部下の(中略)コラボでSSを…
ハイニさん相手だとちょっと雰囲気違うルカをかきたかった…←おい
*attention*
部下の(中略)コラボのSSです
ほのぼのなお話です
ルカはあれでも結構周りに弱音を吐かないたちです(笑)
ルカのこと気遣っての行動をとるハイニさんをかきたかった←
何だろう、変に甘い雰囲気になったぞ←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
机に向かい、ペンを握る黒髪の少年。
彼の前には数枚の書類。
そこには任務の以来内容、標的、数、動員すべき騎士の人数などが細かく記されている。
黒髪の彼は短い髪をかき揚げ、小さく息を吐いた。
その表情は何処か浮かないものでさえあって……
と、その時ルカの机の上にちょこちょこと何かが乗っかってきた。
一瞬驚いて身構えたルカだが……
すぐにその小さな生き物の正体を悟って、小さく笑う。
「ハインリヒ……動物療法(アニマルテラピー)か?」
「すみません……声をかけようかな、と思ったのですが」
そういってすまなそうに笑うのは、ルカの部屋に訪ねてきたらしいヒムラーだった。
ルカの机の上に乗っかったのは彼の召喚獣である小さな黄色い鳥……基ひよこ。
どうにも書類に向き合ったまま煮詰まっている様子のルカに、
ヒムラーはどうしたものかと迷った末に、
ちょっと気が抜けるような行動をとってみたのだった。
その策は成功だったらしく、ルカの表情は少し緩んでいる。
座っていた回転椅子を少し回すルカの方へヒムラーは足を進める。
ルカはそんな彼を見つめて首をかしげた。
「どうした?何か用事か?」
「あ、急ぎのものではないのですが……
以前お借りした資料をお返ししようと思って。
ドアをノックしたのですが聞こえなかったようなので、入ってきてしまいました」
ルカはいつも自分の部屋に来る人間にたいして、
ノックしても気づかないようならドアを開けて構わない、といっている。
仕事に熱中していたり、下手をすれば居眠りをしていることがあるからだそうだ。
ヒムラーもそんな彼の言葉にしたがってドアを開けてきたのである。
ルカはヒムラーの言葉に納得して頷く。
「あぁ、なるほど。資料か」
「えぇ。これ、ありがとうございました」
ぺこり、と小さく頭を下げてヒムラーは借りていた資料を差し出す。
ルカはそれを受けとる。
そしてふ、と笑って……ルカは近くにたっていたヒムラーを抱き寄せた。
ヒムラーは少し驚いた声をあげる。
「え、あ、あの、ルカさん?」
「ん?」
何事も起きていないようにルカは首をかしげる。
その平然とした調子にヒムラーは少し焦った声で言葉を続けた。
「何で、僕を……?」
「あぁ、落ち着くから」
ルカはしれっと答えて、小さく笑った。
"小動物系だからな、ハインリヒは"と付け足す。
相変わらずのルカの発言にヒムラーは若干むくれ顔を作ったが、
ルカの腕から無理に抜け出ようとはしなかった。
おとなしく腕に収まったままにルカに訊ねる。
「お仕事、忙しいのですか?」
「ん……忙しいっていうか、ちょっと気が進まない任務でな」
魔獣の討伐なんだけどさ、といってルカは苦笑する。
自分がペンを走らせていた書類にある地図を指先で示しつつ、溜め息を吐いた。
「遠くでの任務だからどうしても城から離れてもらわなきゃいけなくなる。
サポートを求められても派遣するまでに時間かかるし……
それ思うと、ちょっと不安でさ」
ルカの口から"不安"という言葉が出たことにヒムラーは少し驚いた顔をした。
ルカと親しい騎士……
フィアやシスト、或いは他のセラから聞いた話ではあるが、
ルカは滅多に弱音を吐かないという。
そんな彼が素直に"不安だ"という姿は、ヒムラーもあまり見たことがない。
少し固まったヒムラーにルカは怪訝そうな顔をした。
「?どうした?ハインリヒ」
ルカは不思議そうに自分が抱き寄せている相手、ヒムラーを見た。
ヒムラーは少し躊躇うように首を振ってから、控えめにルカにいう。
「いえ……ルカさんがそういう態度をとるのは、珍しいな、と思って」
いつも明るくて、前向きで、多少無茶でも通してしまうたちの彼。
そんな彼がこうして甘えるような態度をとったり、
ちょっとした弱音を吐いたりするのは、ヒムラーにとっても珍しいことで。
ルカはそんな彼の言葉にルビーの目を見開く。
そして、小さく笑った。
「ん……一緒にいるのがお前だからじゃないかな?」
そんな彼の言葉にヒムラーはきょとんとする。
"僕だから、ですか?"と訊ねる彼の声に、ルカは頷く。
「気が楽なんだよな。ハインリヒと一緒にいるの。
まぁ、さっきいったみたいに小動物系ってのものあるけど……それ抜きにしても。
それに……
パートナーに甘えんのは、別におかしなことじゃないだろ?」
そういって、ルカはおどけたように笑った。
パートナー、という言葉には暖かい響きがこもっていた。
今までずっと、パートナーというパートナーを持たずにやって来たというルカにとって、
パートナーという存在は大きく、かけがえのないものらしい。
ヒムラーは何度か瞬きをして、照れ臭そうに微笑む。
そうして自分を"パートナー"と呼び、信頼して、
少し弱いところさえも晒してくれたことは純粋に嬉しくて。
ルカはヒムラーに抱きついていた腕を緩めると、
彼の青い瞳を見つめつつ、にっと笑った。
「お前も俺に頼ってくれて構わないんだからな」
そういってくしゃり、とヒムラーの赤紫の髪を撫でるルカ。
そんな彼の表情はいつも通りの明るいものに戻っていた。
ヒムラーはそんな彼をみて、イタズラっぽうく笑う。
「動物療法(アニマルテラピー)成功、ですかね?」
「はは、そうかもな」
さんきゅ、といってルカはヒムラーの頭を撫でる。
少し子供扱いされているような気もしたが、
彼の表情がいつも通りの明るいものに戻っているのを感じて、
ヒムラーも笑顔を浮かべていた。
―― Therapy ――
(なぁ、お前にならば多少の甘えも許されるかな?)
(相棒、と慕ってくれることは純粋に嬉しくて)