についている彼はあまり外に出る機会がない。
下手をしたら丸一日執務室にこもりっぱなしなんてことも容易にある。
上官であるメイアンの付き添いで外に出て行くこともあるが、
警察組織の一部である彼らはあまり長く留守にするわけにはいかないのだ。
だから、こうしてゆっくり外で過ごすというのもたまには良いな、と思う。
と、その時。
中庭の方へ歩いてくる影を見つけた。
小柄なレーシーよりずっと大きい影。
勇ましい風貌の彼……
それを見てレーシーは嬉しそうに顔を綻ばせた。
そして彼が近くまで来ると大きな声で彼を呼んだ。
「スコルツェニーさんなのです!こんにちはなのですー!」
ぶんぶんと大きく手を振ると、相手……スコルツェニーもそれに気が付いた。
そして手を振り返しつつレーシーの傍に歩んでくる。
「おぉ、レーシー!また仕事か?」
イリュジア王国警察所属の彼は滅多に城には訪ねてこない。
こうして来ているときには、大抵仕事。
この城、ディアロ城の医療部隊長であるジェイドと、
レーシーの上司であるメイアンは昔馴染らしく、
彼からの手紙や研究資料などを届けに来るのだ。
スコルツェニーの言葉にレーシーは頷きつつ、笑った。
「そうなのですー、今日は迷わないで来られたですよ!」
この間此処に来た時、彼は迷子になった。
その末に魔獣に襲われ、そこをスコルツェニーに助けてもらったのだった。
それだけ強いスコルツェニー。
戦闘が大の苦手であるレーシーにとって彼は憧れの存在であった。
スコルツェニーはレーシーの言葉を聞いておかしそうに笑った。
迷わずにここまで来られたというだけで誇らしげな彼が、
何だか少し微笑ましかったのだった。
「はは、そりゃ良かった……もう仕事は終わったのか?
また医療部隊長に届け物か?」
スコルツェニーが頷くと、こっくりと頷いた。
そして、青色の空を見上げながら言った。
「えぇ、そうなのです。
もう書類は届けてきたのですよ。
でも、すごく良い天気で気持ち良かったので休憩を」
折角なので少しゆっくりしたくて、というレーシー。
その言葉にスコルツェニーも同意した。
「おぉそうか。確かに今日は良い天気だよな……」
今日は彼も任務がなく、ゆっくり休憩していた。
そのまま中庭にでて少し休憩してみようと思ったのである。
ちょうど自分の友人たちは任務中らしく留守。
退屈だったし誰かが居たら良いと思ったのだけれど……――
レーシーは彼の言葉を聞いて楽しそうに笑った。
そして、そのまま銀の瞳を細めて、青色の空を見上げる。
「中庭でのんびりするの気持ち良……ん?」
その銀の瞳が何かを捉えた。
何か、というのも……小さな、点。
それが近づいてくる……
じっと見つめていたレーシーはそれが何であるのかに気が付くと、その瞳を大きく見開いた。
「え……な、な、あれ……っ」
驚愕したように一歩後ずさり、空に浮かんだひとつの点を指さすレーシー。
ぱくぱくと小さな口が動く。
スコルツェニーはそんな彼を見てきょとんとした顔をした。
そのままレーシーが見ている方へ視線を向ける。
「あれ?……あぁ」
その点をスコルツェニーも捉えた後、何やら納得したような声を上げた。
それを見てレーシーは余計に驚いたような顔をする。
そして暫し言葉を失っていたが、やがてはっと我にかえると、
スコルツェニーに向かって叫んだ。
「あ、あぁ、じゃありませんよ!
あれ、竜なのですよ!
何でこんなところに竜が居るのですか、それに……コッチ来てるですよ……っ!!」
―― そう。
レーシーが捉えた点というのは、竜の姿。
大きな、大きな竜が、二人の方へ向かって飛んできている。
竜といえば魔獣の中でも最大、かつ最強の種族。
気質も荒く、人間が襲われた、或いは村が襲われた壊滅させられたという話は数多い。
レーシーが焦るのも無理はない。
彼が幾ら焦っても接近してくる竜は止まる様子を見せない。
レーシーはその姿を見て慌てふためく。
「わわわっ!」
逃げようとした彼は自分の白衣に躓いて、転んだ。
スコルツェニーはそんな彼を見て小さく笑って、彼を助け起こした。
「おいおい落ち着けレーシー、大丈夫だからよ」
問題ない、という彼。
しかしレーシーにはその言葉の意味が理解出来ない。
驚愕の表情を浮かべたままに、彼は言った。
「な、何が大丈夫なのですか!?」
「あれ、俺の仲間だからな」
そういいながらスコルツェニーは近づいてくる竜を指さしながらそういう。
レーシーはそんな言葉に一瞬固まった。
その後、再び竜に視線を戻す。
そして、小さく呟く様な声で言った。
「え?へ?り、竜がお仲間、なのですか?」
そんな、まさか。
レーシーはそう思う。
スコルツェニーは彼の言葉を聞いてくくっと笑った。
前々から彼のリアクションは面白いと思っていたけれど……
そう思いつつ、スコルツェニーはレーシーの肩に手を置く。
「違う違う、ほら、降りてきた」
ちょうど、竜が中庭の地面に着陸した。
そして、その背中から何かが降りてくる。
何か、基……誰かが。
それを見てレーシーは思わず怯えた顔をする。
「ひ……っ」
竜から降りてきた誰か……きらきら光る金髪の少年と、黒髪の少年。
スコルツェニーの頬にも傷があるが、黒髪の少年の頬にも十字架の傷がある。
いったいこの人たちは何者?
そう思って、レーシーは固まる。
金髪の少年は笑顔を浮かべて、スコルツェニーに手を振った。
「お、スコルツェニーじゃん、やっほー!」
「おぉ、ルーデル、ガーデルマン、お帰り!」
そういってスコルツェニーは彼ら、ルーデルとガーデルマンに笑いかける。
ガーデルマンはそんな彼に首を傾げ、訊ねた。
「今日は任務ないのですか?」
「あぁ、俺は今日は何もないぜ?」
「そうかー、暇だろうなっと……」
そういって苦笑したルーデルはふとあるものに気が付いた。
スコルツェニーより少し後ろに下がっている、小さな少年。
見たことのない制服を身に着け、上から白衣を着ている。
一瞬草鹿の騎士かと思ったのだが、どうやら違うようだ。
ルーデルを見て、彼は完全に固まっている。
「え、あ、あ……」
「?どうしたんだこの子?めっちゃ固まってるけど」
大丈夫?と彼……レーシーの顔を覗き込むルーデル。
それを見てはっとしたレーシーは慌てて頭を下げた。
「!あ、あの、すみません申し遅れました、僕はレーシー・カレントと申しますっ!
イリュジア王国警察魔術捜査局員でっ」
「そんなに緊張する事ありませんよ」
何処かおかしそうに苦笑しつつ、ガーデルマンは言う。
それでもなおカチコチなレーシーを見て笑いつつ、スコルツェニーは言った。
「竜何かに乗ってる人間だからビビってんだよ」
「あー、なるほどな!」
そういうことか、とルーデルは笑う。
その明るい笑みを見て、少しはレーシーの緊張も解けた様子。
スコルツェニーは竜から降りてきた二人を示しつつ、言った。
「此奴らはルーデルとガーデルマン。
さっき言っただろ?俺の仲間だ」
だから怖くねぇよ、とスコルツェニーは言う。
レーシーはそんな紹介に二人を改めてみた。
確かに怖がる対象には到底見えない。
少しほっとした顔をした後、レーシーは彼らが乗っていた動物基流の方を見た。
そして怖々訊ねる。
「た、食べられちゃったり、しないですか?噛みついたりとか……」
そんな彼の言葉を聞いてルーデルは明るく笑いつつ、言った。
「ないない、少なくとも俺たちがいつも使う此奴らは噛みついたりしないよ」
「僕たちカルフィナの騎士の中にはこうして竜に乗る者がいるんですよ。
戦闘および移動手段なんです」
だから大丈夫ですよ、とガーデルマンも笑う。
レーシーはそんな彼らの言葉を聞いてまじまじと竜を見つめた。
確かに襲ってくる様子はおろか、威嚇さえしない。
「ほぇえ……すごいのです……
これだけ人間のいう事聞く魔獣は初めて見たのです……」
凄いですねぇ、といって目を細めるレーシー。
と、彼はその生き物越しに向こう側に居る人間の姿を見つけた。
背の高い黒髪の少年と、その横を歩く小柄で童顔な金髪の少年……
その制服は、スコルツェニーのそれと似ているように見えた。
ぱちぱち、と瞬きをしながらスコルツェニーの方を見て、彼は問いかけた。
「あの方々もスコルツェニーさんやルーデルさんたちのお仲間なのですか?」
「あの方々?」
誰のことだ?と思いつつ三人はそちらへ視線を向けた。
そしてそれが誰であるかを認識するとルーデルが露骨に顔を顰める。
彼ら、基レーシーが見ていたのは、陸軍所属であるシュタウフェンベルクとヘフテン。
遠ざかる彼らから視線を外すと、ルーデルは険しい声で言った。
「彼奴らは俺たちの仲間なんかじゃねぇよ!」
「え?あれ、そうなのですか?」
「そうだよ!どっちかっていうと敵だ敵!」
大っ嫌いだ、と呟くように言うルーデル。
それを見てレーシーはきょとんとした顔をする。
何か、自分はまずいことを言ってしまっただろうか?
少しおろおろするレーシーを見てスコルツェニーがよしよしと宥める。
「まぁ、いつものことだしお前の所為じゃあないから気にするな」
「え、あ、はい、なのです……
でも何か、ごめんなさいなのです……」
そういいつつレーシーは再び視線を遠ざかっていくシュタウフェンベルクとヘフテンの方へ向けた。
流石にこの位置からでは会話は聞こえないが、何やら楽しそうな様子。
ぴりぴりした雰囲気もないし、何より怖い様子もない。
制服だって何処か似ているように見えるのだけれど……
「難しい、のです……」
ヒトの関係というのは見えにくいものなのです、と小さく呟くレーシー。
まだまだ子供である彼には、
それを聞いてスコルツェニーは苦笑しつつわしゃわしゃと彼の頭を撫でてやった。
「ルーデル、ガーデルマン、お前らも任務終わったんだろ?
だったら一緒に昼飯にしようぜ!
レーシーも一緒に、な?」
良いだろ?というスコルツェニー。
少しだけ仏頂面していたルーデルも"あぁ、そうだな"という。
ガーデルマンも小さく微笑んで頷く。
少し驚いたように"僕も良いのですか!?"と問いかけるレーシーに頷いてやりつつ、
一緒に歩いていったのだった。
―― New Friend and… ――
(人は見かけによらないという言葉を理解して気がするのです。
人の関係性というのも目に見えないわけで…難しいのです)
(誰がどんな印象を持っていようが関係ない。
俺はあいつらが大っ嫌いなんだ!)
2014-6-28 11:25