やや大人数(?)でのお話を。
こうしてわいわいしている姿を書くのも楽しいです←
*attention*
わちゃわちゃとやや大人数でのssです
ヒトラーさん、クビツェクさん、ゲーリングさん、ゲッベルスさん、フィアアルです(笑)
ほのぼのなお話です
変わった武器に興味を持つアル
ゲッベルスさんとゲーリングさんの関係が好きでこんなノリになってしまいました…←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
ざわざわと賑やかな声が聞こえる、ディアロ城の食堂。
任務や訓練を終えた騎士たちが集うそこはとても賑やかい。
「うわ……タイミング悪かったかなぁ」
「そうみたいだな……」
任務を終えて戻ってきたゲッベルスとゲーリングは食堂の前に立ち尽くしていた。
双方若干困ったような表情である。
任務を終えて戻ってきたのはよいが、彼らの上官であるヒトラーは部屋におらず、
それならば時間も時間だから、と直接食堂に来たのは良いのだが……
如何せん夕食時の食堂は混み合う。
満員、とまではいかないのかもしれないが、
適当に席をとって食事が出来そうな感じもしない。
ゲーリングは短い茶の髪を軽くかき揚げつつ、唸る。
「どうすっかなぁ……」
「あとで出直すー……?
お前と二人で夕飯ってのも何かアレだけど」
ちら、とゲーリングの方を見ながらいつものように軽口を飛ばすゲッベルス。
それが軽口であることはわかっているのだが、
放置もできないのがゲーリングである。
「どういう意味だ、おい」
ゲーリングがひくり、と表情をひきつらせてゲッベルスにいったとき。
"あれ?"という高い声が聞こえた。
その声に二人が顔をあげればぱたぱたと駆け寄ってくる、白髪の少年。
ゲッベルスよりは背が高い、それでも小柄な白髪の騎士は、
二人に無邪気な笑みを向けて、挨拶した。
「ゲッベルスさん、ゲーリングさん!こんばんは。
お二人とも、任務帰りですか?」
ゲッベルスとゲーリングが持っている武器を見て、アルはそう訊ねる。
ゲーリングが小さくうなずいて、答えた。
「ああ。で、時間もちょうどいいから夕飯食べてこうと思ったんだけど……」
「この通り混み合ってたからどうしようか、って話してたところ」
二人の返答にアルは納得した表情で頷く。
そして小さく首をかしげつつ、いった。
「あ、それなら僕たちのテーブルで一緒に食べませんか?
僕らの周りはもう大分空き始めてましたし……
ヒトラー様にも報告いれなくてはならないでしょう?」
「あれ?総統も一緒に……?」
「あ、はい。フィアが一緒に帰ってきたから、って、
そのまま食事ご一緒させていただいてます」
どうやら彼らが探していた黒髪の彼も、此処にいるらしい。
それならちょうどいいかな、とゲーリングも呟く。
任務完了を上官に伝えなければならないのも事実だし、
それと同時に食事もとらせてもらえるのなら、ありがたい。
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらっても……?」
「勿論いいですよー!あ、テーブルこっちです」
にこにこしながら白髪の彼は二人をテーブルまで案内した。
***
アルにつれられてゲーリングとゲッベルスがテーブルにたどり着くと、
言葉通り、テーブルにはヒトラーとクビツェク、
そしてアルの親友であるフィアの姿があった。
彼らももう食事はおえたのか、食後のコーヒーを飲んでいる。
ヒトラーが視線をあげると、ゲーリングとゲッベルスは任務の報告をいれた。
「総統ー、任務無事完了しました!」
「あぁ、お疲れさま」
ヒトラーが労う言葉をかけると、ゲッベルスは嬉しそうに笑う。
普段こそ騎士らしい騎士として振る舞うゲッベルスだが、
自分が尊敬しているヒトラーの前だと年相応の幼さをさらけ出す。
ゲーリングは"相変わらずだなこのちびは"と呟き、
軽くゲッベルスに睨まれていた。
フィアはそんな彼らに苦笑を浮かべ、
アルは"仲良しさんですねぇ"といってにこにこ笑っている。
そしてゲーリングたちが食事を適当にとってきたタイミングで、
アルは隣に座ったゲッベルスの武器を見つつ、いった。
「変わった武器ですよねぇ……マイク、でしたっけ?」
アルは興味深げにゲッベルスの武器を見つめる。
基本的に騎士が持つ武器は剣や槍などの営利なものだ。
一部例外としてジェイドの弓だったり、
夜鷲の騎士のように銃器を使う者もいるが、
大概の騎士は形はどうあれ剣なども持っている。
戦闘にほとんど赴かないアルでさえ、一応護身用のフルーレを持っている。
しかしゲッベルスの武器は違う。
彼が使うのはスタンドマイクだ。
一見すれば、武器には見えないそれ。
しかしゲッベルスはそれを駆使して戦っている。
アルの発言にゲッベルスは小さく頷いて、答えた。
「俺は魔術使いですからねぇ……
この武器にしたって切ったりして戦うわけじゃありませんから」
そういってゲッベルスは無邪気に笑った。
彼の脇におかれている大きなスタンドマイク。
「確かにちょっと珍しいかもしれないね。
殊更、この国の騎士は大体皆剣みたいだし」
ヒトラーの隣に座っていたクビツェクがそういう。
彼のいう通り、この国の騎士は大半が魔術剣を武器として使う。
飛び道具でさえ使う騎士はすくないのだ。
スタンドマイクなんて変わり武器、使うものはそういない。
フィアもクビツェクの言葉を聞いて、呟くようにいった。
「音波魔術、なんて聞いたことがなかったからな……
魔力を拡散して使うタイプの魔術自体があまりないから、驚いた」
攻撃だけじゃないのだろう?とフィアはゲッベルスに訊ねる。
ゲッベルスは少し考えてからうなずいた。
「そうですね。無論攻撃にも使いますが……精神面の治療なら、多少できます」
"からだの治療はさすがに無理だけど"とゲッベルスはおどけるようにいった。
音を使った魔術のため、受動者の心を落ち着かせたりする効果を持つ魔術もある。
事実、以前城が襲撃にあったとき、
突然の事態に怯える幼い騎士たちを宥めるために魔術をつかったこともある。
「夜鷲の騎士は精神系の魔術を使える者が多いが……
ゲッベルスの魔術はそのなかでも特殊だからな」
映像化や音の魔術は使える人間が少ない。
重宝する、といっては利用しているようで嫌だが、
彼の能力が組織のなかでも重要な役割を果たしてくれることは多い。
そんなようなことをヒトラーがいうとゲッベルスはやや誇らしげに笑みを浮かべる。
尊敬、敬愛する彼に認めるような発言をもらえて嬉しかったのだろう。
アルはそんな彼を見ながらいった。
「ゲーリングさんとは違うタイプっぽいですよねぇ。
ゲーリングさんは剣術お強いイメージあります、僕」
彼の言葉にフィアも同意の意を示す。
コーヒーカップを傾けつつ、彼も口を開いた。
「あぁ、そうだな……
あ、そうだ。ゲーリング、うちの馬鹿……
否、ルカがまた剣術の練習に付き合ってくれといっていた」
ふと思い出したようにいうフィア。
恐らく前にされた伝言を今ゲーリングの顔をみて思い出したのだろう。
部隊が違う彼らが顔をあわせることはあまりない。
彼の発言を聞いてゲーリングは苦笑を漏らした。
「フィアさんも相変わらずっていうか……」
ゲーリングのコメントはフィアからルカへの評価が酷い、ということだろう。
いきなり"馬鹿"と評価されているルカは今ごろくしゃみをしている頃だろう。
フィアはふん、と鼻を鳴らして"事実をのべたまでだ"といった。
「こうしてるとゲーリングさんはツッコミ役みたいですねぇ」
アルは自分のマグカップを両手で包み込みつつそう呟く。
ゲーリングは溜め息混じりに横目で自分のパートナー的存在の小さな騎士をみつつ、
呟くようにいった。
「ツッコミいれなきゃいけない人間が周りに多いからな……」
「大変だなーデブも」
「主にお前だよ!何他人事みたいな顔してんだ!?」
やはりすかさずツッコミが入る。
そんなコントさながらのゲーリングとゲッベルスのやり取りに、
アルはもちろん、フィアやヒトラーも笑みを浮かべる。
いつものようなやり取りを繰り広げていたゲーリングとゲッベルスも、
始めこそ若干決まり悪そうだったが、やがてすぐに明るい笑みを浮かべた。
賑やかな夕食の時間は過ぎていく。
仲間と、パートナーと、尊敬する人と過ごす、
こんな賑やかな夕食もいいな、と思いつつ皆明るく笑っていた。
―― Happy dinner time ――
(明るくて楽しい夕食の時間)
(これも大切な、仲間と過ごすヒトコマだよね!)