見つけてごらん(食満←伊作)
「留三郎って、案外鈍いよね。」
「・・・・・・は?」
唐突な同室者の発言に、留三郎は思い切り眉根を寄せて素っ頓狂な声を発した。
何を突然、と言わんばかりの訝しげな表情で、まじまじと相手を凝視する。
すると、彼に冒頭の一言を告げた相手・・・伊作は、細く溜め息をついて改めてこう言ってきた。
「戦闘や用具の事にかけては敏感なのに、何でこう・・・自分の事には鈍感かなぁ。」
腕を組んで困ったように呟く伊作に、益々留三郎の顔は渋くなるばかり。
こうも連続で鈍い鈍いと言われれば、誰だって嫌なものだが。
どうやら、それは留三郎も例外ではないらしい。
わずかに苛立った面持ちで、伊作の真意を知るべく訊き返す。
「・・・・おい、伊作。そりゃ一体どういう意味だ?」
問いかける間に、一体自分のどこがそんなに鈍感なのだろうかと考える。
しかし、そう簡単に答えが出てくるはずもない。
それどころか、考えれば考えるほど謎が深まるばかりで。
仕方なく伊作からの返答を待っていると、彼は組んでいた腕を下ろして苦笑した。
その苦笑いが、触れたら一瞬で崩れてしまいそうなほど儚くて、思わず留三郎は面喰らってしまう。
「っ?伊、作・・・・?」
不安気に名を呼ぶと、伊作はこれだけ答えてくれた。
「・・・・答えは、自分で見つけてごらん。」
(その笑顔は、美しくも儚い桜花と良く似て。)
どーしても、私が書く伊作は片思いになってしまうようです。
いつかラブラブも書きたいのになぁ・・・。如何せん文章力がなぁ・・・。
お題提供元様:空は青かった