隔週で通院をしていて、本来なら今日が通院日に当たるのだが、担当医の都合で翌週となった。
そんなときに限って、容態が悪化し僕の精神はすっかり衰弱していた。
今迄規則正しく起床していたのが乱れ、なかなか起きられない。
四肢が鉛のように重たく感じられ、動かせない。
そのうち睡魔に襲われ、また起きては同様な事態を何度も繰り返し、日一日(ひいちにち)を殆ど臥せて過ごしていた。
定時の食事の度に起こされるが、悪心(おしん)で食欲が湧かない中渋々食べる。
両親は自由業の為、僕が家族に合わせて生活しないと家事が進まないので仕事に掛れず迷惑なのだと云われた。
そろそろ復職に向けて勉強し始めるようにも促されたりもした。
そうして、いつからだったろう、漠然と「しにたい」と思考するようになっていた。
実際、枕元に脱ぎ捨てたパーカーを首に絞め付けたりしたこともあった。
手元の薬を一遍に飲んでしまおうかと思った時もあった。
今迄にない思想だった。
今になって思うと…今も事態は好転したとは云えないが…僕は一人になりたかったのだと思う。
僕は今度は家族から逃げたいのだ。
いつまで逃げようとするのだろう。
どこでなら僕は適応できると云うのか。
話題:死にたい
◇行き合ひ・行き逢ひ(ゆきあい)
@出あうこと。また、その時やその所。出あい。
A季節の変わり目。特に、夏と秋との変わり目。
◆行き合ひの間(ゆきあいのま)
交差する、また接するもののすきま。ゆきあいのひま。
◇端境(はざかい)
新米と古米とが市場で入れ替わる9、10月ころ。
季節性のある野菜・果物・生糸の取引などにもいう。
◆端境期(はざかいき)
端境の時期。また一般に、物事の入れ替わりの時期。
「−で在庫が品薄になる」
暫らく調子を崩していたもので、紹介する機を失しました。
すっかり秋になってしまったようです。
話題:文字や言葉
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血は、煮え湯のように滾(たぎ)らねば、忽ち滞って変色し、凝固してしまう。肉は、苦痛を伴うほどに激しく行使されねば、生温(なまあたたか)い倦怠の底に沈んでしまう。
平野啓一郎「一月物語」
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◇宿痾(しゅくあ)
長い間治らない病気。持病。痼疾(こしつ)。宿疾。宿病。
◇痼疾(こしつ)
容易に治らないで、長い間悩まされている病気。持病。
「幼時からの−に悩む」
◇漸漸(ぜんぜん)
@事が少しずつ進んでいくさま。
「砦柵(さいさく)を構て、−と城下に逼近(ひっきん)し」〈竜渓・経国美談〉
A[副]だんだんに。徐々に。
「−形勢を切迫させて来た」〈漱石・彼岸過迄〉
「判断が−に訓練せられ」〈西田・善の研究〉
◇高揚・昂揚(こうよう)
精神や気分などが高まること。また、高めること。
「士気が−する」「自主独立の精神を−する」
◇苛烈(かれつ) 厳しく激しいこと。また、そのさま。
「−をきわめる戦闘」「−な生存競争」
話題:今読んでる本
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一体、真拆の悪と云うものに対する考えは甚だ凡庸である。そして、それが故に、当たり前のように悪を為すことを肯ぜない。
平野啓一郎「一月物語」
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◇火玄火玄(ゲンゲン) ※火が偏で玄が旁
光りかがやくさま。
◇新体(しんたい)
新しい体裁や形式
◆新体詩(しんたいし)
明治後期に口語自由詩が現れる以前の文語定型詩。
◇先鞭(せんべん)
他に先んじて着手すること。
「現地法人設立の−を着ける」
◇就中(なかんずく)
その中でも。とりわけ。
「すべての学科にいえるが、−語学は重要だ」
話題:今読んでる本
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去り際に開かれた窓より、細筆で素早く引いたような眉月(まゆづき)が覗いている。
平野啓一郎「一月物語」
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◇双睛 ?
ソウセイはいう中国に伝わる伝説の鳥らしい。
この本では、双眸の意で誤用されているようだ。
◇透徹(トウテツ)
@澄みきっていること。透き通っていること。
「−した秋の空」
A筋道が、はっきりと通っていること。
「−した理論」
◇江湖(こうこ)
@川と湖。得に、中国の揚子江と洞庭湖。
A世の中。世間。一般社会。
「広く−の喝采を博す」
B都から遠く離れた地。隠者の住む地。
「猫を友にして日月を送る−の処士」〈漱石・吾輩は猫である〉
◇醜穢(しゅうわい)
みにくくけがらわしいこと。また、そのさま。しゅうかい。
「学生の品行も随分−なりしと」〈逍遥・当世書生気質〉
話題:今読んでる本