久々の赤髪金髪コラボのお話です。
学パロでのお話になりました…
こういうほのぼのも好きです(笑)
*attention*
赤髪金髪コラボのおはなしです。
学パロ(本家Laurentia!)設定です。
ほのぼのなお話です
一緒にテニスをしてほしくて…←
素直で直球なアネット
あまりそういうことを口にしないライニさんとの対比が書きたくて…(おい)
一緒に旅行とか楽しそうだと思いました←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKと言う方は追記からどうぞ!
ある日の放課後の市営のテニスコート。
もう少しで日暮れ時と言うそんな時間帯……
時間が時間だからか、コートの傍にあるランニングの周回コースを走る人や、
犬の散歩をしている人の姿がちらほらある。
そんななかで二人の少年……
アネットとハイドリヒは何やらわいわいと騒いでいた。
……正式に言えば騒いでいるのはアネットだけで、
ハイドリヒはそれを聞き流しているだけなのだけれど。
「だーから、短パンはダメだってのっ!」
何で長いズボン持ってこないんだよーとアネットは抗議の声をあげる。
現在の二人の格好は簡単に言えばスポーツウェア。
半袖のシャツに短いズボンと言ういでだちだ。
流石に学校の体操着でやるのは抵抗があるためこの格好なのだが……
アネットはどうにもそれが気に入らないらしい。
ハイドリヒはそんな彼の言葉に小さく溜め息を吐き出して、答えた。
「長ズボンでテニスってやりにくいでしょう……
そもそもアネットさんも同じような格好なのに」
ハイドリヒの指摘通り、アネットもにたような格好だ。
元々サッカー部である彼のそういう姿は見慣れているし、様になっている。
貴方もそうなのだから別に何ら問題はないでしょう、とハイドリヒは言うが、
アネットは断固として首を振りつつ、いった。
「俺とラインハルトは違うだろ!
お前は日に焼けるし変な目で見られるだろっ、露出多いのはダメ!」
アネットはそういってダメ、と言う。
彼が心配するのももっともと言えばもっとも。
ハイドリヒはとかく、綺麗な人。
男性でありながら体躯は華奢で、背もすらりとしていて美しい。
艶やかな金髪も白い肌も、女性が羨むほどに美しいのだ。
人目を惹くし、アネットが言う通り"変な目"で見られることだってある。
ダメと言われたって他にズボンを持っている訳じゃないため、
アネットにおれてもらう他ないのだけれど……
そう思いつつ、ハイドリヒは溜め息混じりにいった。
「日に焼けるって……
アネットさんは私のことをいったい何だと思ってるんですか……」
何処ぞの令嬢じゃあるまいし、とハイドリヒが呟けば、
アネットは"何だと思ってるって……"と呟いて、小さく息を吸った。
「大事な恋人だ!なんか文句あるか!」
堂々とアネットは言う。
決して叫んだ訳ではないのだが、アネットは如何せん声が大きい。
ハイドリヒは驚きと羞恥で顔を赤くして、慌ててアネットの口を抑えた。
これ以上何か言われては堪ったものではない。
アネットは唐突に口を塞がれて目を見開く。
「んっ!?」
「文句はありませんから大声で叫ばないでください!」
一度塞いだアネットの口許から手を離しつつハイドリヒがそういうと、
アネットはにかと笑って、ハイドリヒにいった。
「ぷはっ……へへ……仕返しー」
「は?」
「だってこの前一緒にミックスダブルスの時にもダメっていったのに、
懲りずにまた短パンだもん……!」
どうやら、言うことを聞かないハイドリヒへの仕返しのつもりだったらしい。
変なところで知恵が働くんですから、と呟いてハイドリヒはアネットの額を小突いた。
「はぁ……ほら、やりますよ」
コート入ってください、とハイドリヒが言うとアネットは笑顔で何度も頷いた。
そして足元においてあったテニスラケットを手に、
ハイドリヒとは反対側のコートに向かう。
何故こうして放課後にコートによっているかといえば、
大分暖かくなってきたから、といって、アネットが一緒にテニスをしようと誘ったから。
ハイドリヒは元々テニスを始めスポーツは得意だし、
久しぶりに体を動かすのも良いかなと思ったのである。
コートにはいって二人で軽く打ち合う。
最初の頃こそボールを打ち上げてばかりだったアネットも、
ハイドリヒに教えられるうちに少しずつ上達して、
まともにラリーを続けられるようになっていた。
ボールが跳ねる小気味良い音が響く。
黄色のボールがコートを行き来する。
そんなラリーの最中に、アネットはハイドリヒに声をかけた。
「なぁ、ラインハルトー」
「何ですか?」
軽く彼の打球を打ち返しつつ、ハイドリヒは問い返す。
アネットはボールを追いかけつつ、いった。
「春休み入ったらさ、一緒にどっか出掛けないか?」
「どっか、って……随分アバウトですね」
アネットらしいけれど、と思いつつハイドリヒが返すと、
アネットは苦笑混じりにいった。
「だって何処かとかは考えてねぇもん……
泊まりがけとかでどっかいかねぇ?」
旅行的な、とアネットは言う。
ラリーを続けつつ会話が出来る程度には上達したのだな、とハイドリヒは思う。
そうして黙っていたから、不安にでもなったのだろう。
アネットは少し表情を曇らせて、言った。
「そういうごたごたしたとこ、嫌い?」
「嫌いと言うか……慣れてないですし」
元々彼は人付き合いが上手い方ではない。
目立つ容姿と才能とでやっかみの的になることも多かったし、
そうでなくとも彼はフラグメント……
普通の人間であるアネットとはどうしても違ってくる。
アネットはそんなハイドリヒの反応を見て、苦笑を洩らしつつ、言った。
「あー、ラインハルトが嫌だったらいいんだぞ?」
いってみただけだし、とアネットは呟く。
ハイドリヒはラリーを続けつつ、アネットの表情を見た。
確かに、言ってみただけだとはおもう。
でもどちらかと言えば……
「……いきたいのでしょう?」
期待していたのだろう、とハイドリヒは思った。
自分が頷いてくれたらいいな、と思いつつ口にした提案であったことは想像がつく。
彼の言葉を聞いてアネットは素直に頷いた。
「まぁ、俺はそりゃ……いきたいよ。
賑やかなとこが好きって言うよりはラインハルトとどっか出掛けたい……」
別に近場でもいいし、とアネットは呟く。
ハイドリヒはそんな彼の様子をちらとみて一息おくと、いった。
「……私も、別に構いませんよ」
「ほんと?!やったぁ」
アネットははしゃいだ声をあげる。
ハイドリヒはその隙に空いたスペースにスマッシュを打ち込んだ。
あ、と声を漏らすアネットを見て軽く鼻を鳴らすといった。
「……油断大敵」
「狡い!狡いぞ、ラインハルト!」
俺素直にはしゃいでたのにー!とアネットはむくれた顔をする。
ハイドリヒは"狡くはないでしょう"と言う。
「集中してないからですよ」
ハイドリヒはそういって小さく笑う。
元々アネットの性格は熟知しているハイドリヒ。
こういったことで彼の注意が削がれることは予想済みだ。
幾ら恋人でも勝負事には負けたくない。
アネットはそんなハイドリヒの態度に思いきりむくれた顔をした。
「むうう……今度は負けない!」
こい!と構えるアネットだが……
生憎ボールは彼のコートの方にある。
ハイドリヒはラケットでアネットのコートの隅の方を示した。
「ボール、そっちですよ」
「あ、やべ」
慌てたようにアネットはそれを拾いにいく。
ハイドリヒはやれやれ、というようにその背中を見送りつつ、
一緒に遊びにいくとしたらどういうところが良いだろう、と考えていたのだった。
―― Planning! ――
(君と出掛ける計画を。
何処にいくかじゃなくて君といられるのが嬉しいんだ)
(何処までも分かりやすい彼の性格。
その分かりやすさも、愛しいと思っているのでしょうけれど)