誰も犯罪とか悪人になろうとして戦わない

だから、正義も善悪も争いに求めてはいけない





博士がしたのは世界の延命
結果的にそれが大量殺人と崩壊だったとしても

教団がしたのは大切な人との再会
結果的にそれが現世の滅亡だったとしても


颯刃がしたのは世界の救済
結果的にそれが、人を殺したり、何よりも大切な愛を踏みにじったとしても









学園生徒は一時、英雄に祭り上げられ
称賛され、拍手をうける


颯刃はその輪から少し離れて、思った


『俺が斬り伏せ、奪った事は変わらない。
俺は確かに、自分の意志で、殺した。
だから、その痛みを忘れてはいけない』




「ずっとこんな気持ちだったの?」

「……俺は、ただ卑怯だっただけだ……」








人知れず、悪を負って顔を上げる青年



そんな話は、何時だって起こってる