赤髪金髪コラボ&フィアのお話です。
男装騎士であるフィアと女装姿で任務に赴くこともあるライニさんとの絡みも好きなのです←
*attention*
赤髪金髪コラボ&フィアのお話です。
ほのぼのなお話です。
前半はライニさんとフィアの絡み、後半は赤髪金髪コラボな感じです
男装騎士と女装騎士の絡みもやってみたくて…←おい
ライニさんは男女問わず人目を惹くだろうな、と…!
たぶんアネットはそれを気にかけているのだと思います←ぇ
アネットは結構ヤキモチ妬きです(笑)
相変わらず妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
とある穏やかな午後……
暖かな日差しが差し込む休憩室の窓辺に金髪の少年が座っていた。
春先の暖かな光が窓に射し込んできて、彼の艶やかな金髪を揺らす。
手元に用意したコーヒーカップを傾け、彼……ハイドリヒは小さく息を吐いた。
静かで、穏やかな午後だ。
今日はハイドリヒも珍しく仕事がなく、一日休息だった。
心身ともに疲弊する仕事をこなす彼にとってこういった休みは貴重なのだけれど……
いつも一緒にいる赤髪の少年は今日も仕事らしく、朝から外に出ていた。
ハイドリヒは視線をあげて、壁にかかっている時計を見る。
「そろそろアネットさんも帰ってきますかね……」
小さくそう呟いた時、傍に誰かが立つ気配を感じた。
振り向いてみればそこには亜麻色の髪の少年がたっていた。
「ハイドリヒ」
「?フィアさん……」
ハイドリヒはその少年の名前を紡ぐ。
この城……ディアロ城の騎士であるフィアだ。
どうかしましたか?とハイドリヒが首をかしげると、
フィアは一度時計に視線を向けた後、ハイドリヒにいった。
「この後少し時間あるか?
仕事とか、休憩したいとかあればいいんだが……」
「特にありませんが……」
今日は特に用事もない。
ひとまず此処でアネットを待とうと思っていただけだ。
フィアはその言葉を聞いてそうか、と呟くと蒼い瞳をハイドリヒに向け、言った。
「お前さえ良ければ、また剣術の練習に付き合ってほしくて」
「?私に?」
「あぁ」
こくり、と頷くフィア。
ハイドリヒはそれを見ると、小さく首をかしげる。
「ルカさんやシストさんはお留守ですか?」
彼はいつもならば同じ部隊であるルカやシストに相手を頼んでいる。
フィアの従兄であり統率官であるルカに至っては剣術の名手だというのだから、
彼に頼むのが自然なはず。
一応この城にとどまることが多くなってきたとはいえ、
ハイドリヒに頼むと言うのは珍しいケースに思えたのだ。
フィアはそんな彼の反応を見て、苦笑を漏らした。
ゆっくりと首を振りつつ、言う。
「いや、いるんだが……彼奴らだと手加減されるから。
俺が女だと知ってる分、どうにも本気になれないらしくてな……」
「あぁ、なるほど……」
ハイドリヒは納得したように頷いた。
フィアは一応男として働いているとはいえ女性である。
それを未だに一応隠して働いてはいるが、
親しく付き合っている人間はその真実を知っている。
家族であるルカやパートナーであるシストが女性とわかっているフィア相手に、
本気になれるとは、思いにくい。
納得した顔をしたハイドリヒを見て、フィアは溜め息混じりに言った。
「ある程度実力があって尚且つ俺相手に手加減しない相手となるとかなり限られる。
もしハイドリヒさえ良いなら相手をしてほしい……普通に、その格好でいいから」
ハイドリヒはそんな彼の頼みにこくりと頷いた。
特にすることもないのだから、少しくらい付き合っても良いだろう。そう思って。
「わかりました。場所は……そうですね……」
ハイドリヒがそういいかけた時。
「ラインハルト!フィア!」
二人の名前を呼ぶ声が響いた。
二人は同時に振り向く。
鮮やかな赤色の髪の少年がたっていた。
「アネット?」
「アネットさん、任務終わった……っ」
終わったのですか、とハイドリヒが言うより先。
アネットはハイドリヒの傍に来ると、椅子ごと彼の体を抱き締めた。
椅子に腰かけている彼の体が傾ぐほどの力に、
ハイドリヒは少し驚きの色を浮かべる。
アネットはそんな彼には構わずぶうっと頬を膨らませて、
フィアとハイドリヒに言った。
「何話してんだよー、二人で!」
「ちょ、っと……アネットさん!」
離してくださいっとハイドリヒは軽くもがく。
しかしそれでアネットの腕がほどけないことはハイドリヒ自身が一番よく知っている。
フィアはそんな彼の様子に溜め息を吐き出しつつ、いった。
「剣術の練習を手伝ってほしいと頼んだんだ」
「そんなら俺に頼めばいいだろ!」
俺だって相手するのに!とアネットはむくれた顔をする。
確かにアネットもよくフィアの剣術の練習に付き合っていた。
だから自分に頼むのでもいいだろう、と彼は言うのである。
そんな言葉にフィアは苦笑を洩らして、いった。
「お前とハイドリヒとじゃ戦闘スタイルが全然違うだろう。
パワータイプのお前と繊細な戦い方をするハイドリヒとじゃ全然違う……」
「そりゃそうだけど。でも……気に食わねぇんだよ」
ぼそり、とアネットは言う。
ハイドリヒを抱き締める腕にぎゅっと力がこもった。
気にくわない、の理由はただひとつ。
自分の恋人が自分以外の人間と二人で一緒にいると言うのが気にくわない。
ハイドリヒが男女問わず人目を惹くことはよくわかっているし……
幾らフィアが友人、仲間とはいえハイドリヒと二人で一緒にいると言うのが、
どうにも許せなかったのである。
フィアもハイドリヒも、そんな彼の感情はわかったのだろう。
フィアははぁ、と溜め息を吐いて少し俯いていたアネットの額をこづいた。
「……あのなぁ。
ハイドリヒのことは確かにとても綺麗な人だとは思うよ。
でもな、俺がそういった……色恋沙汰に興味があるように見えるか?」
「……見えない」
ぼそり、とアネットは呟く。
フィアは確かに、そういったことに興味がなさそうだ。
任務に専念、騎士道を貫く……そんな態度が窺える。
だから、確かにそういった心配は少なそうなのだけれど……
そう思いつつアネットが視線を彷徨わせていると、フィアは小さく溜め息を吐いて、
ハイドリヒを抱き締めたままのアネットを見て、いった。
「まぁいい。ともあれ、お前らがそういうなら二人同時に頼む」
「へ?」
「フィアさん……?」
ハイドリヒもアネットも驚いた顔をする。
フィアは既に腰の剣に手で触れつつ、ドアの方へ歩きだしかけていた。
「複数の相手と戦う練習もできる。
ちょうどいい……
まぁ、ハイドリヒとアネット両方同時に相手をしたら、
普通の人間の数十人分に相当しそうだがな」
そういって、フィアはフッと笑う。
サファイアの瞳を細める彼を見て、
アネットも嬉しそうな顔をして、ハイドリヒとフィアを見た。
「へへっ、フィアさえ良いんなら俺もラインハルトと一緒に相手するぜ!
俺もラインハルトとの連携の練習になるしなっ!」
「まぁ、そういう機会はあまり多くないですけれどね」
ハイドリヒは冷静にツッコミをいれる。
アネットとハイドリヒが一緒に任務にいく機会は決して多くない。
そんな彼の言葉にアネットは苦笑した。
「それは言うなよラインハルト……」
「はいはい……とりあえず、離してください」
そういいつつハイドリヒはアネットの腕をほどく。
アネットは彼の態度に少しむくれた顔をしつつ、一度ハイドリヒから離れた。
「まぁいっか!ラインハルト、ほら準備してフィアといこう!」
「はいはい……すみません、フィアさん」
詫びるハイドリヒにフィアはおかしそうに笑う。
「なんでハイドリヒが謝るんだよ……まぁいい。
先に訓練室にいっているから、二人とも支度が出来たら来てくれ。
……あぁ、手加減はしなくていいからな」
じゃあまた後で、と言いつつひらりと手を振るフィアを二人は見送った。
それを見てアネットは苦笑を洩らして呟いた。
「ほんとにフィアは男らしいなぁ……
普通男二人相手に手加減なしで、とか言わねぇよ……」
「そうですね……
あとアネットさん、お願いですから人前で抱きつかないでください」
そういいつつハイドリヒはジト目でアネットを見る。
アネットはそんな彼に"別にいいじゃんー"といってむくれ顔だ。
まぁ彼にはいっても無意味か、と思いつつ溜め息を吐き出して、
ハイドリヒはアネットを軽く小突く。
「フィアさんを待たせても悪いですからいきましょう」
「おぅ!」
アネットはにっと笑ってうなずく。
そしてハイドリヒの手をぎゅっと握って、歩き出したのだった。
―― Friend and Lover! ――
(ただ剣術の練習をする話をしていただけなのに
それにでさえも嫉妬する恋人の貴方)
(確かにフィアは大事な友達だけど…
それとこれとは話が別なんだよ!)