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明日・明後日の土日は歩きまくります。大体90kmくらいを

えらくマジです。
 
大学の空手部か何かの部活が鍛錬のためだかで始めたイベントで、高知市内の大学のキャンパスから
 
東の果ての室戸岬まで丸1日以上歩きます。
 
参加する羽目にorz
 
速い奴は10時間とか……絶対歩いてないだろ!走ったんだろ!
 
去年もやって歩ききったきもう今年は途中でやめますorz
 
……国道やのに夜に外灯が皆無ってどうよ?深夜に1人で歩くがは闇に飲まれそうで冗談抜きに怖い。去年は運良く仲間と合流出来たけんど……
 
というわけでこの土日と週明けは死んでますorzorz
 
 
.

日付的にはある意味間違ってるでしょうが

いい夫婦の日ですね。俺には2次元にも3次元にも嫁なんていませんが。
 
え?長門?
 
長門はキョンの嫁だっつの!
 
というわけでいい夫婦の日SS
 
……長編早ようやれorz
 
 
【家族】
 
「おかーさーん、朝だよー」
 
「んむぅ………?」
 
私は体にかかる重みによって目を覚ました。ぼやけた頭と目で、枕元に置いている時計を確認する。
 
……8時54分。迂闊。
 
「おかーさん、お寝ぼうさんだー」
 
未だに私の上に乗りながら、薄くはあるけれどはっきりとした笑顔で私を見てくるのは、私の娘。今年で5才。
 
「……おはよう」
 
「うん、おはよう」
 
起き上がり、布団を畳んでいると、娘が向かった台所から声が聞こえてくる。
 
「お、お母さん起きたか?」
 
「うん。呼んだけどおかーさん起きなかったから、上に乗ったら起きた」
 
……呼ばれていたのに起きられなかったとは、迂闊。
 
「お前なぁ、お母さんも疲れてんだから、そんな起こし方しちゃいけません」
 
「えー? だっておとーさんも昔はー」
 
「アイツに教えられたことはしなくていいの!」
 
……夫の言う『アイツ』は、恐らく夫の妹さんのことだろう。彼女も小さい頃はよく夫に飛び乗って夫を起こしていたという。私達が結婚してからも、彼女はよくここへ来て娘の遊び相手をしてくれる。彼女も私にとってとても大事な人の1人。
 
2人のいる台所へと顔を出す。
 
「……おはよう」
 
私が声をかけると、甘い匂いをたてる朝食であろうホットケーキを焼きながら、
 
「ああ、おはよう有希」
 
夫が笑顔で私を迎えてくれた。
 
 
 
「どうだ、美味いか?」
 
「うん」
 
「とても」
 
「そうか」
 
3人で夫の焼いたホットケーキを食べる。夫は意外にも(と言うと失礼だが)料理の腕が平均的な男性のそれと比較するとやや高く、簡単な料理ならば時折作ってくれる。
 
「でも、黒いとこはおいしくないよー」
 
「そうか、じゃあいらないんだな」
 
そう言って、娘のホットケーキを容器ごと彼女の手に届かないように奪う。
 
「あっ、ダメ……!」
 
「ちゃんと食べるか?」
 
「うん。シロップかけるもん」
 
「はい、じゃあほら」
 
戻されたホットケーキにシロップを表面いっぱいまでかけ、娘が幸せそうに頬張る。
 
「おかわりまだ作れるからな、欲しかったら言うんだぞ」
 
「うん」
 
娘の、夫と同じ色をしたショートカットを優しく撫でながら、優しい表情で夫が言う。娘も気持ちよさそう。
 
そんな2人のやりとりを見ていると、私の頬も自然と緩んでいた……
 
 
 
 
夫が娘を胡座の上に乗せながら2人で子供向けのテレビを見ている間、私は寝坊のお詫びとして、夫の反対を圧して朝食の皿を洗う。
 
今日は休日、私達3人が1日中過ごせる日。といっても、3人共積極的ではない方だから外出をすることはあまりない。
 
それでも、愛する家族と同じ時間・空間を共有出来ることは、今の私にとってこの上ない幸せだった……
 
 
夫と出逢った当初は、私がこれほど幸福な人生を歩むことが出来るようになるなんて思ってもみなかった。通俗的に言えば、親に敷かれたレールの上を歩むような人生だったから。
 
自分の意志で生きているという実感など湧いていなかったし、眺めているはずの世界はどこか色褪せていた。そんな生を最期の時まで過ごし続けるものだと思っていた。
 
 
でも……それは夫と出逢ったことで劇的に変化した。
 
世界に色が塗られ、私に幾つもの心を与えてくれた。私が信頼を裏切るようにどうしようもなく暴走した時でさえも、私を責めることなく、暖かい両手で私を包み許してくれた。その時私がどれほど救われたと感じたか、あの人は知らないだろう。たまにデリカシーのない言動で落胆させられたこともあったけど、そんなところもひっくるめて私は夫に惹かれた。
 
 
いつしか、叶うことのない夢物語を私は描いていた。どんなに望んでも、叶うことはないと思っていた。
 
けれど、その夢は叶ってしまった。私がまたその想いに押し潰されそうになった時、それを伝えたら、私を守ってくれると約束してくれた。本当に嬉しかった。生きてきた記憶の中で初めて、笑顔を浮かべられ、同時に涙を流すほどに。
 
それから交際が始まり、私にさらに広い世界を教えてくれた。私が苦しまずに済むよう私の能力にも頼ることを抑え、私を導こうと努力もしてくれた。
 
そして……私にプロポーズをしてくれた。私の世界そのものと言っても過言ではない彼の想いを、どうして断ることが出来ようか。私は彼を迎え入れた。
 
 
子供も生まれ、健やかに育っている。私に似て本が好きで感情をあまり表に出せないけれど、誰よりも私の表情を読むのに長けた夫には簡単にわかるそう。勿論私にもわかる。最近は年下が欲しいと言うから、夫とまた頑張ることを視野に入れなければいけない。あ、また顔が緩む。
 
夫は昔から言っていた『安定した職』として公務員になり、家族サービスを欠かさない。いい夫。実を言うと私がもっと稼げる仕事に就くことが出来たが、夫に『今まで俺の比じゃない苦労をかけたんだ、お前が気張ることはないさ。それに、今の方が稼ぎはともかく家族で過ごせるからいいと俺は思う』と言われ、喜んで従った。でも、気遣ってもらえるのは嬉しいけれど、やはり夫にばかり負担はかけられない。夫の苦しみは私の苦しみでもあるから、私は夫を支えたい。
 
 
 
 
洗濯等の仕事を一通りこなし、昼食にする。昼食は高校時代より夫と共に試行錯誤を重ねた共同カレー。娘にも大評判。
 
「美味しい?」
 
「うん。すごく美味しい」
 
「メチャ美味いよ。心なしかいつにもまして美味い気がする。何かしたか?」
 
「特別なことは何もしてない。でも、あなたが言うのだったらそれはきっと真実。美味しくなっていると思う」
 
「フフッ、だよな。有希が作ったもんだ、美味いに決まってるさ」
 
「…………そう……」
 
また、頬が緩む。
 
 
 
 
昼食の片付けをしてリビングに戻ると、夫の腕枕で娘がお昼寝をしていた。夫も眠っている。
 
本音を言うと今日の買い出しは3人で行きたかったのだが、仕事疲れが溜まっていたであろう夫や幸せそうに眠る娘を見ていると、暖かな気持ちになる。
 
 
………今晩の食事の分の材料はまだあるし、干した洗濯物も乾くまで時間がかかるはず。3人での買い出しは今日でなくても出来るだろうし……何より、穏やかな寝顔の2人を見ると、起こそうだなんて気も失せた。
 
 
私は娘の反対側、やはり夫に腕枕をしてもらう形で横になる。暖かくて惚けてしまいそう……彼に思わず抱きついてしまった。しかし腕を引っ込めようなどとは微塵も思わない。
 
 
 
 
 
「     、    ……愛している……大好き……」
 
2人の規則正しい寝息と、夫から直に伝わる温もりに包まれながら2人の名を呟き、私の意識はこれ以上ない幸せという海の中に、沈んでいった……
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「という夢を見た」
 
「「「「………………」」」」
 
時は放課後の文芸部室。ハルヒの『宇宙人の電波って実は人間の夢の中に来るんじゃないかしら!』とのお達しで、各自最近見た夢の発表をすることになったのだが……
 
1番『夢』に無縁そうなこの宇宙人は俺の心配をよそに正反対のベクトルでぶっ飛んだ答えを語ってくれた。
 
……ヤバい、顔の火照りが治まらん。
 
「………残念……」
 
「何だと!?」
 
長門が俯きながら小さく呟いた言葉に思いっきり動揺する。そ、それは……どういう意味なんだ……?
 
「そ、そうよね! よかったわね有希、夢で! キョンなんかと結婚なんてしちゃったら人生大損よ!」
 
お前は俺を何だと思ってんだ。やたらと嬉しそうに言うハルヒに軽く毒づく。心の中でな。もし長門が今ハルヒが言ったような意味で『残念』だと言ったのなら、俺は3日ほど精神的に死ぬだろう。
 
「違う。夢の中の私は幸せだった。夢が夢であったことが残念だと言っている」
 
長門の言葉にまたもや全員が固まる。………………マジで?
 
「もし夢の中のようにあなたと過ごせれば、私にとってこれ以上の幸福はない」
 
………あー、それは愛の告白と受け取ってもいいのか………?
 
俺の問に小さく小さく長門は頷いた。
 
「夢の中の私が語ったあなたへの想いは、今の私のそれとまったく同じ。私という個体は、あなたをこれ以上はないほどに大事だと感じている」
 
……マジの………マジ…?
 
「信じて」
 
…………ああ、ありがとう……
 
 
 
こうして、めでたくカップル誕生に
 
「こらーーーーーー!!!」
 
なるわけなかった。勘弁してくれ……
 
 


 
あれ、日付オーバー。というかいつの間にか『意外と〜』シリーズっぽくなっちまったorz
 
まあいいや。
 
 
.

拍手返信

>そういえば、11月22日〜の方
 
そうでしたね〜、ちなみにポケットモンスタースペシャルのグリーンの誕生日ですよ(ここで言うことじゃない)
 
…書けってことですか?(笑)
 
 
>あるところでキョンは〜の方
 
マジですか(笑)参考にさせてもらいますね☆
 
ギャップ萌えか……どうすりゃいい?
 
YUKI.N>どうにもならない、あなたの腕では。
 
orz
 
 
拍手ありがとうございました☆
 
 
.

この前ぬこを抱きながら寝たら(長編その5)

夢の中にもぬこが出てきました……よっぽど癒やしに飢えとんだなぁ、俺。
 
ボス戦です? ちなみにアニメを主に遵守してます。
 
 
【ミスティッククエスト・5】
 
俺はこのダンジョンのボスであるフレームサウルスを前に、かつてハルヒが生んだSOS団のシンボル的エンブレムによって覚醒したカマドウマを思い出していた。
 
あー、あのカマドウマとでかさはタメ張るなーコイツ。あの虫はどーやって倒したっけー?
 
そうそう思い出したー、古泉が本来の10分の1の攻撃力ながらエネルギー弾をぶん投げて威嚇してー、その後長門が斥力場を作ってバリア&アタックでトドメを差したんだっけー。
 
さて、あの時と今と、戦力を比較してみよー。
 
俺。前はただついてっただけの役立たず。で、今は剣・斧・爆弾に回復魔法と攻撃魔法持ち。やる気はともかく戦力にはなってるはずー。
 
よかったなー、スゲーぞ俺ー。さらに今は以前役立たずだった俺にくっ付いてた朝比奈さんもいなーい。よしよし。
 
で、だ。
 
俺が戦力になり、朝比奈さんが抜けた分上がったパーティの戦力ってのはさ、
 
 
 
古泉が変身もエネルギー弾も使えなくなり、手裏剣くらいしか武器がなくなったこと、そして何より、長門がこの場に存在さえしてないことによって必然的に下がった戦力のさ、
 
 
 
穴埋めって出来てるのかなー?
 
 
 
「出来てるかぁぁ!!」
 
「グォォォォォォ!!」
 
ボスが叫びながら地面を叩く。大地が震え、足をとられる。そこへ俺めがけてボスが殴りかかってくる。
 
「うおぉぉ!?」
 
殴られる寸前に盾を構えられたお陰で、ダメージは小さい。しかし鈍い音と同時に吹っ飛ばされる。
 
「づっ!」
 
砂地がクッションになった。危ねえ……
 
「大丈夫ですか!?」
 
ボスと距離を置き、古泉と合流する。おい、どうすりゃ倒せるんだよ!
 
「すみません……ゲームじゃ単に攻撃を積み重ねるだけで済むんですが、流石に自分が戦うとなると……」
 
だろうな、プレイヤーに操作されるキャラクターって、こんなスリルを味わってたんだな……RPGがトラウマになりそうだ。
 
なんてどうでもいいことを考えてる間に、ボスがこちらへのっそりと歩き距離を詰めてくる。
 
ところで恐竜モノの映画では、人間が逃げ惑う後ろを猛スピードで恐竜が追いかけてくるシーンをよく見るが、あれは実は物理的にありえないらしい。というのも、今目前にいるような化石から本来の恐竜の姿を考えた際、その恐竜の足では自分自身の体重を支えきれず、立ち上がって歩くことは出来ても走ることは出来ないそうなのだ。
 
こんなファンタジーワールドでそんな物理法則が通用するのかとも思うが、実際向こうはこちらに走ってくる様子はない。代わりに歩幅が大きい分こっちに来るのは速いからあまり慰めにはならないが。
 
 
「どうすりゃいい?」
 
「どうやら、神人と違い自重を無視している、ということはなさそうですね……でしたら、まず足元から崩すのがいいでしょう。その後はやはり背骨、そして頭と砕くのがベストかと」
 
簡単に言うな、近付くだけで命懸けだろ。そう言うと古泉は、いつになく真剣な眼差しで。
 
「殺らなければ、殺られます」
 
まともな神経をした少女なら8割方落とせそうな面。あーはいはい、わかったよ。
 
「では、僕が撹乱しますから、足元から切り崩す役目をお願いします」
 
そう告げ、古泉はボスに向かって直進、その後ボスの周囲を駆け巡り、時折手裏剣を飛ばしてダメージを与える。
 
俺はボスに近付くタイミングを計るため集中していた、のだが……
 
「ふんもっふ!」
 
古泉が手裏剣を投げる。
 
「ふーんもっふ!!」
 
手裏剣を投げる。
 
「ふーんもっふぅ!!!」
 
手裏剣を投げる……っっ!!
 
「古泉ー!! せめて黙っててくれ!!」
 
「ええ!?」
 
100年の恋も冷めそうな古泉の叫び声に、しているそばから集中を削がれる。
 
 
それでも何とかボスの足元に近付き、斧を(人間じゃないが)人体急所の1つ、弁慶の泣き所に思いっきり振り抜く。
 
化石だから本来の肉が付いてないとはいえ、相当な負荷がこの巨体を支える足にはかかっているはずだ、金属音と共に足にヒビが入る。そこに爆弾を置きボスから離れる。
 
数秒後、爆音とボスの悲鳴と共に、ボスが片足を失い跪く。しかし戦意は全く無くしていないようで、俺の方を睨んでくる。
 
古泉が戻ってくる。
 
「やりましたね、これでボスの機動力を封じられたはずです。後は僕が後ろから攻撃しますから、あなたはタイミングを見計らって魔法や攻撃を叩き込んでください」
 
言われなくてもそのつもりだ。
 
「では!」
 
そしてまた、古泉が後ろをとり手裏剣を飛ばし始める。
 
「グァァァ!」
 
ボスが体を捻り古泉を殴ろうと腕を出す。古泉が器用に攻撃を避け、空振りした隙を狙い近付く。
 
「くたばれっ!」
 
顔面を狙い爆弾を放る。しかしボスが頭を動かしたせいで当たらない。
 
爆音。
 
ボスにトドメにこそならなかったが、肋骨数本と片腕を吹っ飛ばした。
 
「オノレェェェェ!!」
 
残った片腕で叩き潰しにくる。瞬間的な本能か、俺は伏せて地に手をつき
 
「『クエイク』!!」
 
叫んだ。
 
轟音と共に地面が大きく揺れ、ボスがバランスを崩す。
 
少なからずダメージを与えられていた。直に倒せるはず、そう確信した。
 
 
 
それが間違っていた。
 
 
 
俺が最後の攻撃を仕掛けようと、古泉と共にボス目掛けて駆ける。
 
ボスはこちらを一睨みすると、自身の周囲に散乱している骨を拾い、こちらに投げてきた。
 
全力でブレーキをかけ、直撃こそ免れたものの、投げられた骨が目の前に落ちたその刹那、
 
 
 
爆音と共に俺達は吹っ飛ばされていた。
 
「ぐあっ!!」
 
「うぐっ…!」
 
地面に叩きつけられた瞬間、激痛と共に意識が飛びかけた。
 
「つつつ……」
 
何とか起き上がろうとする。
 
体は幸いまだ動く。しかしあんな攻撃をしてくる以上、迂闊には近付けない。
 
「ごほっ……すみません、流石に敵の攻撃パターンまでは、覚えてませんでした……」
 
古泉が力無く立ち上がる。気にすんな、それよりもお前…流石にボロボロじゃねーか?
 
「ええ…正直キツいです…」
 
……俺達、まさか死にはしないだろうな……?
 
「涼宮さんです、流石に理不尽に命を落とすようなことまでは望んでいないでしょうが……」
 
俺もそう思ってるさ。だが一応死にかけたことがある身として言わせてもらう。
 
「……重傷ってのも相当キツいんだぞ……」
 
「……笑えませんね」
 
最早誰に言ってんだか……
 
「古泉、とりあえずまずは回復しとこう。体があまり動かん」
 
「そうですね、お願いします」
 
古泉にケアルをかける。古泉から脂汗が引いた。
 
「ふぅ……助かりましたよ」
 
「…あのさ古泉、万が一俺達が2人共……戦えなくなったらどうなるんだ?」
 
「確か、セーブしたところからやり直しですね」
 
「……セーブってどうやるんだよ……」
 
「それか、戦闘の一切をリセットして戦い直しになります」
 
はあ?
 
「つまり、戦闘に入る前の状態にこちらと向こうのコンディションが戻ります。いえ、時間そのものが戻りますね」
 
……つまり、死ぬことはないんだな?
 
「戦闘で勝たない限り、死に続けるとも言えますがね」
 
嫌な言い方をするな! 延々と苦しむなんざゴメンだ!
 
 
 
思えば、こんな会話をし続けるよりも、さっさと俺は俺を回復させるべきだった。
 
 
ボスが俺めがけ、その凶悪な腕を伸ばしていた。
 
俺はその攻撃に、完全に体が固まってしまった。
 
混乱の最中、俺は全く回らない頭で、意識していたのかどうかもわからないが、唱えていた。
 
 
 
 
 
『ケアル』と……
 
 
 
敵キャラに回復魔法をかけるとは、なんて馬鹿なことをしちまったんだ……俺がそう考えることが出来たのは、
 
 
 
 
 
ボスが腕を引っ込め、苦しんでいる時だった。
 
 
 
我に帰り、最優先に自身を回復する。
 
「あいつ……なんでケアルが効いてんだ?」
 
古泉に思わず目をやる。
 
「………まさか…!」
 
目を見開き、愕然としていた。どうした!?
 
「……恐らく、ヤツを倒せます。僕がヤツを潰しますから、サポートしてください」
 
真剣な瞳。……OK、やっちまえよ。どうせ負けてもやり直しなんだろ? やる気はないがな。とっとと終わらせてくれ。
 
「はい。行きますよ!」
 
古泉が駆ける。ボスの……ボーンブーメランとでも呼ぼうか……をギリギリでかわし続け、ボスの眼前で大きく跳躍する。
 
そのジャンプが、オリンピック選手が馬鹿らしく見える程のもんだったということを頭の隅から追いやり、飛び上がって体の自由が効かないであろう古泉へのボスの迎撃を防ぐため、
 
もう一度、地震を放つ。
 
揺れと轟音。
 
「グァァァァァ!!」
 
ボスが悲鳴をあげる。古泉を叩き落とそうとしたであろう腕は、届かなかった。
 
 
「終わりです!」
 
古泉がボスの頭に乗り上げ、ボスの額に手をやり
 
「『レイズ』!!」
 
叫んだ瞬間、
 
 
 
 
 
「ギャアァァァァァ………」
 
断末魔の叫びと共に、ボスの体が崩壊した。
 
 
TO BE CONTINUED…


 
実際戦わされるRPGのキャラってどう思ってんだろうね?(知るか)
 
 
.

↓の続き(短編SSの後編)

妹によく「このロリコン!」となじられます。どこがと聞いたら「長門好きなくせに!」と言われました(妹も長門好きだけど)
 
とりあえず、長門好き=ロリコンが正しいとかはおいといて、
 
ハルヒの1番好きなCPが谷キョンだとかほざく腐女子にとやかく言われたくない。
 
 
【生徒会と古泉の陰謀? 後編】
 
前編
 
キョンside
 
さて、どうしたもんか……俺の交友録に付き合ってる2人組なんざ知らないし、書きようがない。
 
クラスを見渡していると、阪中に目が留まる。ん? 目が合った……何か顔赤いが熱でもあるのか? とりあえず片手で謝り目を離す。阪中か……これは『お似合いの2人組』とは書いてるが、別に人に限らんでもいいだろ、俺は白紙さえ避けられればいい……
 
よし、『阪中とルソー』っと。
 
後1組……確かだいぶ昔に古泉と長門はお似合いだなとか言ったが……何だか気に入らんな、やめだ。そうだな、喜緑さんと会長も仲は悪くはないらしい。あの2人にするか。……会長の名前なんざ知らんが……
 
『生徒会長と喜緑さん』っと…
 
それはそうと、回答時間に入ってからやたら視線を感じるのは気のせいか?
 
 
ハルヒside
 
まったく、キョンの口車に乗せられて答える形になっちゃったけど、何か皆真剣ね……さっきから変に視線を感じるし。
 
さて、どう答えようかしら…む、キョンのやつ何阪中さん見てんのよ! 阪中さんも何顔赤らめてんのよ! ……キョンは別に他意がなかったみたい。けど罰ゲームね…
 
それにしても…あたし誰が誰と付き合ってるとかなんて興味なかったし……知らないのよね。仕方ない、SOS団で考えるか……
 
キョンとみくるちゃん…キョンのニヤケ面が腹立つから却下。古泉君とみくるちゃん……悪くはないわね。有希と古泉君も…って、あの2人が仲いいのは映画の話だけね。有希ってキョンにだけは心を早くから開いてたみたいだけど…キョンもまんざらじゃないみたいだけど……っ!!
 
ダメダメ、あんないい子達がキョンなんかに引っ付かれたら可哀想だわ。やっぱあのバカキョンはあたしが面倒見てやんないと……自演ってバカみたいね……でも匿名投票だし、いっか。
 
『涼宮ハルヒとキョン』っと…他はもういいわ。
 
ああ、集計が発表される前に生徒会に乗り込んでやるわ。
 
 
阪中side
 
妙な企画なのね…でも面白そうだからやるのね。
 
やっぱりキョン君と涼宮さんかなぁ。ふと2人の方に目をやると……キョン君と目が合っちゃったのね…何か照れるのね……キョン君は謝ってるけど、悪い気はしてないのね……
 
どうしよう、涼宮さんとキョン君がお似合いって書いちゃったけど、変にムカムカするのね……
 
悶々としてる内に時間が終わっちゃった。思わず『キョン君と阪中』なんて書いちゃったのね……何やってんだろ私……
 
 
谷口side
 
何かわけのわからん企画だな。まあいい、公表されなかったAランク美少女は俺が落とす!
 
お似合いの2人ね……やっぱ涼宮とキョンだろ。つーかキョン以上に涼宮と付き合えるやつはいねえ、しっかり繋いどけ! 後はそうだな……あのAランク越えの朝比奈さんや長門有希は……キョン、殺す。2人は渡さねえ! 少なくとも朝比奈さんは俺がもらってやる!
 
『谷口と朝比奈みくる』っと…
 
 
そう言や、長門有希はキョンに押し倒されてからどう思ってんだろうな……後キョンが時々昼休みに弁当持って出掛けてんのはどこ行ってんだ?
 
 
国木田side
 
何だろうこの企画。面白そうだからいいけど。
 
お似合いの2人か……キョンって色んな女の子に好かれてるよね。いつか修羅場るかな。是非見てみたいよ。そうだね……
 
『キョンと涼宮さん』
『キョンと佐々木さん』
『キョンと長門さん』
 
……かな。他にもキョンはフラグ立ててるみたいだけど、とりあえずこの3人だね。
 
女の子による1人の男子の争奪戦なんて、生で見れるもんじゃないよ。これを見るチャンスは滅多に無いし、楽しませてもらおうか。
 
 
長門side
 
何なのであろうか、このアンケートは。一週間前、古泉一樹が生徒会室に入った際に喜緑江美里による情報封鎖が行われ、会話を探ることが不可能だった。
 
あの後喜緑江美里を問い詰めても、明確な返答はなかった。どうやらこれがあの生徒会と古泉一樹が共謀したものであると考えられるが……人間の感情に疎い我々には回答し辛い。
 
「長門さん、どうしたの?」
 
隣席のクラスメートが話しかけてきた。私1人ではこれの内容の把握が困難、力を借りることにする。
 
「……何を以て『お似合い』と判断するのかわからない」
 
「そうなんだ……そうだね、お互い支え合ってるとか、気持ちが繋がってるとか、息が合ってるとかかなぁ」
 
「……申し訳ないが、やはりよくわからない。出来れば、例を挙げてほしい」
 
「う〜ん…よく長門さんをお昼に誘う彼…キョン君だっけ? 彼と長門さんは私はお似合いだと思うな」
 
……エラー発生。私と? 彼が?
 
「………………それは、いい意味で……?」
 
「え、うん? よくあの黄色いカチューシャの人と一緒にいるの見るけど、彼、あんまり楽しそうには見えないよ」
 
……それは表面的。彼は涼宮ハルヒと共に活動するのを内心楽しんでいる。だからこそ……あの世界を捨て、この世界を選択した……エラー発生。
 
「でも、長門さんの前じゃ彼、優しい顔してるもの。それに何だか、あの人は長門さんのことよくわかってる気がする」
 
……それは事実…エラー発生。
 
「ね、長門さんと彼はお似合いよ! 書いちゃえばいいよ!」
 
「……そう……」
 
最後に私に笑顔を向けると、そのクラスメートは自分の作業に戻った……
 
記入欄に彼女の言う通り『長門有希、(キョンの本名)』と記入する。先ほどからエラーが発生している……それに名を付けるならば……『照れ』『嬉しさ』だと考えられる……悪くは、なかった。
 
彼女の説によると、両者間に支え合いがある2人が該当するらしい。ならば、涼宮ハルヒの提案に乗り気ではないことが多い彼より、役割とはいえ適切にサポートする古泉一樹の方が『お似合い』だと言えるはず。
 
もう1つ、私は『涼宮ハルヒ、古泉一樹』と書き込んだ。
 
……それはそうと、私が会話を始めていた時に向き始めた私への視線と、それに込められた意味は何だったのだろう……?
 
 
古泉side
 
さて、予定通りですね。僕が書き込むのは勿論『涼宮ハルヒ、(キョンの本名)』です。これ以外に書くべきことはありません。なんとなく周りを見渡すことにします……?
 
何でしょう……?教室のクラスメートの視線が時折こちらに向きます。しかもどこか楽しげで……
 
とりあえず、放っておきましょう。
 
 
……彼らの視線の意味を知ったのはまた後日……
 
 
みくるside
 
ふぇー、これは何を書けばいいんでしょう……? お似合いの2人ですか……やっぱり涼宮さんとキョン君かなぁ。でもキョン君、長門さんにも優しいですし、私にも優しくしてくれてますし……
 
あれぇぇ……? 頭がこんがらがっちゃいましたよぅぅ……お似合いって何ですかぁぁ……?
 
 
私が回答時間の終了を告げられて正気を取り戻した時、用紙には
 
『涼宮さんとキョン君』
『涼宮さんと長門さん』
『キョン君と私』
 
なんていうカオス状態になってました……
 
 
鶴屋side
 
あははっ! おんもしろいアンケートだねっ! 生徒会がこんなのをする理由がわからないにょろよ! でもバッチリ答えるっさ!
 
そうだね、やっぱキョン君とハルにゃんかな! あたしみたいなキャラの人以外にハルにゃんについていける人なんてめがっさ少ないっさ!
 
でもキョン君、みくるや有希っこにも他の人以上に鋭いさね! 女の子泣かせになっていつか女の子に刺されたりしなきゃいいにょろよっ!
 
あたしは楽しい気持ちを抑えないまま用紙に
 
『キョン君にハルにゃん』
『キョン君にみくる』
『キョン君に有希っこ』
 
って書き込んださっ! もしかしたら集計する人が誰かわかんないんじゃないかな、ってことに気付いたのは休み時間に回収箱に用紙を放り込んだ後だったよ!
 
ま、楽しそうだったからオッケーっさ!
 
 
 
 
 
後日、再び生徒会室。
 
「……古泉」
 
「……はい……」
 
「この結果は何だ?」
 
「……予想外です……」
 
「ああ、だろうな。お前の目論見通り、集計してみればあの男と涼宮に投じた奴が最も多かった。だがな……」
 
「はい……」
 
「集計して僅か1桁の得票数の差であの男と文芸部部長が2位になるとは何事だ? しかもお前と涼宮という票も少なくなかったぞ。これじゃ集計結果の公表など危険過ぎる」
 
「あらあら……♪」
 
「しかも何だ、お前とあの男に入れた奴。『涼宮に振り回される2人には愛が芽生えているのよ!』だと……」
 
「無視してください!」
 
「他にも主にあなたのクラスの人から、『涼宮に忠実な犬』との意見も見られます」
 
「………流してください……」
 
「涼宮さんと長門さんの票が拮抗した理由が、涼宮さんには5組の大半の方と他のクラスの一部、長門さんには6組の大半の方と、何故か上級生の方々が投票したせいです」
 
「……彼女らと彼は誰に入れたんですか?」
 
「はい。涼宮さんは自分と彼、長門さんは自分と彼、それとあなたと涼宮さんですね。『鍵』は……えーと、阪中さんとルソー、……まあ♪ 会長と私に投票してますね」
 
「………何だってまた……」
 
「いえ、得票数が1位であるだけならまだよかったんですが……問題はコメントですね……」
 
「ああ……」
 
彼らは知らなかった。いや、3人の内1人は知っていたかもしれないが。
 
この場に快速に突入しようとする1人の少女の存在を。
 
 
 
「こらー!!」
 
「「ッ!?」」
 
「あら、涼宮さん。いらっしゃい」
 
「まあね、あんたらの悪事を暴きに来てやったわ! 悪事の源、アンケートの集計結果を出しなさい!」
 
「す、涼宮さん……」
 
「ああ古泉君。別にあなたを追及するつもりはないわ。…ん、これね……何々……」
 
((………終わったな……))
 
「ふーん、あたしとキョンが1位か……やっぱキョンの面倒見るのはあたしね……!?」
 
『涼宮は君に任せたよキョン』
『せいぜいあの暴君を鎮めてくれたまえ』
『ご愁傷様』
 
「………ふ、ふーん…大きなお世話よ! …で、2位は……キョンと有希!? あのエロキョン、やっぱ有希に変な下心が……ッッ!?」
 
『休日図書館で勉強してる時、よく2人で来てるのを見ます』
『図書館で彼が眠っている隣にピッタリくっ付いて座る彼女が可愛い』
『時々彼が2人分の弁当を持ってお昼に誘ってるのが印象深いです。長門さんが素直に対応してるのが珍しくて』
『有希ちゃん! 涼宮さんに負けるなー!』
 
 
 
「……………ふーん………へぇー………!!」
 
「……バイト…行ってきます」
 
「……ご苦労…」
 
「逝ってらっしゃい、ですね。目論見はどうやら外れたみたいですね?」
 
「キョーーーーーーン!!!」
 
キョンという少年がシメられ世界が大きく揺らいだことはまた別の話である。
 
 
 
 
おまけ。
 
古泉達の最初の会合の日。
 
キョンと長門の帰り道。
 
「長門、古泉は休みだったが何かあるのか?」
 
「古泉一樹は現在、生徒会室にいる」
 
「……何やってんだ?」
 
「わからない。恐らく喜緑江美里によってあの部屋は情報封鎖されている。中の様子を探ることが出来ない」
 
「そうか…なら仕方ないな。………ん?」
 
「……………」
 
「どうした、袖を引っ張ったりして」
 
「………また、」
 
「?」
 
「また、彼らに文芸部が攻撃されるのだろうか……」
 
「……ああ、かもしれんな」
 
「……不愉快だった。あの場所は私にとって安らげる場所の1つ。それを失うのは、嫌」
 
「そうか……なら俺も、一緒に守れるように頑張ってやるよ」
 
「………そう……ありがとう……」
 
「どういたしまして……って、長門!? いきなり抱きついてきてどうした!?」
 
「! ………今のは誤作動。………ごめんなさい……」
 
「い、いや。謝らなくていい、驚いただけだ。ほら、な?(ナデナデ)」
 
「………(コク)」
 
「じゃあ帰るか。ほら、行こうぜ」
 
「……そう……」
 
実は仲良くなってた。この光景を偶々ある北高生に目撃されて軽く噂が広がり、この2人の得票数が伸びたのはまた別の話である。
 


 
短編SS最長。
 
バザーっていいよね(いきなり何だ)
 
 
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