久々に人外トリオのお三方&アネットのお話を書いてきてしまいました!
いやはや…このハチャメチャ具合が書いてて楽しかったです←おい
*attention*
人外トリオのお三方&アネットのお話です。
主にルーデルさん、スコルツェニーさん、アネットの絡みです。
ほのぼの?ギャグチックなお話です。
以前お二人と一緒にやったことも踏まえて、なお話です(笑)
退屈になるとこの三人は色々やってくれそうだな、と←おい
そしてなにげにお目付け役のガーデルマンさんが好きです(こら)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
暖かな日差しが降り注ぐ、ある日の午後……
赤髪の少年は椅子に腰かけたまま、足をぶらぶらと揺らしていた。
「任務終わりだし、ラインハルトも仕事いっちゃってるし……」
暇だなぁ、と彼……アネットは呟く。
退屈そうな表情。
午前中の間に任されていた任務は終えてしまい、午後は完全にオフ。
休みというのは多忙な騎士にとっては喜ばしいもののはずなのだが、
活発なアネットにとってはおとなしくしていろと言われる方がきついもので。
何か任務はないかと統率官であるアレクに聞きにいきもしたが、
生憎任せられそうな任務はないとのこと。
本でも読んでろ、とアレクに言われたが、アネットは読書が大の苦手。
昼寝をしようかとも思ったが眠くはない。
せめていつも一緒にいる大切な恋人……
ハイドリヒがいてくれれば話は別だったのだろうが、ハイドリヒも仕事で不在。
完全に暇をもて余したアネットは特に何をするでもなく、
食堂でぐだぐだしていたのだった。
友人がいれば話し相手になってもらおうかとも思えるのだが、親しい友人もいない。
全くどうしたものか……
そう考えていた時、食堂のドアが開いた。
アネットはパッと顔をあげた。
部屋に入ってきたのは金髪の青年と黒髪の青年。
アネットにとっても見慣れている人たち……
「あ!」
嬉しそうな声をあげて、アネットは椅子を蹴って立ち上がった。
その音に室内にいた騎士たちは驚いて振り向いたが、
アネットはそんなのお構い無しに二人に手を振った。
「ルーデルさん!スコルツェニー!」
アネットがあげた大声に二人も驚いたように振り向く。
そして笑顔を浮かべてアネットの方へ駆け寄ってきた。
「お、久しぶりだなアネット!」
「久しぶりっすね、ルーデルさん!と、スコルツェニー」
アネットがそういうとスコルツェニーは少し眉を寄せた。
「何で俺がおまけ扱いだよ」
うりうり、とスコルツェニーはアネットの頭を乱暴に撫でる。
やめろよー、と笑って言いつつ、アネットは首を傾げた。
「今日は何で此処に?珍しいよな、二人がディアロ城いるの」
彼らは此処の騎士でもないし、頻繁にここに来ているハイドリヒのような騎士でもない。
事実、彼らが此処に来ているのも久しぶり。
こうして顔を会わせたのも久しぶりなのだ。
アネットの言葉にルーデルとスコルツェニーは顔を見合わせて、笑った。
「そーだなぁ。まぁこれでもだいぶ来るようにはなったけどなー」
「ま、確かにそうっすね……任務っすか?」
「いや、違う違う」
アネットの問いかけにスコルツェニーは首を振る。
ルーデルは"任務あったら此処にはこないよ!"といった。
「仕事ないんだ!だから暇で暇で!」
「ちょっと暇を持て余してたんだ。
何かすることねぇかなぁって……この前みたいに」
スコルツェニーは煙草をくわえつつ、にっと笑った。
悪戯っぽいその笑顔にアネットは一瞬笑ったが……すぐに真顔に戻った。
"この前のこと"を思い出したのである。
「……もうラインハルトにちょっかい出すのは無しっすからね」
そういいつつアネットはややジト目を向けた。
以前彼らと一緒に居た時。
ハイドリヒがシャワーを浴びている所に入り込んで、覗きをしたことがあった。
あの時は思わずのってしまったのだが、
そのあとハイドリヒに叱られたのはいうまでもない。
今度したら口をきかない、といわれている分それだけはさせるわけにはいかない。
そんなアネットを見て、スコルツェニーは苦笑した。
「やらねーよ、おんなじ相手ターゲットにしても面白くねぇしな」
「面白さの問題かよ」
アネットは苦笑気味にそういうが、スコルツェニーはしれっと頷いた。
「当然。からかって面白いやつの反応見るのが楽しいだろうが……
あー……お前らの騎士団にもいたよな、女っぽいの。
彼奴とか弄ったら楽しそうな気がする」
「女っぽいって……
ラインハルトにもそう思ってちょっかいしかけたのか」
「ゴツい野郎の体見てもしょうがないだろ」
ルーデルもそういって、だよなぁ、とスコルツェニーに同意を求めている。
ラインハルトにそれいったら怒られるだろうな、と思いつつアネットは苦笑した。
ハイドリヒは確かに女性と見紛うくらい美しい人ではあるが、
それを気にしてもいるため、"女性っぽい"は禁句に近い。
そう思いつつアネットは自分の騎士団で女性っぽい騎士を考え……
すぐに一人、思い浮かんだ。
「あー、フィアのことっすか」
「そういったっけ、あの茶髪で青目の」
名前はうろ覚えらしい。
確かにあまり関わりも無さそうだもんな、と思った後、
アネットは真顔になって、首を振った。
「あ、彼奴はダメっすよ」
いろんな意味で、とアネットは呟く。
そもそもフィアは本当に女なのだからそんなことをしたら洒落にならないし、
本人より本人の従兄に無茶苦茶叱られそうだ、と思う。
元々フィアは絶対に共同のシャワースペースなど使わないのだから不可能だ。
真顔でそう答えるアネットを見て、ルーデルとスコルツェニーは顔を見合わせた。
そしておかしそうに笑って、アネットの背中をバンバンとたたく。
「あははっ冗談だよ冗談!」
「俺たちもそんくらいわかってるっての!
はーぁ、予想以上に面白い反応してくれたなアネット!」
にぃっと笑うルーデル。
アネットはそんな彼らの反応に幾度か赤い瞳を瞬かせた。
そして状況に気がつくと、大きく目を見開く。
「んなっ!?さては俺で遊んだ!?」
「ははは、だって一番身近にいた玩具だもん」
「単純そうだからすぐに引っかかるかなぁって思ってたけど……
予想通りだったわ、いや、それ以上」
くっくっと笑っているルーデルとスコルツェニーに、
アネットはしてやられた、という顔をする。
一緒に遊ぼうと思っていたのに遊ばれていたのでは世話ない。
アネットは思いきりむくれた顔をした。
「ほらほら、そんなむくれた顔しなさんなって」
「まぁこうやって一緒に遊ぶのも楽しいと思ってんだ!俺たちは!」
な、といってルーデルとスコルツェニーはアネットの頭を撫で回す。
アネットは暫しむくれた顔をしていたが、すぐに機嫌を直したようで、いった。
「そうだ!暇なら一緒に外出て軽く勝負しません?
ルーデルさんでもスコルツェニーでも……両方でも構わないっすよ!」
アネットはそういって勝ち気に笑う。
それを見て、ルーデルもにやっと笑った。
「おぉ、いいねぇ」
「二人同時はやめといた方がいいぜ?怪我する」
スコルツェニーがそういうと、アネットはムッとした顔をした。
そして、威張るようにいう。
「俺をなめんなよ!これでも炎豹の騎士なんだ!二人くらい余裕で相手できる!」
「へぇ、なるほどじゃやってみ……」
やってみようぜ、とルーデルがいいかけた時。
ぐいっと彼の服を引っ張ったものがいた。
それは、頬に十字の傷がある青年……ガーデルマンで。
あ、と三人は同時に声を漏らす。
そんなやんちゃ三人組を見て、ガーデルマンは露骨に溜め息を吐き出した。
「大佐……訓練がてらで武器引っ張り出すのやめてください!
出撃なくてひまなのはよくわかってますが、
貴方が戦った場合の周囲の被害規模の大きさ考えてください!」
「だってアネットがやりたいって……」
ルーデルはそういいながらアネットを見る。
アネットはさりげなく視線をそらした。
ガーデルマンはとりあえずルーデルへの説教を続行する。
「やりたいって言われたからってやる人がありますか!」
「あーあー、お目付け役が来た」
スコルツェニーはそういいつつもう一本タバコを取り出し、くわえた。
ガーデルマンはそれをひょいと取り上げて、いう。
「お目付け役が必要になるようなことを貴方たちがするからでしょう……
まったく貴方たちが一緒に居るとろくなことを思いつかないんですから……」
はぁ、と溜め息を吐き出す彼を見て、アネットは苦笑する。
そしてむくれた顔をしたルーデルたちを一瞥すると、呟くようにいう。
「ガーデルマンも大変だなぁ……」
「そう思ってくださるならアネットさんもこの二人に乗っからないでください……」
そういいつつガーデルマンは恨みがましげな目でアネットを見る。
「ははは……ごめんごめん」
アネットもとりあえずガーデルマンに詫びて……
それから、視線をスコルツェニーに移した。
「ルーデルさんがダメならスコルツェニーやろうぜ!
お前は普通の武器だからやってもいいだろ!」
「それは狡いぞ!」
すかさずツッコミをいれるルーデルに、
ガーデルマンはもはやツッコミをいれる気力すらない様子で溜め息を吐き出した。
額に手を当て、やれやれ……という顔をしつつ、呟く。
「まったくこの人たちは……怪我をしない程度に勝手にしてください」
もはやなげやりな彼の態度に三人は顔を見合わせて笑い、中庭に駆け出していく。
賑やかでやんちゃな三人がいなくなった食堂はひどく静かになったのだった。
―― Powerful boys! ――
(賑やかで活動的な三人が集まればそこは煩くなって然るべき。
何をするかと思い付いたことがとんでもない事態を引き起こさないことを祈るのみ)