(↑ さあ、イケボな彼は誰でしょう?)
・開始時間までまだ長いので、ちょっとした客寄せ着ぐるみおばけが店内に出ることになりました。
・高校時代のジャージにお着替え。頭には手ぬぐい。ひとり学園祭の気分になる。
・ひとりで着れないので2人がかりで持ち上げてもらい、すっぽりと被る。重い、なんか異臭がする、視界が狭いうえに悪い。中身は幅はあるものの、長さがない。朱鷺高の身長でぎりぎりぐらい。そして重い。内部に肩に引っ掛ける用のバンドがあるが、長さが合ってない。合わせても意味皆無だった。
・「朱鷺高さん小さくて本当に助かったー」とか聞こえる。どういう意味だコルァ。
・お子様のちょっとした遊び場スペースまでが遠い。そこに辿り着くまでに汗が止まらなくなる。
・「お客様ー、すみませーん、ちょっときぐるみが通りまーす」の台詞が地味に笑えた。
・こちらを振り向くお客様数人の肩が跳ねていた。
・遊び場スペースに辿り着く。3歳と5歳ぐらい?の女の子2人がこちらに振り向く
・「うぎゃあああああああああん!!!!!!」 「おかーぁああさあああん!!!!」
・盛大に泣かれる。そしてレジの方に向かって走り出してしまった。
・お父さんに抱っこされた赤ちゃんを発見。近付くと盛大に泣かれたので離れる。そしたら泣き止む。
・また近付くと泣かれる。離れると泣き止む。これを2回ぐらい繰り返し、最終的には記念撮影。
・社員のGメンさん(アダ名)がカメラ係に徹していた。
・おばけのきぐるみを着た朱鷺高、略して朱鷺ぐるみは可愛らしいポーズ模索中。
・「ほら、おばけさんがいるよー」と若いお母さんが赤ちゃんを抱っこしたまま近付いてくる。赤ちゃんに眼の部分をどつかれた。近付くなってか。
・10分ぐらいしてバックヤードに引っ込むことになり、移動開始。
・「ぱぱー!おばけに足があるよ!!」
・そこつっこまんでくれ、頼むから。ほら見ろお父さん困ってるじゃないか。
・バックヤード到着。2人がかりできぐるみを支えてもらい抜け出す。冷房があまり効いていないけど、と言われるが実はめちゃくちゃ涼しさを感じてました。
・2階の休憩室にジュースが買ってあるとのことで、素直に頂くことにする。しかし冷蔵庫にあったのは2リットルペットボトル×3本。計6リットルの水分がそこにあった。
・「あ、朱鷺高さん!糖分も取っておいたほうがいいよ!」と、白熊のアイスを貰いテンションが上がる。
・パートさん数人がお昼休憩。その中でジャージ姿のままでアイスを食べることになる。
・「朱鷺高さん、黒子のバスケって読んだことある?」
・どうやらお子さんより買って来てほしいとメールがあったようです。完全な不意打ちにアイス吹き出すかと思った。朱鷺高はジャンプ立ち読み程度なのでそれとな〜く誤魔化す。しかしキャラクターズバイブルと公式ノベライズはしっかり持っていたりする。
・いつかコミック大人買いしてやると決意を新たにする。
・2回目の客寄せ。日差しが強くなってるのは気のせいじゃない。
・「お昼時だからか小さいお子さんがあまりいない」とのこと。いやもう被っちゃったんですけど!
・再びの遊び場スペース。確かにお客さん自体も少なく、お子様も2〜3人ぐらいしかいない。
・「「うぎゃあああああああああん!!!!!」」
・いい加減傷つくぞ。
・「ままー、おばけちゃーん」
・そう言って抱き付いてくる3歳ぐらいの女の子。天使キタコレェエエエエ!!と脳内大絶叫。
・しかし暑い。大量の汗が気持ち悪い。
・外見がこんなので中身がコレじゃあ色々とドリームクラッシュだろうと現実逃避。
・2回目も10分ぐらいで退場。きぐるみ脱出後、椅子から動けなくなった。いやガチで動けねえ。
・しかし約20分後は読み聞かせの会が始まる。登場回数は2回。
・即ち、気合で乗り切るという結論に至る。なるようになれ、と要するに思考放棄した結果。
・「朱鷺高さん、倒れるなら倒れる前に言ってね!」
・それ無理じゃね?超無理じゃね?宣言してから倒れるとか普通に無理じゃね?
・読み聞かせの会が始まる。出版社から来ている読み手さんの合図で朱鷺ぐるみ登場のこと。そこから約15分間は触れ合いタイムとのこと。
・何度も言うが朱鷺さん書店員しかもアルバイトのハズ。本屋の仕事ってなんだったっけ。
・大体14時辺り?に出陣用意。ここまでくると慣れに近い感覚になっとる。
・遊び場スペースに近付いていく時点で既にもう気付かれている。
・お子様にスルースキルなんてない。だからこそ親御さんの教育が求められるのだと思う。
・「実は今日、スペシャルゲストがきてまーす!」 スペシャルか?
・朱鷺ぐるみ登場です。
・ちなみにこの時、相棒が密かに来ていたことにまっっっっったく気付きませんでした。
・ちょっとした記念撮影会。思いっきり抱き付いてくるお子様は意外と力があった。
・不安定なボディで朱鷺高の脚力が試される日が来るとは・・・。気付かれないよう踏ん張ってた。
・朱鷺ぐるみ退場。足が見えないよう努力しても無駄無駄ァア!!なことになった。
・「足が見えてるー!!」 「黒い靴が見えるー」 「中身が見えてるー!!」
・だからつっこむんじゃねえっつーの。子供の夢なんて些細なことで砕けるもんなんだよ!
・バックヤード退場。即座に水分補給。店長登場で手作り氷嚢を頭に乗せられた。あざーっす!!
・しかしまだあと1回出陣が残っている。
・確かにこれは誰もやりたがらないだろう。また機会があってももうやりたくないかも。
・「あ、朱鷺高さん。これ今日のお礼だから、良かったら使って」
・ハーゲンダッツのギフト券を手渡される。
・朱鷺高の気力・テンション・調子が一気に跳ね上がる。あばばばばハーゲンダッツゥウウウ!!!!
・安いやつだなというツッコミは無しの方向でお願いします。
・迎えた最終出陣。これを終えれば、朱鷺ぐるみの戦いは終了なのである。
・長かったなーと思っててふと気付く朱鷺高。
・これ終わったら朱鷺高帰れんの?それともまさかのレジ打ち業務?
・汗だくで汗まみれで髪ぼっさぼさでいかにも一仕事終えました的な状態ですよ朱鷺高。
・まじでどうなんだろう。まさかレジ仕事してけと言われたらどうしよう。逃げ帰ってやろうか。
・「朱鷺高さんそろそろ出番みたいよー」 あ。なんか捕まった感覚。
・後先の不安を残しつつ、出陣準備。装着もスムーズになってきている。
・流れは先程と同じだが、お子様が相手なら気は抜けない。タックルもどきしかけてくるんだもん。
・負けてたまるかァアア!!!これ終わったらギフト券使ってアイス買うんだ!!
・さあ来い!と意気込んだはいいが扉に激突した。
・遊び場スペース到着。最後の戦いに挑むぞ朱鷺ぐるみ!もうなんでも来いやぁあ!半ばヤケになる。
・「ぱぱー、おばけと写真とってー」 「おばけちゃんふわふわしてるー」
・姉妹ズに抱き付かれる。あれなんだろこころが安らいだぞ。
・割と女の子は近付いて来て抱き付いたりしてくるが、男の子は中々近寄って来ない。え、その年齢で草食男子?早くね?
・ちなみに上記の姉妹ズはお昼のパートさんちのお嬢さんズだったと後々判明。
・片手しか動かせないが手を振ったりボディを動かしたり足見えないようにしたり。本気ハード業務。
・やっぱり微妙に撮影会。この姿で他人のアルバムに乗ってしまうのか、朱鷺ぐるみ・・・。
・しかし既に相棒の携帯のフォルダに保存されているという失態。
・本当に汗が止まらなくなってきている。だらっだらと流れている状態。
・「はい、じゃあここでおばけちゃんは退場でーす」
・終わったぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!
・「あれはきっと人間に戻るんだよ!」
・それ以上言うと泣き出すまで迫ってやろーかコルァ。
・はい終了ー。
・着ぐるみ脱出後、なんとも言えない達成感に包まれる朱鷺高。しかし身体はガッタガタである。
・頭に巻いていた手ぬぐいが完全に濡れていた。どれだけ水分が放出されていたんだろう。
・全身がとんでもなく重い。しかしこれで帰してもらえるのか戦々恐々。
・「朱鷺高さん明日は朝から出勤だから今日はもう帰っていいよ」
・店長ォオオオオオオオオ!!!!!嬉しいけど明日も出勤ってのは言わないでおいてェエエエ!!!
・そこは素直に早々帰宅。アイスのギフト券?もうそれ後でいいわ疲れてるから!
・家についてからの記憶が曖昧。目覚めたら21時回っていたという展開。風呂入って即就寝。
・そして次の日、予想通り筋肉痛。リポD飲んで仕事に向かういつもの日常を迎えていた。
・数日後、パートのお子様姉妹にダメ出しされていた事実が発覚。曰く、動きがヘンだったとか。
・余計なお世話である。
・本屋にとってお子様という存在は敵に等しいものかもしれない。そう思った炎天下。
・朱鷺高が得たもの=筋肉痛・疲労感・アイスのギフト券・これはバイトの仕事なのかという疑問。
・これは経験値なのか?黒歴史の1ページなのか?ただのネタなのだろうか?
・よく分からないまま今日も朱鷺高は本屋でアルバイトしております。
お粗末!!