無彩色極彩色コラボのお話です。
ブランとフランコさんを絡ませていただきたかったなぁ、
と思ったのですがなかなかに難しいので…
こういうネタになってしまいましたすみません…←おい
*attention*
無彩色極彩色コラボのお話です。
最初はフランコさんとフォルの絡みです。
たぶんちょっとした嫉妬ネタなお話です。
ノアのことを慕ってたブランに関するお話です
悪戯な堕天使が要らない揺さぶりかけてすみませんフランコさん…←
ノアも大概嫉妬深いタチなのでこういうリアクションをするかな、と(おい)
お互いにお互いを気にかけているペアだといいなと言う妄想…←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
よく晴れた青い空。
少し傾き始めた太陽。
窓からそれを見上げて、赤髪の青年は小さく溜め息を吐き出した。
「ノアール、遅いなぁ……」
彼……フランコは小さく息を吐き出した。
黒髪の彼……ノアールが、いつもなら自分の部屋に訪ねてきてくれている時間だ。
しかし、今日はまだ来ていないのだ。
窓の外をみたり、部屋の中の気配や魔力の動きを探ったりしていたのだが、
一向に馴れた彼の気配は感じない。
フランコがふぅ、と溜め息を吐き出した……
そのとき。
ぽんと肩を叩かれた。
驚いて振り向いてみれば、待ち人とは違う、
亜麻色の髪の青年がにこにこと笑ってたっていた。
「こんにちは、将軍様」
「!アンタ、ノアールの……」
主さんや、とフランコは呟く。
―― そう。
その亜麻色の髪の青年は、フランコが待っている黒髪の彼の主人。
何で此処に、とフランコが呟くと彼……フォルは微笑んで、いった。
「ノアールはちょっと遅くなると思うよ。ちょっと仕事が入ったみたいでね」
「用事?」
怪訝そうな顔をしてフランコは首をかしげる。
ノアールの用事……それは、なかなか頭に浮かばない。
フォルはそんな彼の表情をみて、頷く。
そして、微笑みながら、いった。
「うん。あの子ちょっとした便利屋みたいなことしてるから。
なんか、君のとこに行く前にその仕事が入ったみたい」
「そっかぁ……仕事、かぁ」
ならしゃあないな、とフランコは呟く。
早く遊びに来てほしいとは思っていたが仕事があると言うのなら、仕方がない。
フォルはやや落胆した表情のフランコをみて、言う。
「最近はあんまりやってないみたいだけどね。
元々暇な時にほんとに何でも仕事引き受けてやってたみたいだよ。
何でも、っていっても子守りとかは断ってたみたいだけど」
それ以外は何でもやってるよ、とフォルは言う。
ノアールに話を聞いているだけだからよくわからないが、
軽い護衛係のようなことをしていることが多いという。
この城の騎士たちと同じような仕事、だろうか。
フランコはそんな彼の言葉に少し意外そうな顔をして、いった。
「そうなん?子守りもやらせたら普通に出来てそうな気ぃするんやけど」
彼の言葉にフォルはくすり、と笑った。
「まぁ、あんまりしょうに合わないから断ってる、っていってただけだからね。
彼、ああ見えて面倒見は良い方だと思うよ。
ほら、僕がこういう性格だし?」
子供っぽいでしょ、僕。
フォルはそういって首をかしげる。
フランコはそれをみて、なるほどなと言うように頷いた。
「あぁ、それはなんかわかるわー」
確かに子供っぽいもんな、とフランコは言う。
フォルはそんな彼のリアクションに苦笑を洩らして、肩を竦めた。
「うーん、そこはちょっと否定してほしかった気もするけれど……まぁ、いっか」
そういいながら、フォルは窓枠に腰かける。
そして、窓の外をみながら、そっと笑みを浮かべた。
何か、面白いことを思い付いたような笑顔を……
そして、フランコの方をみて、フォルは口を開いた。
「ノアが子供の扱い上手いのは、"あの子"の所為かなぁ」
「?あの子?」
フランコはフォルの言葉に怪訝そうな顔をして首をかしげる。
フォルはそれをみるとそっと笑みを浮かべて、こっくりと頷いた。
「ノアールを凄く慕ってる子がいてね。
ブランシュ、って名前なんだ。ノアールと対になる名前……
あの子がつけたんだよ?」
「名前、を?ノアールが?」
何で?とフランコは不思議そうな顔をしている。
普通に考えて、他人の名前をつけるということは、そうそうするものではない。
しかしフォルはあっさりと頷いた。
「うん。今のノアールと同じ操り人形の子だったんだけど、ちょっと失敗作でね。
僕は要らないと思ったから破棄しようと思ってたんだけど……」
破棄、という言葉があっさりとフォルの口から出てきたことに、
フランコは少しだけ眉を寄せた。
以前、彼はノアールのことも殺そうとした。
否、そのふりをしただけなのかもしれないけれど……
事実そういうことをあっさりしてしまいそうなフォルに、
フランコが少なからず警戒心を抱いたのは事実だ。
しかしフォルはそんな彼の様子に構うことなく、話を続けた。
「でも、ノアールはそれを止めた。
使えるから自分が譲り受けてもいいか、ってね。
そのときの恩でも感じてたのか、その子……
ブランはノアールのことを本当に慕ってたよ。
ノアールのことをノア兄様って呼んでね」
フォルは何かを思い出すような顔をしている。
フランコは以前見せてもらった写真を、頭に浮かべていた。
ノアールたちより幼い黒髪黒い瞳の少年たち。
彼らの中の一人はそうしてノアールを慕っていたのか、とフランコは改めて思う。
自分も、彼のことを好いている。
少し素直じゃなくて、少し取っつきにくいけれど……
その実、案外優しい人だということを知っている。
そんな彼のことを自分よりずっと前から知っていた人がいたことが、
少し面白くないな、とフランコは思ったのだった。
そんな彼の表情を、感情を感じて、フォルはサファイアの目を細める。
「あぁ、もしかしたら、ブランと君を重ねてるんじゃない?
あの子のことは結構邪険に扱ってたけど……
君のことは溺愛してるみたいだしね。
あの子にしてあげられなかった分を君に、っておもってるんじゃないかなぁ?」
フォルの言葉にフランコは金の瞳を見開いて、彼の方を向いた。
「俺と、そいつとを……?」
「ふふ、どうかなぁ?」
僕は知らないけどねーといって、フォルは窓枠から降りる。
そして、悪戯に笑うと、フランコに向かってひとつウインクをした。
「君も、ブランに似てるから。
盲目的に彼を思うのは勝手だけど、その思いが真実かは知っといた方がいいかもよ?」
そんな風に思いを掻き乱して、堕天使は姿を消す。
静かになった部屋には、フランコだけが残された。
***
それから、少しして……
ベッドに座っていたフランコは慣れた気配を感じて振り向いた。
すると、そこには黒髪の彼……ノアールがたっていて。
どうやら仕事が終わったらしい、そう思いつつフランコはにっと笑いかける。
「あ、ノアール……お帰り」
「……どうかしたのか?」
ただいまを言うより先に、ノアールは言う。
怪訝そう……もっと言うなら、心配そうな表情を浮かべて。
フランコはそんな彼をみて、金色の目を見開く。
「へ?」
「何か、……元気が、ないようにみえて」
ぼそりとそう呟いたノアールは軽く自分の髪をかき揚げた。
フランコは暫しそんな彼をじっと見つめた。
そして、小さく息を吐き出すと、いった。
「……ノアール、ブランって子のこと覚えとる?」
「?ブラン?ブランシュのことか?」
フランコの言葉にノアールは少し面食らった顔をする。
ブランシュ、という正しい名前も先程フォルがいっていたため、
フランコはこくりと頷く。
「ん……そう」
「無論、覚えているが……何でお前がブランの話を?」
フランコとブランには共通点がないため、ノアールは困惑した顔をしている。
フランコは珍しいノアールのそういう顔を見つめて、言葉を選びつつ、言う。
「ノアールの、主さんが来てたんや。それで……ちょっと、話聞いてな」
そんなフランコの言葉を聞いて、ノアールは漆黒の瞳を見開いた。
そして、額に手を当てて、溜め息を吐き出す。
そして、くしゃりと長い前髪をかき揚げると、フランコをみて、言った。
「おおよそ、俺がブランとお前を重ねているんじゃないかとでも言われたか」
「!ノアールにはお見通しなんやな」
ははは、とフランコは苦笑する。
そう、フォルの言葉に少し傷ついていた。
不安になっていた。
自分は、いなくなった"その子"の代わりなのだろうか、と。
ノアールはそんなことを考えているフランコの頭に軽く手をおいて、
少しだけ乱暴にくしゃりと撫でた。
不器用な撫で方。
フランコは顔をあげて、ノアールをみる。
漆黒の瞳と視線がかち合う。
ノアールはフランコをまっすぐに見据えたままに、いった。
「……確かに、少し重ねはした。
でも、お前への気持ち、は……同一では、ないぞ」
「……?」
今一つピンと来ない様子のフランコをみて、ノアールは困った顔をする。
ここ最近漸く彼が見せるようになった、色々な表情。
困ったり、怒ったり、少し寂しげな顔をしていたり……
フランコはそれをみているのが好きだった。
冷たく自分を見据えるだけでない、彼の表情をみられるのが。
フランコがじっと見つめていれば、恥ずかしくなったのか、ノアールは顔を背ける。
白い頬を赤く染めたまま、ノアールはいった。
「……俺も上手くは言えん。
でも、お前に対する感情とブランに対する感情とは別物だ。
お前は、彼奴の代替品じゃない……
今まで、お前のように、その……気にかけたやつは、いない」
ノアールの不器用な、告白。
「そう、か……なら、ええんや」
「くぁあ……安心したら眠くなってしもた……」
「あぁ、珍しく随分遅くまで起きていたな」
寝ろ、とそっけなく言うノアールの服をフランコは掴む。
そして、甘えたような声でいった。
「一緒に寝ようやー……
俺、ノアール待っててこの時間まで起きてんで?」
「あのな……それは、俺の所為ではないと思うのだが」
ノアールはそういいつつフランコをみる。
やや呆れた顔をしている彼をみながら、フランコは小さく首をかしげた。
「ダメ?」
「……はぁ」
溜め息を吐くと、ノアールはフランコを抱いたまま、ベッドに体を倒す。
そして、そのまま強く抱き締めた。
息が詰まりそうなほどの強さにフランコは一瞬怯んだ顔をした。
「っ、ノアール……?」
「……罰だ」
俺の気持ちを疑った罰、とノアールは言う。
強い、強い、腕の力。
ブラン、という懐かしい名前。
フランコがそれを気にしたことが少し、嬉しいと同時に……
彼が自分の思いを疑ったことが、悔しかったのだった。
一向に緩みそうにないその腕に抱かれたまま、フランコは瞬きを繰り返す。
そして、"まったくしゃあないやつやなぁ……"といいながら、
おとなしくノアールの腕のなかに身を委ねていたのだった。
―― More… ――
(より嫉妬深いのはどっち?
より依存しているのはいったいどっち?)
(どっちでも構わない。
相手に対して抱く気持ちは変わらないから)